二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2016明治安田生命J2リーグ第12節 京都vs千葉

2016-05-08 | 蹴球

京都サンガF.C.1-1△ジェフユナイテッド千葉
75'堀米勇輝
 (↑エスクデロ競飛王)
            90+4'近藤直也
            (↑こぼれ←CK)

[警告・退場]
・京都
試合終了後'菅沼駿哉(C3異議)
・千葉
なし


【全体の印象】
 リスクを冒さずカウンター狙いの千葉に対し、京都は主導権を握るも、無理をせずに終えた前半。後半になると千葉のカウンターに鋭さが増し京都は守勢に回るも、カウンター返しで抜け出したイヨンジェ、エスクデロの御膳立てで堀米が先制ゴール。その後は危なげなく逃げ切るゲーム運びを見せたが、終了間際に取られたCKに動揺したところを衝かれて失点。すっかりJ2に長居しているライバル同士が繰り広げた非積極的な一戦は、どこかもやもやとする痛み分けとなった。


【雑感】
■連戦マネジメント
 監督コメントでも言及している通り、菅野がCKを取られたトリッキーなプレーによって「勝点2を落とした」と見ることもできる。スタジアム観戦時には「菅野の軽率なミス」と見えたが、映像を確認するとマイボールとして保持するためのせめぎ合いだったことがわかる。おそらくタッチラインも割っていない。判定の是非はともかく、通常のGKでは選択しないような攻撃的なプレーを選択したことは、菅野孝憲というGKのアンデンティティそのものだ。惜しむらくは、判定に対しての異議に注意力が回ってしまい、きっちりマークを整えないまま相手の間合いでCKを蹴らせてしまったこと。非常にネガティブな幕切れとなったが、試合後の選手たちのコメントが総じて前向きであるのは頼もしい。
 3連勝は逃したものの、ゴールデンウィークの過密日程、中3日-中3日で3試合の連戦を2勝1分けで乗り切った。去年、石丸監督就任直後にも同じ間隔の3連戦があり、偶然にも最初の相手は今回と同じくセレッソ(○)で、福岡に優位に試合を運びながらも惜敗(●)、東京Vに走り負け(●)で波に乗りきれなかった。酷暑の連戦を固定メンバーで戦い、最後は疲労困憊だったことは記憶に新しい。今年はコンディションに応じて選手を組み替えつつ、ある程度狙い通りの戦いぶりを維持することができた。怪我人等のアクシデントもあったが、確実にマネジメント力は上がっている。

■塩試合コンポジション
 セレッソ戦、清水戦は、ハッキリと挑戦者の立場で臨めた分、ある意味やりやすかったともいえる。しかし関塚千葉は予想以上に京都を警戒してきた。最終ライン4枚+ボランチ2枚がほとんど上がることなく、リスクをかけずに隙を衝こうという戦術だ。京都としては守勢に回る相手をどう動すか?という課題を突き付けられた格好。石櫃が上がったりエスクデロが下りてきたりして揺さぶりをかけたが、牙を剥くほどには労力を費やさなかった。連戦の疲労もあっただろうし、「後半にスイッチを入れるプラン」(by監督コメント)もあったようだ。いわゆる塩試合…いや探り合いのコンポジション(構図)だ。
 ただし後半うまく攻勢に乗れたのは千葉。いわゆる「櫃裏」を北爪がガンガン衝くと、カウンターの鋭さが増し、京都は引き気味の対応を余儀なくされた。一方でイヨンジェが最前線の基点としてそこそこ機能したため、最終ライン(低)~トップ(高)という部分的に突出した陣形に。奇しくもFWの前残りが、堀米の先制点に至る逆襲カウンターにつながった。
 得点後、今度は京都はリスクを冒さず4枚-4枚のブロックを緊密にし、残り15分+αを逃げ切る体勢に入った。去年の連戦で攻勢を貫いて失敗に終わったのとは正反対だ。冒頭に挙げたラストワンプレーこそ誤算だったが、クレバーな試合運びと言えるかもしれない。がしかし、連戦の疲労まで考慮に入れても、残り15分で守りに入るのは少々早く、多少モノ足り無さはあった。慎重さも大切ではあるが、セレッソ戦や清水戦で発揮したチャレンジャーズスピリットを忘れてはならない。