二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2012天皇杯2回戦 松本vs京都

2012-09-08 | 蹴球

松本山雅FC●1-3○京都サンガF.C.
         4'工藤浩平
         13'駒井善成
64'楠瀬章仁
         83'中山博貴

■大木式0トップ
 ここ数年天皇杯緒戦といえば佐川印刷だったので、何とも天皇杯感がない天皇杯。リーグ戦で苦杯をなめさせられた「反町山雅」だが、立ち上がりは案外すんなりと得点しましまう。得点の基点は中山博貴が駒井善成に入れたパスで、それを駒井は見事なポストをして工藤浩平が決めた。駒井はこの日、ワントップ。だけど、見ていると決してFWの動きではなかった。ある意味、いつもの駒井と一緒。印象としてはちょこまかとよく動く駒井と、キープ力はあるけど動かない中村充孝が2人前線にいるって感じ。いわゆる「0トップ」だ。ユーロでスペインが採用してちょっと話題になったあのシステム。さすがにスペインほど個々がボールを持てるなんてことはないけど、大木式0トップはそれなりに意図は見えた。キープレーヤーはやっぱり駒井で、彼が縦横無尽に動けば、スペースが生まれる。そこに後ろから上がってくればチャンスが生まれる。安藤淳や黄大城というSBが入ってきてもいい。そういう味方を生かすためのフリーランは、いつも宮吉拓実がやってはいるんだけど、監督がそういうプレーを望むならば、純然たるFWは苦しい。そして、交代でFW入れる場面でも、難しくなる。

■駒不足のセンターバック
 秋本倫孝と染谷悠太が怪我で離脱し、苦しい守備事情。バヤリッツァは次のリーグ戦まで出場停止。明らかに駒不足だ。そんなに中で大木監督は酒井隆介をCBとしてチョイスしているが、果たして彼の持ち味は出ているのだろうか?前半の後半からは、山雅の猛攻。京都はそれを受けてしまった。バヤリッツァだけは前から刈り取りに行く守備を見せていたが(それが失点の原因になった訳だが)、他の選手は受けに回る守備ばかり。それで主導権を渡してしまった感は否めない。ペースを相手に握られた時、どうしのぐか?というのは大きな課題。いつでも主審は味方してくれないのだ。何でも跳ね返せるスーパーディフェンダーがいればいいのだが、そんな手駒はいない。理想としては去年の森下俊のようにスピード+読みで機敏にカットできる選手なんだろうけど、酒井隆介にはどうやらそんな繊細さは微塵もない。むしろあの剛胆さはサイドバックで見てみたいのだ。そのうち「機転の利いてアジリティのある」って理由で、駒井をCBで使ったりして。だってCBに駒不足…だから。


〈京右衛門的採点〉
水谷 6.5 …相手押せ押せの時間帯でスーパーセーブでピンチを防ぐ。
安藤 6.0 …高い位置&中にカットインしながら攻撃の核に。後半、守備では穴を作った。
酒井 5.5 …抜かれた時の高速カバーあり、気を抜いてあっさり抜かれる場面あり。ユニ引っ張るのはダメ。
バヤリッツァ 6.0 …圧倒的な強さで危ない所を跳ね返す。前で奪おうとしてかわされた失点場面だけ残念。
 黄 5.5 …積極的に前に出て、高速クロスで2点目をアシスト。後半になると良さが消え悪さが目立った。
チョンウヨン 5.0 …前に仕掛けるプレーはいいけど、背後のカバーがかなりおろそか。そして荒い。
福村 6.0 …バランサーとしては申し分ない動き。ただ、もうすこし黄を助けてやってもよかったかも。
工藤 6.0 …チャンスがあれば必ず顔を出す。先制点以外にも有機的な動きが目に付いた。
中山 6.0 …1点目につながるパスなどビルドアップで活躍。3点目の飛び出しは「博貴の真骨頂」。
中村 6.0 …キープ力と判断力を生かし山雅を翻弄。疲れる時間帯に気を抜く癖さえなくせば…。
駒井 6.5 …持ち前の機動力で左右に動いて全体を活性化。さすがに後半はバテたか。
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宮吉 5.5 …ボールの引き出し方はいいのに、ボールが足に付かない感じ。軽いスランプ?
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大木監督 5.5 …前半の前半は完璧。相手の攻撃を受けてしまってから有効な対策はできなかった。