二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2013 J2第13節 京都vs松本

2013-05-06 | 蹴球

京都サンガF.C.●0-1○松本山雅FC
          90'OwnGoal

■圧力不足
 前半、京都はまるで危なげない戦いぶりだった。ある意味「安心して見ていられた試合」。ところが、そのままハーフタイムを告げる笛を聞くと、「これは前節と逆のことが起こってしまった」と思った。すなわち前節札幌にしてやられた陣地制圧・完封状態。そうして主導権を握りながらも、無得点。ボールは保持する時間は長くても、相手を脅かすようなシュートは少なく、相手を圧して潰してしまうくらいの優位ではなかったのだ。
 そのまま後半も主導権を握り続けた。しかしやはり圧力不足。具体的には横谷繁が厳しいマークに遭ってなかなか前を向けず、相関関係にある三平和司はあまりボールに絡めず、そしてせっかく前に置いた安藤淳を活かせなかったあたりに「漏れ」があったため、圧力蒸気が逃れたか。それでも三平は60分あたりから制空権を握り出し、いい基点になりかけていたのだ。だがそこで大木監督はシビレを切らして布陣を変えた。それは残念ながらゲームを大きく動かす訳でもなく、見る者が「おおっ!」と唸るような積極的な変革でもなかった。


■ジョーカー不足
 それは70分あたりだっただろうか。ようやく中央で受けられ始めていた三平を右サイドに出し、そこにいた安藤を右SBに下げ、田森大己を中盤アンカーに入れるという玉突き布陣変更によるテコ入れだった。確かに田森のところでルーズボールは拾えるようになったが、結果的には三平の攻撃力を失い、この変更により攻撃に専念できるはずの山瀬功治、工藤浩平の動きは(連戦で運動量が落ちたためか、)さほど活発ではなかった。
 このゲームの争点は、誰がどうみても「何とか1点を奪いきること」だったと思うが、施した手当てとしては下策だったと言わざるをえない。終了間際にセットプレーからオウンゴールで失点したこと自体はどうしようもない。問題はやはりそれより前にゲームを決める1点を取れなかった事。そのためには途中から入って流れを一気に変えてしまうようなジョーカーが必要だと思うのだ。その最高のカードこそ「山瀬功治」。以前にも書いたが、ゲームの流れを読める素晴らしい選手であるがゆえに、途中から出すという選択肢があってもいい。逆に久保裕也はジョーカーには向かない。彼は使うならば長い時間与えてリズムを作る必要がある。エントリーの段階から「ラスト15分で1点を奪う状況」を想定して戦わないとこの厳しいリーグは勝ち抜けない。そのことは素人に指摘されるまでもなく、わかっているはずだが…。


〈京右衛門的採点〉
 オ 6.5 …89分までナイスセーブでゴールを割らせなかったが、失点は致し方なし。
田森 5.5 …SB、アンカーともに落ち着いた守りで危なげなく、攻撃にも絡む姿勢を見せたが。
染谷 6.0 …素早いチェックと読みで相手FWに仕事をさせず。田森との連携も良好。
バヤリッツァ 6.0 …長沢相手に制空権を渡さず、“バキの長城”を築いた。
福村 5.5 …大過なく守り、奪う守備も冴えたが、攻撃に出る場面は少なかった。オウンは不運。
山瀬 5.5 …中盤の王者として君臨したが、止めを刺すまでには至らず。最後は疲れた。
工藤 5.5 …機を見ての攻め上がりは効果的だったが、後半は鳴りを潜めた。
安藤 5.5 …前目に入って縦横に動いたが、効果的な追い越しはなく、存在感も薄かった。
駒井 5.0 …単騎突破狙うも止められる場面多し。もっとFWと上手く絡むプレーが必要。
三平 5.5 …よく身体を張ったが、孤立気味。タメを作れだしたところで配置転換。持ち味出せず。
横谷 5.0 …下がって受ける場面が多く、前への推進力と三平との連携を欠く。ミスも多かった。
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中村 5.0 …呼び込んで受けてボールロストするなど、いいところなし。シュートは枠に。
久保 ――
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大木監督 4.5 …局面を動かす采配ができず。連戦のメンバー選びの段階でミスったか。