二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2014 J2第35節 栃木vs京都

2014-10-04 | 蹴球

栃木SC○2-1●京都サンガF.C.
7'杉本真
       19'大黒将志
       (assistドウグラス)
63'杉本真

■些細なこと
 それは些細な出来事が伏線だった。開始から2分、大久保哲哉にチェックに行った内野貴志のプレーに笛が吹かれ、そこでボールをちょーんと蹴り返した酒井隆介に塚田健太主審はイエローカードを提示。判定の是非はともかく、酒井はそれ以降のプレーで積極的な出足を欠くようになった。失点シーンも、一瞬判断が遅れた。大久保と競った内野の不完全なクリアを拾った杉本真へのアプローチは、些細なイエローカードがなければまた対応も違ったのかもしれない。

■緩い緩い
 それにしても中盤のプレスは緩かった。ボールには当たりに行くのだが、ほとんどが単独のディフェンス。田中英雄は相変わらず糸の切れた凧のようにあちこちに出ていき、田森大己は先手を取られて右往左往するセンターバークを援護するために引き気味。ひとり残された中山博貴が中盤でぽつーんと孤立している時間が多かった。栃木はロングボールで攻めたが、回そうと思えば特に阻むものなくボールが回せたのだ。後半からは田中英雄が持ち場をあまり離れなくなったが、単純ミスのボールロストから持ち込まれて失点。いやー、緩い緩い。

■戦術転換失敗
 この試合で目立った(ポジティブな)面は、ドウグラスの強さくらいだろうか。福村貴幸の大きなクロスを頭で落としてからの大黒将志の得点は、彼の強さが武器になった端的なシーンだった。コーナーキックから惜しいヘッドもあった。ところが、田中→三平和司の交代でドウグラスの位置が変わって以降は、その武器にも出番なし。セントラルMFを1人外すだけで元々機能してなかった中盤はさらに構成力を欠き、さらに中山を負傷で失ってからはもはやお手上げ状態。サッカーは選手交代の場面で最も戦術を転換しやすいのだが、ことごとくそれに失敗した。

 主審の頼りない判定とか、主力の出場停止とか、いろいろ条件が向かなかった点があったのは重々承知の上で、それを乗り越えられないその程度のチーム力(監督の采配含む)しか持ち合わせてなかった現実は受け止めなければならない。どうせならこの敗戦でフッ切れる部分はフッ切ってしまえばいいのに。特に積み上げてる大事なモノなんてないんだし。


〈京右衛門的採点〉
オ  5.0 …守備機会は少なかってものの、2失点。1点目はニア閉じられず。
石櫃 4.0 …プレーオン中に主審に文句を付けて攻め込まれた85分の場面で大減点。
酒井 5.0 …早々に警告受け消極プレーから失点。切り替えたのちは積極的に守ったが。
内野 4.5 …大久保に競り負け続け、食いつきすぎて廣瀬や杉本には翻弄され…。
福村 5.5 …得点の起点となるドウグラスへのクロスは絶品。駒井との関係は良かった。
田森 5.5 …崩れゆく最終ラインを援護し立て直す。前へのパスにミドルにいい働き。
田中 4.5 …神出鬼没で動くが、そこに穴。後半安定したと思えば失点につながる軽率ロスト。
中山 5.5 …田中の留守を1人で守ろうと奔走するも、無理。よく身体張ったが自爆負傷。
ドウグラス 6.0 …大黒へのアシストやCKからのヘッドなど、空中戦で持ち味を発揮。
駒井 5.0 …積極的な単騎突破はことごとく止められる。プレーに余裕がなかった。
大黒 5.5 …同点弾はさすがの動き。その後もチャンスは何度かあったが決めきれず。
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三平 5.0 …投入後チームが流れを失い、ボールに絡めず。最後にいいクロスを上げたが。
山瀬 5.0 …守備に追われ、攻撃も単発打開狙う程度。キック精度は相変わらず。
石田 ――
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川勝監督 4.5 …1枚目の交代→布陣変更で流れを失う。交代のたびに状況は悪化した。