二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第11節 徳島vs京都

2011-05-08 | 蹴球


徳島ヴォルティス○2-1●京都サンガF.C.

■最初に褒めておこう
 久保裕也17歳。ダビド・ビジャを手本にするという現役高校生は、まさに今京都サンガ唯一の希望の光だ。この試合も、前半は有効なボールが出ずに孤立したものの、裏への駆け引きを続け、最後は自ら右サイドから2人を躱して突破を見せた。あそこでもう一人久保をフォローする動きがあれば、フィニッシュまで行けたのではないか?(加藤弘堅が背後で棒立ちしていた)
 後半になってその希望の光は大きな閃光を放った。自ら受けたボールを頭でコントロールした後、ディエゴに叩き、マークのいない場所に動き直してから、ディエゴのリターンをバチーン!と一発、無回転でゴール左隅に叩き込むスーパーゴール。その後も突破を狙い、相手CBと駆け引きを続け、積極的にチャレンジを続けた。久保に入ると、つまらないミスでボールロストもしない。「何かやってくれる!」そう感じさせるプレイヤーだ。4~5年後、きっとジャパンブルーのユニフォームをまとって、日本中を湧かしてくれるプレイヤーに違いない。その時、何色のユニフォームのクラブにいるのかかわらないけれど。


■受け身からはチャレンジは生まれない
 さて苦言。
 この試合、コイントスで風上を奪った徳島の出足が積極的だった。3バックの手薄なサイドの深いところを狙い、“左キックの名手”島田を中心に圧力をかけるように押しまくる。それに対して京都は常に受け身。相手の攻めをただ受けるだけ。去年まで何度も見て来たこの対処療法的な戦いぶりは、「ああ、いつかこのまま失点するんだろうな…」という既視感バリバリだった。
 失点はお決まりのセットプレー。島田の高精度CKにエリゼウだが、アライールは付いていても振り切られた。2失点目もセットプレーからの流れで、相手がDFも上がって入り乱れてる時には、こっちのDFはもうバタバタして何もできてない。どれだけセットプレーに弱いのか?このチームは。
 ともかくも、常に守勢に回っているようじゃ「攻撃サッカー」なんてありえない。後半から出てきた中山博貴がボールを叩いた後、「お前ら上がれよ!」って感じで自ら猛然と上がってたが、誰も後に続かず…。チームとしてどんな戦い方するのか、意図は浸透してますか?大木監督?


■シュート打ってください。お願いします
 結局、今やってるサッカーは攻撃サッカーじゃない。失点を怖がって、後ろに比重を置いて守って、ポーンと前に蹴ってドゥトラの突破とか、久保君なんとかして!的なサッカー。けれど、そういうサッカーで守りきれるほど個の強さはないし、攻撃の鋭さもない。
 もう本当に弱いチームになっちゃったよりも悲しいのが、チャレンジしないチームになっていること。シュート数が相手の半分とか、とてもじゃないけど「攻撃サッカー」標榜してるチームじゃない。もう不格好でもいいからシュートたくさん打て。チャレンジしろ。としか言えない現状。戦う気持ち=士気が相手を下回ってる状況じゃ、戦術だとか戦略以前のもんだいなんですよ。
 意識改革できますか?大木監督?すごく期待してたのに…。


〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …2失点目は何ですか?あれ?
アライール 5.0 …いろいろ遅れ気味。悪い荒井さん。
森下 5.5 …いいプレーはあったけど…。
福村 5.5 …可もなく不可もなく。攻撃参加ではいいシーンあった。
加藤 5.0 …守備に追われて攻撃に参加できず。
チョンウヨン 5.0 …ミス散見。いいカット→攻撃ってシーンもあったけど。
内藤 5.0 …もっと前に出ないとチャンスはつくれない。
中村太 5.0 …相変わらず肝心な場面でボールロスト多い。
ドゥトラ 5.5 …積極性あった数少ない一人。
久保 6.5 …動き良し。パス良し。シュート良し。孤立無援でも奮闘。
ディエゴ 5.0 …後ろに下がって消えるという最悪パターン。
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中山 6.0 …積極性はあったけど、周囲からは浮いていた。
駒井 5.5 …ドリブル突破狙ってたが、さほど有効ではなかった。
キムソンヨン ―― …
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大木監督 4.0 …攻撃サッカーって何ですか?