二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2011J2第12節 京都vs富山

2011-05-15 | 蹴球

京都サンガF.C.△0-0△カターレ富山

■前に出るということ
 秋本がスタメンに復帰し、最終ラインに入った。前半、秋本は味方がボール持つや、積極的に前線に上がってボールに絡む。秋本が上がることで、局面で数的優位をなる。たぶん、これが大木サッカーの基本的な数式なんだろう。前にいる数字が相手を上回れば、パスコースが増える、そしてチャンスは拡大する…。
 しかし、今日は(も?)同じサイドの前にいた中村太亮がいいチャンスにことごとく蓋をしてしまう。見ていても判断が1~2秒遅く、その間に相手に詰められ、ボールを失う。突破を試みるが、突破できずにカウンターも基点になってしまう…。ブレーキを引いたままアクセルをふかしてるような、チグハグさの漂う前半だった。
 前半の最後の最後で、富山をシュートを内野が身体に当てて防ぐが、後から思うとこの時のハンドを取られなくて本当によかった。

■ノーリスクの攻撃サッカーなんて…
 相変わらず点が取れないのである。もうドブ川でゲンジボタルでも見つけようとするくらい得点の匂いがしない。唯一期待できたるが久保だが、なぜ久保に期待できるかというと、ゴールに向かって挑みかかっているから。18歳以上の大人たちはそういう姿勢が足りず、安全圏でサッカーしてるのが今の京都サンガ。監督同士の師弟対決となったが、“弟”の方の安間監督の方がよほど挑戦的な姿勢と、挑戦のためのシステムを整えていた。特に最前線にボールを出した瞬間に、ザッと中盤から人が上がっていくのと、オフサイドを恐れずに裏を狙い続ける姿勢には感服した。
 さてさて、今の京都サンガは一体何が悪いのだろう?
 (1)明らかに中村太亮がブレーキになってる
 (2)内藤が2列目を追い越して1列目に顔を出せばチャンスになるのに、少ない
 (3)ディエゴがズルズル下がって脅威でも何でもない
 (4)シュートを打たない(打てない)

 パッと思いついたのがこのあたり。(1)は個人の問題だが、(2)(3)はチーム全体の比重が後ろに偏ってることに起因してるように思われる。後ろ体重の割には、最終ラインに人が足りてないシーンが散見し、カウンターには脆いというパラドックス…。(4)はバランスの悪さというより思い切りのなさ。打たなきゃ何も始まらない。攻撃サッカーってのはシュート数毎試合10本以上で、時に20本とか打つチームだと思う。
 攻撃サッカーとかパスサッカーとか、看板掲げてるのはいいけど、内容が伴わないのはある種の詐欺だ。3失点しても4得点する…無理なら3失点3得点でもいい、そんなサッカーを攻撃サッカーって言うんじゃなかろうか。リスクなしで、攻撃サッカーが成立するほど甘くはない。
 「もう一度見てみたいと思えるサッカー」の前に、気持ちよく「お前らよく走った!」と拍手送れるサッカーをしてください。気温25℃くらいでバテバテのサッカーでは、拍手する気にもなりません。


〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …無難な出来。ナイスセーブもあり。
内野 5.5 …大ピンチ防御もハンド疑惑あり。
森下 6.0 …的確なカバーリング。一度ブチ抜かれたシーンは危なかった。
秋本 5.0 …前半は頼もしかった。2枚目のカードはちょっと厳しかった?
加藤 5.5 …“使う側”から自らも“使われる側”になる動きがほしい。
チョンウヨン 5.5 …潰し&ロングフィードは可能性を感じたが…。
内藤 5.5 …もっと前線に顔をだせ。決定機の可能性は何度もあった。
中村太 4.5 …ボールを受けるまではいいのに、チャンスの芽を摘みすぎ。
中村充 5.0 …消えてる時間長い。攻撃がうまく回らない一因。
久保 6.0 …今日も単独でチャレンジ。ミドルはディエゴに当たる不運。
ディエゴ 5.0 …後ろにいても何の脅威もなかった。
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安藤 5.5 …加藤よりはボールを捌けたが、投入の意図がやや不明。
福村 5.5 …秋本退場の穴を無難に埋める。前にも良く出てた。
ドゥトラ 5.5 …徹底マーク受けたが、最後に大チャンス演出。しかし太亮…
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大木監督 5.0 …秋本頼みが崩れてから、交代策も上手くいかず。