二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第30節 京都vs金沢

2015-08-24 | 蹴球

京都サンガF.C.△1-1△ツエーゲン金沢
           5'チャヨンファン
           (↑山藤健太FK)
48'宮吉拓実
(↑有田光希)

[警告・退場]
・京都
88'下畠翔吾(C1)
・金沢
41'佐藤和弘(C1)
85'大町将梧(C2)


【全体の印象】
 立ち上がりこそ京都が攻勢をかけたものの、金沢はボールを積極的に動かし、駒井のハンドで得たFKから先制。京都は金沢の攻守の切り替えの速さに付いていけず、受け身に回ってしまった。後半、京都はボールを速く動かしはじめ、カウンターから宮吉が同点弾。押し込みかけたものの、有田に代わった大黒は仕事をさせてもらえず。金沢も逆襲から水永らが決定機をつくるも、清水、原田の両GKは最後を割らせなかった。



【雑感】
■攻撃のスイッチ
 序盤から最終ラインを高く保ち、有田・宮吉に活動スペースを与えなかった金沢。ならばと京都はラインの裏にロングボールを蹴り込むも、精度は低く、金沢に容易に跳ね返される。金沢の森下監督は京都をかなり研究していたのだろう。形としては前節苦戦した大分戦前半同様の罠のかけ方だったし、駒井に前を向かせない囲み方、レフティー伊藤の左足を徹底して消す守り方など、京都の攻撃の芽を摘んでいった。
 その上で金沢は、ボールを奪うとパチンと音がするかのようにスイッチを守→攻に切り替え、前線に人数をかけた。京都がマズかったのは、田森と原川のところで意識が後ろ向きになったこと。マイボールを保持してもこの2人は攻撃のスイッチをなかなか切り替えられず、一方で金沢の方はきっちり攻→守の方のスイッチに切り替えて「攻めるための守り」の体制を整える。金沢の守備は常に選手間の距離が等間隔で、誰かが持ち場を離れても素早く埋めて、ほとんど穴を作らなかった。

■やる気スイッチ
 前半の出来は消極的そのもので、まずボールへの寄せの速さで金沢に劣り、マイボールを保持しても低い位置から長めの縦パスを蹴っては金沢の整った守備網にひっかかるばかり。要は攻守において挑もうとせず、消極的にルート回避のパスに逃げるような安易さが目立った。攻守の切り替えスイッチ以前に、やる気スイッチがOFFになっていた。
 石丸監督に代わって以降、チームは「気合い」が充溢していたはずだ。チャレンジャーズスピリットを胸に戦うチームに生まれ変わったように思えた。ただ、メンバーがある程度固定されていく中で、少し慢心が出ているのかもしれない。
 後半、ようやくやる気スイッチはONになった。相手のカウンターを凌いだ流れから伊藤、有田を経由して迷いなく素早くつないで奪った宮吉の同点ゴールは、積極的な石丸サンガだった。ただし、ゲームの流れと主導権をそのまま引き寄せることはできず。石丸監督の手札の切り方も前節同様で、それに対しても金沢はしっかりと対策を講じていた。チームとしてこの一戦により真剣で、真摯であったのは金沢だった。どうにかやる気スイッチを入れ、追いついて、負けなかったことを幸運だった。石丸体制はそろそろ、継続して積み上げる段階から、少し変化が必要な段階に入っているのかもしれない。