二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2015明治安田生命J2リーグ第28節 磐田vs京都

2015-08-09 | 蹴球

 ジュビロ磐田△3-3△京都サンガF.C.
2'ジェイ
(↑駒野友一)
           19'宮吉拓実
           (↑伊藤優汰)
54'ジェイ
(↑上田康太)
           77'大黒将志
           (↑磐瀬剛)
79'ジェイ
(PK)
           85'大黒将志
           (↑こぼれ←フェホ)


[警告・退場]
・磐田
なし

・京都
17'石櫃洋祐(C1)→次節出場停止
90+3'磐瀬剛(C1)



【全体の印象】
開始直後からジェイの高さを生かしたラッシュを浴び、守備陣が混乱したまま失点した京都。しかし石櫃のクロスや駒井・伊藤の仕掛けで応酬すると、宮吉のゴールで同点。その後は攻守に磐田を圧倒したが、後半またもロングボールをジェイに合わされ失点。だが優位に立っていた左サイドを攻略し、磐瀬のクロスから大黒が決定力を見せて追いつく。その後磐瀬のハンドからジェイにPKを決められるも、フェホの圧巻の走力+クロスをカミンスキーがこぼし、大黒が決めて三たび同点に。内容では終始主導権を握り、走力や球際の強さでも磐田を凌駕していた。


【雑感】
■ダイアゴナルと闘志
 おそらく監督交代以前の京都ならば、最初の失点で面食らって下を向いてしまっていたに違いない。殴られても怯まぬ闘志の現れが、5分に石櫃のクロスに飛び込んで肩から落ちた有田のダイビングヘッド。泥臭くも闘志みなぎるプレーこそ、前監督のチームから一番変化した部分だろう。闘志だけではどうにもならないが、闘志がなければどうしようもないのだ。
 攻撃面は試行錯誤の段階を過ぎ、既に型のようなものも見えてきている。特に目立ったのはダイアゴナル・ラン(斜めに横切る走り)。伊藤や駒井が斜めに動けば磐田の守備対応は曖昧になり、斜め走りで空けたスペースにSBが進出するのも容易だった。また、伊藤が大胆にピッチを横切るムービングに長めのパスを通していくシーンも小気味よかった。これは石丸監督が愛媛時代に対戦した時にも見せていたプレーで、当時「まるでバイパスが通っているよう」と戦評に書いている。パスのレシーバーが動きながらバイパスの終点を作っていくダイアゴナルな攻撃+SBが香車の動きで縦一筋に進出していく攻撃は、加速感があってダイナミック。駒井、伊藤の動きに2トップの宮吉・有田がすぐさま呼応していく連携は見ているだけでワクワクする。ただし、駒井と伊藤のシュート精度だけが、惜しい。


■これぞ石丸サッカー
 遠州名波軍に大砲を撃ち込まれて3失点を喫したものの、名波監督も憤慨する通り、戦況を制していたのは京の石丸軍だった。よい点はいくつもあったが、ひとつ挙げるとすればセカンドボールをことごとく回収できていた点。駒井が鉄砲玉のように仕掛けて止められてしまっても、磐田のクリアはすぐに中盤で回収→再カウンターへ、という流れに相手はタジタジだった。
 50分、「これぞ石丸サッカー」というようなシーンがあった。磐田が攻めに入ろうとビルドアップをアダイウトンに当てたところを菅沼がチェック。田森と原川で囲んで奪うと、田森はすぐさま前線の宮吉へ。駆け上がった原川に宮吉が落としたところで、磐田はCB藤田と伊野波の2枚、京都は原川(中)+宮吉(右)+有田(左)の3枚という数的優位を作った。中盤での回収から迷わず速攻という攻守の切り替えの速さのキーとなるのは、このシーンの原川のようなプレー。ボールだけを動かすのではなく、しっかり人が動くので数的優位が生まれる。ちなみにこのシーンの顛末は、原川が藤田を引き付けて宮吉にラストパスを出し、カミンスキーに詰められた宮吉は浮かし気味に狙うも枠の上。この形で決めきれる日もそう遠くはなさそうだ。石の上に3年…待つ必要はない。