二条河原の楽書

京都サンガF.C.を中心にJリーグを楽な感じで綴るサッカー忘備録(予定)

2012 J2第9節 横浜FCvs京都

2012-04-22 | 蹴球

   横浜FC○2-1●京都サンガF.C.
31'大久保哲哉
49'大久保哲哉
         90'+5原一樹

■ちょっと一服、遅い攻撃
 シーズンオフのサポーターズミーティングで京都サンガの祖母井秀隆GMは、大木サッカーのポイントを「攻守の切り替えの早さ」であると言及した。奪ってから攻めるまでのスピードと、失ってから守りに走るまでのスピード。これを見ればチームの調子の良し悪しを測ることができる。ひるがえってみてこの横浜FC戦は、すこぶる「遅」かった。
 特に遅かったのが守→攻の切り替え。最前線にいる長沢駿の元まではボールが入り、長沢はよくボールと相手DFを御していた。ただし、そこから先が遅い。低めの位置で中村充孝が受けてボールを持っても出し所がなく、可能性の低いパス回しでお茶を濁す…というパターンを何度見たことだろう。ボールを持って、ゆったりお茶を淹れているようなスローライフな攻撃に対し、山口素弘監督率いる横浜FCの帰陣は早く、しっかりとブロックを作っていた。京都の宇治茶は美味いが、お茶濁し攻撃など相手はまったく怖くないのだ。天皇杯でもうひとつの横浜を苦しめまくった攻撃は、とにかく速くて鋭かったのに…。


■失った主導権
 失点は2つともロングボールの対応がマズくてやられたもの。こういうやられ方はある程度仕方のないものだが、2つ重なるとガクっとくる。それでも、やっぱり攻撃が点を奪えていたのならば展開は変わっていたのだろう。長沢の落としを工藤浩平がワンタッチでGKシュナイダー潤之介を躱し、シュート直前でDFにクリアされたシーンなどが最たるものだっただろうか。そういえば今年の開幕戦でも、湘南・遠藤航のギリギリクリアが勝敗の分かれ目になったプレーがあった。
 それでも、工藤の惜しいプレーが出た頃は、まだ主導権握れていたのである。しかし後半になると京都は目に見えて選手間の距離が長くなってゆく。選手が密集できないから、パスが繋がらない。なんで密集できないのかといえば、攻守に能動的だった横浜FCが主導権を握っていて、横浜FCのフォーメーションに対して受けに入っていたから。こうなるとなかなか修復は難しい。自ずから主導権を奪い返すためには、自分から仕掛けていける手駒を入れるべきだったのだが、大木監督は神通力を持つ原一樹を先に切って、ドリブラー伊藤優汰が後だった。
 次はこの敗戦から何を学んだのかを見せてもらいたい。見られるだろうか?いや、見られることを願う。


〈京右衛門的採点〉
水谷 5.5 …中途半端な飛び出しが失点に。勝敗にGKの差が出てしまった。
安藤 6.0 …神クリアにパスカット、前への意識…不甲斐ないDF陣で唯一気を吐いた。
染谷 5.0 …マークを外したりミスから危険なプレーを冒したり…。
福村 5.0 …地上戦では粘りを見せたが、時間の経過とともに不安定に。
 黄 5.0 …攻撃意識は高かったが、後ろを向いての守り方のまずさが目立つ。
チョンウヨン 5.5 …低い位置のみに生息し、相手からするとまるで怖くない存在だった。
中村 5.5 …ボールによく絡んで上手さは見せた。そこから脅威になりきれなかった。
工藤 5.0 …決定機を逸したことが勝負の分水嶺に。運動量も少なかった。
中山 5.0 …相手に対処するばかりで能動的なプレー少なく、消えていた。
長沢 5.5 …よく基点になりチャンスもお膳立てしたが、報われず。
宮吉 5.0 …惜しいシュートも2度あったが、ボールを持ってから迷いやタッチ数が多すぎ。
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 原 5.0 …2つ外して1つ決めた。結果は別として、機能はしてなかった。
伊藤 6.0 …思い切ったチャレンジで突破口に。しかしチームはそれを有効に使えず。
久保 ――
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大木監督 4.5 …ゲーム運びで完敗。選手交代も裏目に出て主導権を手放した。