茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

昨夜のカレー、明日のパン

2020-04-18 14:48:00 | 本・映画・舞台



数年ぶりの暴雨だと、天気予報士のアナウンスが流れてきた。

ザーザーの雨音は、聴き慣れた広州の音に似た。広州の雨は、こんなに一日降り続けることはない。しかし、約束したかのように、確実に毎日、俄然に訪れてきて、また突如に消えてゆく。

広州と日本の二拠点で生活している我が家だが、コロナの影響で広州便が止まり、次の広州行きがはかなくなった。外の雨音がなんとなく懐かしく切ない。

ここ数年買いためていた本を、少しずつ消化していく。

2014年の本屋大賞第二位。
私の読む力にも限界があろうかと思う。
とにかく最初の数ページをめくった時、
「何を書きたいのか?」
はてな❓❓❓の連続でした。

あまりにも平凡すぎる日常を描く中、何を伝えたいのか、何でこんなの賞まで取ったの、と迷路に迷い込んだ。

読み進むと、
「あれ、この話しにはほんとうはこういう話と繋がっているんだ!🤭」
「あの話にでてきた人は、この人だったのか」
の「発見」、そして肩を下ろしたような「解放」の瞬間が、次から次へと訪れてくる。サスペンスではないのに、すごい!

平凡の暮らしが、徐々に、徐々に違う景色が見え、深いぬくもりに包まれました。

最初の数ページで決めつけなくてよかった。
途中でサジを投げなくて正解だった。

こういう作品を書こうと、作者の意図を覗けた気ができ、作品の構図に改めて感心した一冊でした。


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