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茶語花香

人生は旅なり。
中国茶をはじめ、花のある暮らし、読書、旅などを中心に、日常の出来事を綴ります。

花器へ変身

2014-02-01 10:38:19 | 茶器

久々、写真にある紫砂茶壺を手に取りました。中国茶を勉強したて頃の急須です。

ある日、後片付けをしていた時、取っ手の一部が折れてしまいました。その時のショックが今でも覚えています。もっとショックなのは、折れた取っ手を、主人が捨ててしまいましたこと。

破損した部分を取ってさえおけば、金継ぎでもなんでも選択肢ができたのに、その時はがっかりの一言に尽きます。

時が経つにつれ、不完全美を思わせる茶壺と感じることもありました。
しかし、これで熱々のお茶を淹れるとなりますと、やはり少々の不具合を感じます。


思い出の詰まった茶壺ではありますが、飾ることもなく、棚のどこかで眠らせてしまいました。

ところが、今日は、とっさにその茶壺で花を飾ってみたくなりました。
ベランダに植えてある花草を適当に摘み、生けてみました。




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宋汝窯風茶器セット

2013-08-21 22:10:33 | 茶器
台北故宮博物館に訪れた時、実物の汝窯青磁の美しさに魅了され、その際色々調べた覚えがあります。温潤の色合いが印象的でした。

北宋の時代(960年 - 1127年)に現在の河南省に作られた汝窯は、内戦があったため、わずか二十年で滅びてしまいました。そのせいで、製造工程は残されず、現代に残されている本物は、わずか60点。北京故宮博物館や台北故宮博物館を中心に所蔵されています。

最近、中国に出張した主人が汝窯青磁風の茶器セットを買ってきてくれました。いわゆるレプリカですね。

レプリカとはいえ、汝窯青磁のいくつかの特徴がしっかり再現できています。


趣深い青。半透明の釉薬、器壁が薄く、一見玉のようにも見えます。ちなみに、博物館にある本物の逸品に使う釉薬は、宝石の瑪瑙(めのう)の粉末が混ぜてあるらしいです。

茶杯は、花びら五枚の形。茶杯の縁側や内側の模様で見られるように、淡い灰色を帯びた黄色で施しています。ほかに、茶壺の注ぎ口などもその工夫を語るような作りとなっています。


茶器の底に特徴があります。底部に、3-6個まで足のような支えがあります。「芝麻鋲」と言われるものです。


茶こしセットは蓮の葉をイメージした作り。
蓮の花や菊の花の形にした茶杯や酒付きは、古代の文人の間で人気でした。手に花の形をした杯を持つと、まるで花そのものを持っているようと言われています。なんて優雅の発想だろう。

あれっ、しかし、宋の時代のお茶と言えば、まだ固形茶と粉茶しかない時代です。あの時代に、このような形の茶壺もないはず。やはり、あくまでも汝窯青磁風にした現代の茶器ですね(苦笑)。

汝窯青磁のことをもっと知りたいならば、「宋汝窯(song4 ru3 yao2)」と調べてみるといいです。


どのお茶が合うかな。とこれから色々試していくのが楽しみです。

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大英博物館の中国茶器

2013-08-11 14:27:21 | 茶器
 家で写真を整理していましたら、
数年前にロンドンの大英博物館を訪れた時の写真がたくさん出てきました。

 中に博物館所蔵の古き中国茶器・酒器が映っている一枚の写真が見つかりました。大英博物館を訪れた時、世界中の宝物にまさに目からウロコ。ついついシャッターを押してしまいました。正直、大物な文化遺産より、この一枚の存在は薄かった...

 けれど、写真を整理していたらやはり目に止まった。当時、シャッターを押した気持ち、甦った気がします。白釉の陶器もの、繊細な筆致で施した描き。どの時代の器なんだろう。あまりの美しさに思わず目が細くなりました。

  大英博物館を訪れた日は、心が平静ではありませんでした。ここに収蔵される古今東西の収蔵の一部は、略奪された背景にあります。博物館側のせめての罪滅ぼしなのか、観覧料は無料となっています。

 しかし、中国のような、のちに数々の革命運動を経験した国にとっては、この写真にある宝物は、海の向こうに渡ったことによって、逆に破壊に免れた一面もあります。そう思ると、何だか余計複雑な心境になりました。

 世界中からここに集まった宝物は、むしろ救われた一面もあります。その場を提供してくれたのは、大英博物館。そして、文化や歴史といったものを我々や我々の後世へ、代々へ伝えていきます。

 複雑な心境で写真を整理していました。

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