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森の空想ブログ

赤芽柏の大木を切り倒し、焚き火をして染めた/秋の森の草木染めワークショップ① [空想の森の草木染め<86>]

昨日、東京から宮崎へ帰省中の一行の皆さんと草木染め。

赤芽柏の木を切り倒し、焚き火をして染める一連の工程を体験していただきました。

27日と28日にも実施します。引き続きお申込み受付中です。すでに数組の予約があるので、この2日間はお一人でも受け付け出来ます。

敷地の境にあって伸びすぎた赤芽柏を伐採。

始めての鉈鎌使いに苦戦する男子。

採集した枝を持ち帰る。

赤芽柏は古くから胃病の特効薬として知られ、その大きな葉は、柏餅を包む葉としても使われてきました。春先の赤い芽は命を宿す色。薬草や染料として重宝されてきました。秋、その葉が黄色に色づくころ採取し、染めると、赤みがかった臙脂色が染まります。

この植物は、森が切り払われたり、焼畑や野火によって焼かれたりすると、真っ先に芽を出す植物群の一つでもあります。これらの植物を「パイオニア植物群」とか「縄文植生」と呼びます。人の生命維持にとってよくはたらき、日常生活を彩る「衣」の染織にも、使われてきたこの木は、日本列島基層の植物群のひとつなのです。

黄葉した赤芽柏の葉は、落葉したものでもよく、拾い集めて保存しておいても使えます。まず、採集した葉を細かくカットして、洗います。使う部分は葉と赤味の残る葉茎。糸は精錬しておくこと。煮沸し、沸騰後15分~20て分で染めが得られます。その染液を布で濾すと暗黄褐色の染液が得られます。

この染液に布を入れ、ゆっくりと回転させながら、全体に染液を浸透させた後、20分煮沸。

次に水を沸騰させ、媒染剤(硫酸第一鉄・酒石英・蓚酸)を入れると、透明な黄緑色の染液が得られます。これに布を入れ、布を回転させながら全体に染液を浸透させ、染めます。銅媒染で赤みがかった臙脂色が染まります。これを 「日本の伝統色」には「紫鳶」(むらさきとび)といっている。そのほか、アルミ媒染で黄茶色、錫媒染で黄色、鉄媒染で紫黒色、 銅媒染で焦茶色に染まり、真っ黒な小粒の種子は赤色の染料になります。

主な成分として、樹皮にはベルゲニン、ルチン、タンニン、葉にはゲラニイン、ルチン、マロプレノールとそのリノレン酸エステル、種子には強心配糖体のコロトキシゲニン、マロゲニン、コログラウシゲニンなどを含みます。樹皮と葉は6~7月に採集し、日に当てて乾燥して使用。染色には秋の黄葉した葉や種を使います。

薬食健康法として、赤色の残っている新芽(葉)をテンプラとして食べるほか、茹でて、水に晒して、和え物、油炒めとする、柔らかい葉を使った巻き揚げ、若芽をさっと茹でて細かく刻んで酒と醤油などを混ぜて炊きこんだ赤芽柏飯なども楽しめます。

枯れやすく、折れやすい樹種のため建築や工芸には使われませんが、成長が早く、枯れ始めるとヒラタケやキクラゲなどのキノコを発生させて喜ばれます。

写真は赤芽柏の染め。一枚は赤みがかった臙脂色に。これは予想通り。もう一枚は、深い黒茶色に。これは布の古名では「黒鳶(くろとび)」に近い色。素材によって色の変化が楽しめるのが草木染めの魅力でもあります。


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