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森の空想ブログ

熱量の基底―描きまくり三世の仕事/田代国浩展③ 【第四期:空想の森アートコレクティブ企画<´25-27>】

【“描きまくり三世”の熱量】

田代君がそれらの偉大な先人たちの作風や人生観に影響されたり、追いかけたりしているわけではない。それは彼の一貫した作風と地域の子ども達や仲間と楽しく遊び、描く生活を続けてきたことでもわかる。彼は、人と会う時でもいつも手帳とペンを持ち、何かを描き続けているという。それが“描きまくり三世”という呼称を冠せられる由縁であろう。では描きまくり一世と二世は誰とだれであるか、という問いは棚上げするとして、今春、開催された福岡アジア美術館での個展では、なんと、大作・デッサン・オブジェや書など、1万点あまりの作品が展示されていた。ここにも“描きまくり三世”の面目躍如たる世界が開陳され、その膨大な作品群からは、「筑豊」の熱い地下水脈に熱せられた強烈なエネルギーが奔っていたのである。

由布院空想の森美術館は2001年に閉館し、17年の歳月をかけて2018年に再開した。それからコロナ過の時期を経て6年が過ぎた。私はその間、宮崎に移り住み、神楽を伝える村へ通い、古層の神々の痕跡を訪ね続けた。そして田代君と再びめぐり合い、その作品を空想の森美術館に展示できる機会を得た。この企画は、過ぎ去った40年を回顧する場ではない。描きまくり三世・田代国浩と、一晩中神楽を描き続けて神楽仙人と呼ばれることもある高見乾司との火花がクロスするひとときが生じ、それからさらに二人の画人が歩き出すその先にまた未知の時空が広がっているように思えて楽しみは尽きないのである。

                                                文・ 高見乾司


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