山の畑で藍草を育て、刈り取りって持ち帰り、細かく刻んでむしろに広げ、揉み込んで乾燥させて保存しておいた藍草の葉を発酵させ、「すくも(蒅)」として仕上げる作業の時期となった。
発酵・熟成させるために使う最適の水を求めて、西米良村小川地区へ。山仕事の小屋を復元した料理茶屋「おがわ作小屋村」で昼食をいただき、山から湧き出る水を汲んで帰る。
この秋から開館準備が始まっている「かさこそ森」交流館の広場の脇の小さな小屋を借りて、「すくも小屋」を作った。
11月23日、参加者が集まり、すくも作りの始まり。
少量の水分を与えながら、乾燥した藍の葉を丸めて、莚の上に積み上げてゆく。
「すくも」作りは、「阿波藍」の本場では専門の職人がいるほどで、ここからがプロの仕事といえる。この日はたくさんの人が集まり、仕事ははかどった。
茣蓙と藁で包み込み、一晩寝かせる。
翌朝、茣蓙と藁の覆いを外すと、発酵が始まっていた。温度41℃。かき混ぜると湯気が立つほどである。
この作業を毎日、繰り返し、三か月ほどを経て温度が自然に下がった時が、「すくも」の完成。
この後、藍染の染料を作る“藍建て”と呼ばれる工程が始まる。「すくも」を藍汁を貯めておく藍甕(あいがめ)に入れ、灰汁(あく)や微生物による自然発酵させ、染液を作るのである。まだ「藍染め」の工程まで、道のりは遠い。