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深夜特急   沢木耕太郎

2009年04月26日 08時35分43秒 | Books

 深夜特急  1便   沢木 耕太郎

 作者の沢木さんが 仕事の忙しさから逃れる為に バスでデリーからロンドンまで旅すると 決めてからの旅物語です。 大学を卒業後、決まっていた会社も蹴っ飛ばして、学生時代に築いたつてを利用して、ノンフィクション作家としてやっていたが、やがて次第に仕事も多くなり、その煩わしさから逃避行する為に、この旅を思いついたようです。 まーこの辺りなんと自由気ままそうで、まだまだ学生気分が残っておられたのかなと、うらやましく思うのですが。

 当時の格安航空券で、デリーに飛ぶ前、ストップオーバーという途中下車という制度があり、ホンコン、バンコクと立ち寄ってから、デリーへと向かったようです。

 最初の、ホンコン。安宿をとつれた来られたのが連れ込み宿。そこを根城に、ホンコンの街を歩き廻る。狭い土地に何百万人もの人口を抱えた街の雑多さと、バイタリティーを楽しんでゆく。しかしこの迫力が、後々の東南アジア諸都市でも残照となり何かもの足りなさを感じてしまうようでした。 九龍半島と香港島を結ぶスターフェリーとかYMCAホテルなど私が行った時に歩いた地域も出てきた懐かしさというか、このたび物語が一層身近に感じたりもしました。

 さて、この本で圧巻だと感じたのは、ホンコンではなく隣のマカオでした。マカオといえば、そうカジノです。 カジノ即ち賭博ですが、日本映画では賭博をしているシーンはよく出ますが、その時の賽を振る人間と、賭ける人間との駆け引きとか、賭場がどのようにして稼ぎを挙げるかなどの様子は分らない。 そこをこの作者の沢木さんは実に読み手も手に汗を握らせるように面白く描いている。いや、これが実話だとしたら、この作者はなかなかの人物と思えるほどである。初めてのカジノで、賽を振る人間と、賭ける人間と、カジノでの売り上げの仕組みを見抜きつつ楽しんでいる。 さて今の自分でもここまで出来るかな? まー、読んでいると世の中上手のまた上手を行く人間が居るのだなーと思わせる。それでこそ、人類よ。

 アハハと一気に読みながら、なるほどと思った一文。貧乏旅行をしていると周囲にどんどん構わなくなってゆくと。 なるほどと。

 私の学生時代は、小田誠さんの 世界何でも見てやろう というのが、世界放浪旅行のバイブルであったが、今はこの沢木さんの深夜特急 がそのようである。暫く前猿岩石というグループが同じような旅をしてマスコミに騒がれたようだが、このやらせ番組とは違って、実話に近いものであるようだ。

 私も 明日から一年一度の1週間の旅に出る。やはり、良い旅、想い出になる旅はその土地での偶然の出会いでしょう。茂木さんの云うセレンディビティという奴かな。豚インフルエンザがちょっと心配だけれど、無事かえって来たら、09 イタリア フィレンツェの旅 としでアップします。

  

 


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