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清冽 詩人茨城のり子の肖像    後藤 正治

2011年01月23日 19時52分00秒 | Books

 清冽  詩人茨城のり子の肖像   後藤 正治

 寄りかからず

もはや

できあいの思想には寄りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には寄りかかりたくない

もはや

できあいの学問にはよ寄りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも寄りかかりたくはない

ながく生きて

心底学んだのはそれくらい

じぶんの耳目

じぶんの二本足のみで立っていて

なに不都合のことやある

 

寄りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ

私が初めてこの詩人の作品を読んだその詩である。 以後強烈にこの詩人を読み知りたくなっていた。 この本の表紙写真は この本で描かれている茨城のり子さんの姿を実によく表しているいうに思う。

 この茨木のり子さんのお気に入りの作品の一部を  韓国のユンイルジュの詩を紹介します。

歩みをとめて

そっと小さな手を握り

『大きくなったらなんになる』

『人になる』

弟の哀しい、まことに哀しい答えだ。

 

 

 

 


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