清冽 詩人茨城のり子の肖像 後藤 正治
寄りかからず
もはや
できあいの思想には寄りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には寄りかかりたくない
もはや
できあいの学問にはよ寄りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも寄りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれくらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
寄りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
私が初めてこの詩人の作品を読んだその詩である。 以後強烈にこの詩人を読み知りたくなっていた。 この本の表紙写真は この本で描かれている茨城のり子さんの姿を実によく表しているいうに思う。
この茨木のり子さんのお気に入りの作品の一部を 韓国のユンイルジュの詩を紹介します。
歩みをとめて
そっと小さな手を握り
『大きくなったらなんになる』
『人になる』
弟の哀しい、まことに哀しい答えだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます