大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

“思い”の復興

2014年03月11日 | 日記
あれから3年が経ちました。
あの大震災で失ったものは実に大きく、実に悲しく、そして実に情けないことにあの日を境にして日本はバラバラになってしまいました。
もしかすると敗戦時の衝撃以上かもしれません。

戦争は人為的なものでしたが、あの戦争処理も曖昧なまま、日本人は物質的な豊かさだけを求めて経済成長の道を突っ走りました。
戦前の日本の国家主義が「無責任の体系」によって支えられていたと同様に、戦後も自分だけの豊かさを求めて走り続けました。
為政者の誰もが責任をとらないような国家システムはいつしか日本国民の習い性になってしまいました。

脇目も振らず経済成長を遂げていった日本の姿は、1979年のベストセラー「ジャパン・アズ・ナンバーワン」に象徴されます。
しかし経済はある意味“ゼロサムゲーム”ですから、勝つ国あれば負ける国が出てきます。
1985年のプラザ合意で、ひとり勝ち日本は、経常収支の黒字是正を迫られます。
内需拡大政策により5回にわたって公定歩合が引き下げられますが、その資金は土地や株式へ回りバブルが発生しました。
そしてバブル崩壊、阪神淡路大震災…リーマンショック、東日本大震災と続きます。

阪神淡路大震災で人智を超える自然の強大な力を目の当たりにしました。
その教訓を活かせないままに東日本大震災、そして福島の原発事故が発生しました。
日本中の安全神話が崩れ去った瞬間です。
あれから3年…。

デフレ脱却を至上命題にして、日銀黒田総裁の手により異次元の金融緩和が行われました。
ふんだんに供給された日本円のおかげで円安にはなりましたが、アベノミクスが描いたような輸出ドライブは利きませんでした。
反対に円安効果で貿易赤字が恒常化し、1月は1兆5890億円の過去最大を記録しました。
まるで漂流を続ける日本列島の様相です。
なぜ漂流を続けるのか、それは戦前に見られたような「無責任の体系」の延長線上にあるからです。

東日本大震災と福島原発事故によって自信を失った日本。
これからどういう日本社会をつくるのか、国家レベルで明確な議論が行われた経過もみえません。
このままでは、敗戦直後の戦争責任がGHQ主導の極東裁判に委ねられて終わってしまったように、未来に禍根を残すことになるでしょう。

この状況を私にはどうすることもできません。
でも自分の回りにある状況を少しだけでも動かすことは可能です。
まずは県労福協の事務局だけでも“ビジョン”を明確にし、その“思い”をネットワーク化していきたいと思います。
“思い”がネットワーク化されると、仕事は自由に動き始めるはずです。
このネットワークがさらに広がって、日本全体がそうなれば、今までの延長線上にはないまったく違う社会が誕生するかもしれません。
ささやかですが、せめてもの私の抵抗です。


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