歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

日本は子供たちに科学技術への夢を与えているか

2006-09-28 22:58:17 | ものづくり・素形材
前回の投稿でも書きましたが、入交昭一郎さんの講演のことを書きたいと思います。
入交昭一郎さん(1940年生まれ)は本田技研のエンジニアとして活躍し、その後、ホンダ・アメリカ社長、本田技研副社長に就任、本田技研退社後はゲーム業界に転じ、セガの社長を務めた方です。エンジニア出身で、機械系とIT系の両方に通じた経営者は、日本では非常に珍しい存在だと思います。そんな入交さんのお話は実に面白く、とてもためになったので、何回かに分けて講演の内容をこのブログで紹介します。

入交さんは、小学校4年生の時、ある航空機に関する本を読んで衝撃を受け、これがきっかけで航空機のエンジニアを志します。大学進学先も、航空工学科のある東京大学か九州大学のどちらかしか考えず、東京大学工学部航空工学科に入学しました。しかし、当時の日本は飛行機を作ることができなかったため、卒業後の進路として入交さんは自動車業界を選びます。
入社したのはまだ町工場に毛が生えたような本田技研。ここで彼はいきなりレーシングカーのエンジン設計を担当します。そして24歳の時に彼が設計したエンジンを積んだレーシングカーが優勝を飾ります。大学出たての若者に、いきなり大きな仕事を任せた本田宗一郎氏は実にすごい人だと思います。また、入社後すぐにそんな大きな仕事をこなした入交さんもすごいと思います。
また、そもそもエンジニアを志したのが小学校4年生の時だった、ということも、私はすごいことだと思いました。「将来はエンジニアになる」という夢を少年が抱く、そんな環境が、今の日本にどれだけあるのでしょうか。ものづくりの復権が叫ばれていますが、まずは子供たちに科学技術に対する夢を持たせることが大切なのではないかと考えます。(続く)