クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

羽生の夏祭り前にカブトムシは取れない? ―子ども学芸員―

2014年07月18日 | 子どもの部屋
長い間、羽生の夏祭り前にカブトムシやクワガタは取れないと思っていた。
小学生の頃、里山に入って虫取りをするのが夏の恒例の遊びだったが、
その開始時期は決まって夏祭りが終わったあとだった。

というのも、里山に行っても一匹も見付けられなかったからだ。
夏祭りへ行くと、カブトムシを売っている露天商があって、
「あ、ほかのところにはもういるんだ」と思っていたものだ。

ところが、35歳の今夏、羽生市内にあるクヌギを見に行くと、
なんとカブトムシがいるではないか!
クワガタもいる!
カナブンもいるし、名前も知らない蝶も飛んでる!

思わず興奮したことは言うまでもない。
長年の持論が崩壊した瞬間でもあった。
ぼくが少年だった頃と環境が変わったのか、
それとも元から夏祭り前から活動していたのかは定かではないが、
今年もカブトムシやクワガタと出会えたことは嬉しい。

捕まえることなく、そのままそっとクヌギから離れる。
樹木がどんどん伐採され、
虫たちにとっては住みにくい環境なのかもしれない。
だから、カブトムシを見付けても、取ることに抵抗感を覚えるようになった。
容赦なく捕まえていた少年時代の自分が羨ましい。

ところで、ぼくらが少年だった頃、
劇場版の「ドラえもん」は環境問題をテーマとするものが多かった。
そのせいか、里山や屋敷林の消滅に心を痛めていたものだ。
だから、いまの子どもたちも虫取りを楽しみながら、
自然環境について考えるきっかけになってほしいと思う。

発展することが悪いということではない。
かと言って、自然を無視した開発は必ずしっぺ返しがやってくる。
自然とどう付き合っていけばいいのか、
考えながら行動に移していくのが大切なのだろう。

すぐに結論を出せる問題ではない。
考え続けなければならない。
果たして、未来の環境はカブトムシたちにとって住みやすくなっているだろうか?
つぶらな瞳をしているカブトムシやクワガタたちは、
いまを生きるぼくらに何を訴えかけてくるだろうか?

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 油井城は上杉謙信の猛攻を受... | トップ | 騎西城主は“種垂”に隠居する... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

子どもの部屋」カテゴリの最新記事