クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

北武蔵の“パワースポット”はどこにある?(13) ―正倉院―

2010年11月05日 | パワースポット部屋
北武蔵から行くパワースポットである。

現在、奈良国立博物館で「正倉院展」が開催されている。
さすが奈良。
さすがは正倉院。
博物館の前を通ると長い行列ができていた。

博物館に続く道で、
ぼくの前を太った男子が歩いていたのだが、
その足取りは妙に軽い。
そして、迷うことなく博物館に消えていった。

並ぶ人たちは地元とは限らない。
日本各地から足を運んできた人たちなのだろう。
日本のみならず、外国人の来館者も多い。
奈良や正倉院は日本のブランドである。
教科書にも載っているから、
避けて通ることはできない。

多くの観光客と、
奈良公園で草とせんべいを食むシカ、シカ、シカ……
観光都市の力がひしひしと伝わってくる。

人混みは苦手という人も多いが、
観光都市の賑わいはひと味違う。
文化と歴史の香りが漂い、
疲れた顔をしている人はほとんどいない。

正倉院とは何か?
『日本史大事典』(平凡社)は、概要として次のように述べている。

 正倉には八世紀、奈良時代の文化を具体的に伝える遺品が収蔵されている。
 大陸から舶載されたものも多く、それらは唐代の文化の粋を示すとともに、
 唐代の文化が受け入れた西方諸地域の文化の姿をも伝えており、
 古代の東西文化の交流について多くの資料を提供している。

つまり、お宝が眠る倉である。
文化は時代を越えて生き続ける。
その魅力は失われることはないのだろう。
現代を生きる我々も、その宝物(ほうもつ)に心惹かれて足を運んでいる。

輝きを失わない宝物にパワーがないわけがない。
『ドラゴンボール』の孫悟空が使う元気玉のように、
時代を越えて魅了された人たちの元気を少しずつ吸収し、
いまも輝き続けているのかもしれない。

そこに引き寄せられるようにシカたちも集まっている。
彼らの目的は正倉院の宝物というわけではなく、
観光客が与えるシカせんべいだろう。
正倉院<シカせんべい
という図式が、彼らの瞳には映っていた。



奈良国立博物館



正倉院を囲む白壁



シカ

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