学生の頃、勉強場所について図書館派と家派に分かれたが、
書き手にも前者の者がいる。
管見によれば、小説家よりも学者にその傾向が強いと思う。
資料となる本がたくさんあるし、
勉強もしやすい。
しかし、小説を書くのに図書館は思いのほかうるさい。
子どもや学生の話し声は聞こえてくるし、
席の後ろを何度も通られると、
気が散ってならない。
書き手のタイプにもよるけれど、
創造するのに図書館はあまり適さないように思う。
『資料論』の著者で知られる“カール・マルクス”は図書館派だった。
彼が通っていたのは“大英図書館”。
世界的知名度を持つ図書館である。
マルクスは毎日そこへ出勤。
むろん、職員ではない。
利用者の一人である。
そして、そこで9時から夜の7時まで資料の海を彷徨い、
筆を執った。
図書館で過ごすマルクスは裕福かと言えば、そうではない。
経済学を勉強しているのに、
自宅の経済は火の車だった。
それでも彼は図書館に通い詰め、
朝から晩まで勉強した。
そして彼は、彼にしかできない仕事を残したのである。
マルクスは図書館で集中力を乱されることはなかったのだろうか。
どんなふうに、休憩や食事をとっていたのだろう。
大英図書館に集結した“知”は、
海のように彼を包み込んでいたのかもしれない。
いわば、大英図書館は、
彼の学問の揺りかごになっていた。
そして、世界に影響力を及ぼす仕事を成し遂げる。
もし図書館がなかったら、その仕事はできただろうか。
これは想像でしかないけれど、
家人に原稿をぶん投げられていたかもしれない。
やせこけた子どもたちの前で……
書き手にも前者の者がいる。
管見によれば、小説家よりも学者にその傾向が強いと思う。
資料となる本がたくさんあるし、
勉強もしやすい。
しかし、小説を書くのに図書館は思いのほかうるさい。
子どもや学生の話し声は聞こえてくるし、
席の後ろを何度も通られると、
気が散ってならない。
書き手のタイプにもよるけれど、
創造するのに図書館はあまり適さないように思う。
『資料論』の著者で知られる“カール・マルクス”は図書館派だった。
彼が通っていたのは“大英図書館”。
世界的知名度を持つ図書館である。
マルクスは毎日そこへ出勤。
むろん、職員ではない。
利用者の一人である。
そして、そこで9時から夜の7時まで資料の海を彷徨い、
筆を執った。
図書館で過ごすマルクスは裕福かと言えば、そうではない。
経済学を勉強しているのに、
自宅の経済は火の車だった。
それでも彼は図書館に通い詰め、
朝から晩まで勉強した。
そして彼は、彼にしかできない仕事を残したのである。
マルクスは図書館で集中力を乱されることはなかったのだろうか。
どんなふうに、休憩や食事をとっていたのだろう。
大英図書館に集結した“知”は、
海のように彼を包み込んでいたのかもしれない。
いわば、大英図書館は、
彼の学問の揺りかごになっていた。
そして、世界に影響力を及ぼす仕事を成し遂げる。
もし図書館がなかったら、その仕事はできただろうか。
これは想像でしかないけれど、
家人に原稿をぶん投げられていたかもしれない。
やせこけた子どもたちの前で……
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