2冊読了。
いつも夜中の12時ころから読み始めるのだけれど
”夜中” っていうのがいいんです。 静寂という私だけの時間。 贅沢です。
今回は、”対極”にある2冊。 2冊とも違った意味でおもしろかった!
≪ 羊と鋼の森 ≫ 著 : 宮下奈都
今回の「本屋大賞」受賞作です。
偶然 ピアノの調律の場に立ち会い、心が震える音に出会ったことから
ピアノの調律師を目指すことになった 主人公の少年。
タイトルの”羊”は、弦を叩く 羊毛で作られた”ハンマー”
”鋼”は、”弦”
ピアノを、羊と鋼で作られた ”深い森” と表わしています。
調律師の道に入った主人公は、
尊敬する先輩に導かれながら成長していきます。
ある日、お客として出会った女の子のピアノに魅せられ、
彼女の為の調律師になろう という夢を抱きます。
ピアノの一音一音を森の音と捉える感性。
音叉の”ラ”の音が聞こえてくるような行間。
透き通るように美しい文体。
優しい読後感に浸れます! GOOD
≪ 鳶 ≫ 著 : 多湖弘明
高い鉄骨の上で働く、あの「鳶(とび)」職の方が書かれた本。
朝日新聞の書籍紹介欄で見つけた本です。
写真もたくさん掲載されていて、興味津々。
友人が現場の事故で亡くなられ、その追悼の意味を込めて書かれました。
鳶の仕事とは…。
その危険度は…。
そして仕事を終えたときの 胸に湧く ”日本を造ったという誇り”。
多くの高層ビル、そしてあのスカイツリーを手がけた彼の
仕事への情熱が胸を打ちます。
空中で鳥のように舞う醍醐味を披露、
ときには、あのニッカボッカ(ゴト着)のファッション談義も。(笑)
作家ではないので、文章は訥々としています。
でも、ドキュメントな視線が そこにはありました。
知らなかった世界を知ることができ、
まさに「プロフェッショナル魂」を見た思い。
男の世界、かっこいい! GOOD