con te. bravo!

仲良し夫婦の日記です。

読書日記 ~45~

2018-03-22 16:53:13 | 読書

 

 ≪ 椿姫 ≫  著 : デュマ・フィス (永田千奈:訳)

 

オペラ「椿姫」の原作。1848年の作品…日本では”江戸時代”だわ…!

話題作となり、出版4年後に戯曲化。 

翌年 ヴェルディにより、オペラ 「椿姫=ラ・トラヴィアータ(道を踏み外した女)」 が上演された。

 

高級娼婦 マルグリット(オペラではヴィオレッタ)と、青年貴族 アルマン(オペラではアルフレード)の恋物語。

マルグリットは、贅沢な生活を送るため富豪の伯爵の援助を受けていた。

青年アルマンは、そんなマルグリットに愛を告白。

マルグリットもアルマンの真剣な愛を受け入れ、伯爵と縁を切り

アルマンと 分相応な暮らしを始めた。

しかしある時、二人の噂を聞きつけたアルマンの父がやってきて、息子に娼婦とは別れるように進言。

アルマンは 「心から愛しているから」 と父を撥ねつける。

そこで父は内密にマルグリットに会いに行き

「あなたと暮らしているために、アルマンの妹の結婚が破談になるので、アルマンとは別れてくれ」 と強く求める。

マルグリットは、アルマンの妹のために身を引く決心をして、アルマンのいない間に家を出て、また娼婦の生活に戻って行く。

父のことは言わずに、ただ別れの手紙だけを残して。。

手紙を読んだアルマンは激しく怒り、マルグリットに執拗に嫌がらせをする。

そんな中、肺の病気を患っていたマルグリットは、アルマンの訪問を待ちわびながら息絶えるのだった。。

 

オペラでは、まだ命のある間にアルマンと父が来て、

二人が懺悔する中で命を落とす…というストーリー。

小説とは、ラストが少し違っている。

 

”悲劇”だけれど、純粋な恋愛物語といえる「椿姫」

また、オペラを観たくなってきた。 きっと泣くょな~

 

 

 

コメント (2)
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読書日記 ~44~

2018-03-02 00:54:36 | 読書

昨年、ノーベル文学賞を受けた、英国在住の日本人作家 ”カズオ・イシグロ”氏の作品を2作読了。

長編の「忘れられた巨人」も手に取ってみたが、長い、ちょっと暗い、ということで

とりあえず、映画化された作品と短編集をチョイスした。

 

 ≪ 日の名残り ≫ 著: カズオ・イシグロ

これは、イギリスの文学賞・ブッカー賞受賞作。

1993年に映画化され 私も観たが、アンソニー・ホプキンス、 エマ・トンプソン の好演が光った映画だった。

 

物語は、イギリスのダーリントン卿のお屋敷・ダーリントンホールで、執事として働く ”スティーブンス” が主人公。

夜な夜な繰り広げられる、ダーリントンホールでの重要な国際的交流と、

スティーブンスの、執事としてのプロに徹底した仕事ぶりを、

イギリス独特の伝統文化を通して描く。

ある日、休暇をもらったスティーブンスは、6日間のドライブ旅行に出る。

屋敷の外に仕事以外で出たことのない彼にとって、外の世界は新しい物や人との出会いであった。

ドライブの1番の目的は、屋敷に勤めていた女中頭 ミス・ケントンとの再会だった。

今は結婚してミセスとなっていたが、秘かに恋心を抱いていた彼女との再会は

スティーブンスにとって、心弾む時間だった。。。

 

スティーブンスを演じた アンソニー・ホプキンスの寡黙な演技、

ミス・ケントンを演じた エマ・トンプソンのニヒリストな演技を思い出しながら

映像と重ね合わせて読むことができ、とても充実した読後感。

 

 

 ≪ 夜想曲集 ≫ 著: カズオ・イシグロ

~音楽と夕暮れをめぐる五つの物語~ 

*老いた歌手とその妻との別れの場で、ギターを弾くことになったギタリストの困惑

*音楽の趣味の合った仲間内での揉め事

*避暑先で出会った、ミュージシャン夫婦と若いギタリストとの交流

*一流になるために整形をしたサックス奏者と、隣室の女性患者とのドタバタ

*自分の才能を守るために演奏を拒否するチェリスト

どれも音楽を絡めた、洒落た短編集だ。

 

上の2作は同じ訳者で、アメリカ英語と違ったイギリス特有の英語のニュアンスを

とてもうまく語訳してあるように思える。

作者も満足だったのではないかナ。。。

 

 

 さてさて次に控えるは、ヴェルディによってオペラ化された「椿姫」の新訳本。

オペラは2回観たけれど(もちろんテレビで)、原作を読むのは初めて。

解説を読むと、オペラとは少し違う筋書きのよう。 楽しみ!

 

 

 

コメント (2)
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