世間の話題となっている映画「ドライブ・マイ・カー」
原作は、村上春樹の短編集「女のいない男たち」の中に収録されている
同名の60ページほどの短編。
ここから出来上がった映画は、なんと3時間の長編である。
よくこんな長い脚本に作りあげられたなと感心する。
映画館で観たいと思ったけれどなんせ3時間!
ハードルが高いな~と悩んでいたら、VIDEOが出ている!
早速借りて、部屋でゆっくりと楽しんだ。
登場人物は、俳優で演出家の「家福悠介」→西島秀俊
雇われドライバーの「渡利みさき」→三浦透子
家福は、妻と二人暮らし。ある日、妻の浮気現場を目撃する。
夫はそのことに触れることのないまま過ごしていくが
妻はある日、くも膜下出血で急逝してしまう。
彼は妻への不信を抱えたまま、マイカーで広島の仕事場に旅立つ。
広島での仕事の間、マイカーの運転手を探す。
ドライブテクニックのある若い女、みさきが雇われることに。
みさきは寡黙で、暗い表情をしている。
家福も妻を亡くした後で、心を閉ざす。
みゆきは自分の好きな広島の場所へ家福を案内する。
ここは中環境事業所(ごみ処理場)である。
他にも広島の各地が登場、見入ってしまう。
静かに進む車。沈黙。淡々と運転をするみゆき。
お互いの深奥を隠しながらの日々
時がたち、車の中で少しずつ会話が交わされ始める。
仕事現場に、妻の浮気相手だった男が登場する。
家福の複雑な心情・・
それを察したみゆきは、家福を癒そうと自分の辛い過去を話し始め
家福はみゆきに、みゆきは家福に、少しずつ心を開いていく。
みゆきの抑えた声と演技が秀逸。
そして物語は、ゆっくりとエンドロールに。
わくわくしたり、ドラマティックではないけれど
じんわりと深く心に沁みる映画だった。
日本アカデミーを8部門受賞
本場のアカデミーでも多数ノミネート
この映画が、アメリカでいかに受け入れられるか、
さて結果はいかに・・