今回は、ちょっと考えさせられた本 2冊。
命の終え方、そして人生哲学・・・
生き方を考えるうえで、とても良い本だった。
< 濃厚医療で 苦しまない 大往生 > 著 : 中村 仁一ほか共著
中村先生は、他にも 「大往生したけりゃ 医療とかかわるなー自然死のすすめ」 の著書がある。
目次には…
* 「死は穏やかで安らかなもの」
* 「死ぬのは完全放置のがんに限る!」
* 「自分はどう死にたいか」を考えると、今後どう生きるべきかがおのずと見えてくる
と、センセーショナルな内容が続くが、読んでみると ”なるほど!”と納得できることばかり。
死に際には、死の苦しみを防いでくれる様々な仕組みが 人の体には備わっている、
そこへ、胃ろうや点滴、酸素吸入を施すのは、穏やかな死を邪魔することに他ならないという。
死んだことがないからわからないけれど、きっとそうなんだろうなと納得させられた。
体験談もいくつか紹介されていて、なるほど!と。
延命治療拒否の文書の具体的な書き方も載っていて、役に立つ。
1つだけ、考えることが…。
何歳なら延命拒否をするだろう…
70歳か、80歳か…。
また、どの程度の病状なら延命拒否をすべきなんだろう…
まだ治る見込みがあるかもしれない?という期待はないだろうか…?
その判断は、私がするしかないのだが…。
イザという時、正しく判断できるか? と私に問うてみる。
さっそく買ってきた「エンディングノート」を前に、悩む私。
< 君たちはどう生きるか > 著 : 吉野源三郎
一言で言えば 「哲学書」 である。
といっても、小難しい書ではなく、中学2年生の「コペル君」が主人公の、平易な文章だ。
コぺル君が抱いた疑問を、叔父さんがわかりやすく教えていく、
という軸で語られる人生哲学だ。
コぺル君の身の回りで起きる出来事から人生を学んでいく。
15歳の発想なので、なかなかに面白く、それでいて核心を突いていて深い。
ものの見方について
人間の結びつきについて
貧富について
人間の悩みと、過ちと、偉大さについて など。
こんなエピソードがある。
コぺル君はある日、都会の真ん中に立ち、自分はこの世界の中の”分子”であると意識した。
私がコぺル君のように、自分の存在の小ささを意識したのは4年生の時だった。
夕方空を見上げていて、宇宙の遠大さを知り、私が死んでもこの星や月は輝き続けるんだ、
立っているこの大地はあり続けるんだ…と、ふと思ったのだ。
その時の、足元がぐらつくような、何とも言えない怖さ、不思議さは、今でも覚えている。
昭和12年に書かれたこの書は、今も読み継がれている。
最近は、アニメになってさらに読者が増えたらしい。
紹介頂いて貸してくださったSさん、ありがとうございました!
本の最後にこう書かれている。
「そこで、最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。---
君たちは、どう生きるか。」