ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

名目的取締役

2012年01月01日 23時49分55秒 | 商法
会社法で名目的取締役の責任追及問題があります。

これは、名目的取締役にも各取締役の監視義務は存在するのであるから、監視義務違反があり、任務懈怠が認められるというのは有名な話です。


しかし、会社法423条1項、429条1項の取締役らの責任は、客観的任務懈怠、主観的任務懈怠と損失に対して、因果関係が必要です。

そうすると、他の取締役らが不適当な経営を行って会社に損害が生じた場合、名目的取締役の当該義務違反によって損害が生じたといえるが、すなわち、因果関係が認められるかという問題が生じする。

他の取締役らが多数決から強行突破して会社に損害が生じた場合には、名目的取締役らが監視義務を果たしていなかったことによる会社への損失には、因果関係が認められないということも考えられます。


よって、名目的取締役だから、任務懈怠があり、損失があるから会社に対する責任、第三者に対する責任が認められるとするのは、論理の飛躍があるといえよう。

因果関係もきちんと考察する必要があると思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しい事案

2012年01月01日 13時32分33秒 | 刑法
新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。



先の記事にも書きましたが、新しい事案としては、電子マネーではなく、電子ポイントがあるかと思います。

電子ポイントは、家電量販店とか、ネット通販とかでついてくるポイントです。


そのポイントはその店でしか通常使えませんが、他のポイントとの交換ができるものもあり、電子マネーとして扱えるようなものもあります。

これらの実質を考慮すると、通貨といえるものと、非通貨といえるものが存在するかと思います。


非通貨を詐取する場合、財産上の損害があったといえるか、あるいは、窃取する場合も同様です。


そのポイントが財産といえるのかとか、色々問題がありそうです。

考慮すべき内容を挙げてみます。

・その店でしか使えないか。
・ポイントに対する盗難補償があるのか。
・ポイントを移動させただけで使用されていない場合はどうか。
・ポイントを移動させられたが使用しなかったため期限が切れた場合はどうか。
・ポイントは元々無償提供だったものか。
・無料ポイント進呈で取得したポイントを窃取した場合はどうか。
・お金を払って多くのポイントをもらった場合はどうか。



先日、楽天のポイントを窃取するという事案が発生したので、考えてみました。

刑事系の事案で出そうで、まだまだ電子通貨は出ないのかなぁとも思えますが、どうでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする