最近、ちょくちょく聞く“量子コンピューター”という言葉。
世界中で、ことにアメリカと中国が、この開発でしのぎを削っているという。
量子コンピューターが「今の九千兆倍の演算速度をもつ」とか、
「グーグルが一万年かかる問題を200秒で解いた」とか聞かされ、ただただ驚くばかり。
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コンピューターは、二進数(ゼロと1)を電子(+と-)に置き換え、演算処理する仕組みだが、
量子コンピューターになると、その仕組みはサッパリ。
量子とは小さな粒子であり、原子核と中性子と電子からなることぐらいは知っているが、
それが、どのような原理や仕組みで作用するか、とんと分からない。
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量子コンピューターが扱う得意分野に『最適化問題』があるそうだ。
その原理を発想・提起したのは日本の東工大で、N教授らの研究グループであった。
だが、実用化したのはカナダのベンチャー企業だったという。
つまりは、基礎研究は日本発だが、実用化は海外だという事である。
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残念なことだが、日本は基礎研究は進んでいても実用化は遠いのが現実。
「1%の成功で投資を回収する」というチャレンジ精神の投資家は、わが国には少ないようだ。
経産省は、エンジェル税制というベンチャー企業育成のための制度を用意している。
『富岳』で世界一というから、量子コンピューターでもトップを期待したい。
【富岳】