陰暦10月の最初の亥の日に行われる習俗で、
新暦では11月の今日(11月6日)が、その日に当たるという。
今朝のラジオで聴いた。
それにつられて、私の子どもの頃の「いのこ」を思い出した。
小学生時代は、宮崎県の地方で過ごした。
いのこ(亥子)の日が来ると、
子供らは、夜になると「いのこ、いのこ」と叫びながら、
集落の家々の土間で、藁束や石で地面を叩いて回った。
当時の家屋は、どこの家でも土間があり、入口から裏口へ抜る造りだった。
子供らにとっては、御褒美にもらう亥子餅や飴玉が目当てであった。
いのこ(亥子)で地面を叩くのは、モグラを追い払い五穀豊穣のため。
亥子餅は、小豆やゴマでついた餅で無病息災を願うため。
この日を境に、コタツ開きをする目安ともされたようだ。
イノシシは多産系だから、子宝に恵まれるという縁起もあった。
今では、家の構造で土間のある家などは無い。
少子化で子供の数も、めっきり減った。
いのこ(亥子)の日の習俗を懐かしむばかりである。