箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ08号 KHR 標的225『雑種(ミックス)』

2009-01-17 02:41:20 | 雑誌[J]
傷跡の残る、鍛えられた筋肉質な上半身を晒し、肩に上着を羽織っただけの
XANXUSが表紙の今号。白目に見えるのは気のせいでしょうか;
彼の背後には、草の陰になってはいますが、
大型肉食獣らしき動物の大きな目も見えます。

蛇足ですが。
最近は、「ミックス」と呼ぶのですね。「雑種」という言葉が
消えつつあるように思えます。
不勉強なのですが、差別用語という位置付けなのでしょうか。

閑話休題。

本編は、対峙するXANXUSとオルゲルト、ジルからスタートです。
巨雨象が粉砕された事実に驚愕するオルゲルト。

オルゲルト:『バカな…』 『巨雨象(エレファンテ・フォルテ・ピオッジャ)の動きの一切を封じるとは…』
ジル:『バカはおまえだろ?オルゲルト』
オルゲルト:『!?』

動揺するオルゲルトに対し、嵐コウモリを周りに侍らせ椅子に座ったまま
ジルが声をかけます。この状況を冷静に見極め、分析するとは、
さすが天才を自称するだけあります。

ジル:『巨雨象の動きを止めた犯人が他にいんのさ』
オルゲルト:『!!』 『匣兵器!?』
ジル:『あったり~』 『やつの背後の岩の影に ガラの悪い赤い眼球が見えんだろ?』

聞こえてくるのは「GARURURU…」という唸り声。
そして、ついに姿を現した匣兵器。それは。

『天空ライオン(レオネ・デイ・チエーリ)』

どっしりした足と鋭い爪を持つ、大きな白いライオンでした。
かなりリアルな描写です。たてがみがあることから、どうやらオスのようですね。
白い皮膚に赤い目は、典型的なアルビノ種をイメージしているのかな?

ジル:『激レアの白い百獣の王か』
オルゲルト:『その通りです』 『コピー不能と言われる大空のライオンシリーズ!!』

大空のライオンシリーズなるものがあるそうです。
となると、ツナが入手するかもしれない大空の匣兵器は、
ライオンである可能性が高まりました。
しかも、コピー不能ということは、バリネズミや巨雨象のように
同じ匣兵器が複数存在する、ということはないのですね。

死ぬ気の炎らしきもので空中に浮いている椅子。それに座ったままのジル。
この椅子の動力源は一体なんなのでしょう。これも匣兵器だったりするのかな?(ぇ

ジル:『へーXANXUS お前にも一応大空の波動が流れてんだな』
   『ボンゴレリングには拒絶された雑種のクセにな!!』

余裕の態度を崩さないジルですが、
本当に、どこまでもよくご存知です;

ジル:『そーだ!!お前は王位正統継承者であるオレより遥かに劣る』 『雑種(ミックス)だ~!!』

大口を空けて笑うジルを見上げながら、こちらも変わらず椅子に座ったままのXANXUSが
冷静に『おい』と声をかけます。

XANXUS:『てめぇのうぜぇ遠吠えは聞き飽きた』
ジル:『!!』『んのやろう!』
オルゲルト:『お待ちくださいジル様!!』

逆上しかけたジルを止めるオルゲルト。

オルゲルト:『やはり妙です!!天空ライオンにあのような技があるとは思えません』
      『なぜなら大空の属性の特徴は――』
      『調和!!!』

調和とは「全体の均衡(バランス)が保たれ 矛盾や綻びのない状態」を
指すのだそうです。これで、7属性すべての特性が揃いました。
即ち、

 雨  … 沈静
 雲  … 増殖
 霧  … 構築
 雷  … 硬化
 晴  … 活性
 嵐  … 破壊
 大空 … 調和

です。

*** 追記: *************************************
 「嵐の特性は『分解』ではないか」とのコメントを戴きました。
  # ご指摘くださった皆様、ありがとうございました。
 言及しておりませんでしたが、確かにそのとおりです。

 ですが、今話において、嵐の特徴は"破壊"と掲載されていましたので
 敢えて記述の訂正は行なわず、そのままにしておきます。
 恐らく、コミックス収録時に修正されるのではないかと思っています。
************************************************

大空の特性だけは効果が分かりにくいですが、
「中和」ではなく「調和」なのですね。
他属性の攻撃を無効化し、攻撃時には他属性の特徴すべてを
使用可能なのかと思いましたが、どうでしょう。
6属性の特性を一度に使えるとかなのかな?
XANXUSの闘い方や、今後のバトルで判明することを期待します。

オルゲルトが気にしているのは、巨雨象が石化ののち
調和どころか崩壊しはじめていたこと。

ジル:『ビビるこたあねぇ』
   『相手が何だろうが』
   『殺しちまえば同じだ』

匣をもてあそびながら、笑みを浮かべそう告げたジルに、
オルゲルトは『ハッ』と了承の意を示し、残り2体の巨雨象が活動を再開します。

オルゲルト:『覚悟せよ XANXUS! 貴様をそのイスから引きずり下ろし』
      『大地にひざまずかせてくれる!』

やはり、先に椅子から降りた方が負けみたいな勝負に
なってきたなんて言ってませんよ言ってません。

オルゲルト:『喰らうがよい!!』
      『二重の鉄槌(ドッピオ・マルテッロ)!!!』

オルゲルトのリングに炎が灯り、XANXUS目掛け突進する巨雨象。
しかしXANXUSは、椅子から立ち上がることもなく、微かに笑みを浮かべながら
一言発しただけでした。

XANXUS:『ベスター』

天空ライオンの名前はベスターと言うのですね。XANXUSが付けたのでしょうか?
XANXUSの言葉を受け、XANXUSの前に出たベスターは、迫りくる2体の巨雨象に向かい
雄雄しく咆哮します。

再び動きを封じられただけでなく、更には石化していく巨雨象を見て
オルゲルトが目を見張ります。

オルゲルト:(石化…これが大空の調和なのか…!?)

そんなオルゲルトなど意にも介さず、XANXUSも再び、右手に憤怒の炎を集約していきます。

XANXUS:『かっ消えろ』

しかし、そんなXANXUSにジルの匣兵器である嵐コウモリの攻撃が襲い掛かります。

XANXUS:『!!』
ジル:『バーカが』

異変を察知したXANXUSに、嘲りの声をかけるジル。

XANXUS:『ぬうっ』
ベスター:『GA(ガァ)!!』
XANXUS:『がっ』 『ぐあっ』
ジル:『しししっ』

右手や耳から激しく血を噴き出すXANXUS。ベスターも、耳や背中から
激しく血を噴き出しています。悶絶する彼らを見て、ジルは楽しそうです。

ジル:『どーだ嵐コウモリの超炎波の味は』
   『それでもまだ 座ったままやろうってのか?』

やはり椅子に拘っていますね。
座ったまま飛んでくるだけあって、ジルは椅子が大好きなようです。
しかも、自分以外の人間が座ったままというのが余程許せないと見えます。

ジル:『つーかその前に』 『そいつは永遠の安楽椅子になっちまったかもな』
XANXUS:『ぐ…』

さすがのXANXUSも、嵐コウモリの超炎波を浴び続け、
呻き声をあげると共に息が荒くなっています。
ベスターも影響を受けているのでしょう、止まっていた巨雨象が
再び動き出しました。

オルゲルト:『巨雨象の石化が解けました』
ジル:『よーし潰しちまえよ』

そんな二人のやりとりを知ってか知らずか、
口から血を滴らせながらもXANXUSは、戦いを続行させるべく
相棒の名を呼びます。

XANXUS:『ハァ…ハァ』 『ベスター……』

容赦なく突進してくる2体の巨雨象。
しかし次の瞬間、ベスターの巨大な咆哮にて、周囲にいた数匹の
嵐コウモリ諸共撃破されてしまいます。
驚愕するジルとオルゲルト。どうやら、ベスターが見せたこの能力は
大空にあるまじきもののようです。
と。

XANXUS:『てめぇらは本気でオレ達を怒らせた』

このセリフは、正直ちょっと痛い感はありますが、「オレ達」という辺り
XANXUSがベスターを信頼し、大切にしていることを窺わせます。

この言葉を発した時のXANXUSの顔には、9代目に付けられたアザが浮かんでいました。
一層迫力を増したXANXUSに、驚きを隠せないジル。

ジル:『!!』 『な…なんだ?顔中アザだらけだぜ…』
オルゲルト:『聞いたことがあります XANXUSの怒りが頂点に達した時』
      『奴の顔には9代目にやられたボンゴレ奥義の古傷が浮かび上がるという…』

誰に聞いたんですか…;
本当に、細かいところまでどこまでもよくご存知です。

オルゲルト:『XANXUSだけではない!!』
      『天空ライオンの体中にもアザが浮かび上がっている!!』
      『いや!!アザだけではなく』 『あの模様は――』
      『タイガーパターン!!! あの匣は嵐トラなのか!?』

ベスターの体に浮かび上がる虎模様。
彼もまたXANXUSと同じく、怒りが頂点に達していたのでしょうか。

オルゲルトの問いに答えたのはXANXUSでした。

XANXUS:『ベスターはライオンでもトラでもねえ』
ジル&オルゲルト:『!?』

驚く二人を鋭い眼光で睨みつけるXANXUS。

XANXUS:『雑種(ミックス)が劣ると誰が決めた?』
オルゲルト:『!?雑種なのか…!?』『だが ライオンの雑種など…』『はっ』
      『まれにライオンのオスとトラのメスとの異種交配により
       ライガーと呼ばれる混血の子供が生まれるという… ま…まさか…』
      (調和と破壊… 二種の属性を持つ この匣兵器は――――)

天空嵐ライガー(リグレ・テンペスタ・デイ・チエーリ)!!!

「GARURU…」と唸り声を上げる、白いライオンの体をベースに
顔と胴体に虎の模様が浮かび上がったベスターの姿で以下次号!!

XANXUSやベスターの様子から、嵐コウモリの攻撃は止んでいると判断しましたが、
これはベスターの咆哮が、巨雨象だけでなく超炎波も撃破したと思ってよいのかな?

それにしても、ライガーという言葉を久々に聞きました。
ベスターは大空と嵐の属性を兼ね合わせているようですが、
この場合、XANXUSのしているリングの属性は何になるのでしょう。
確か、彼が指に嵌めているリングは1つだけでした。
人には複数の波動が流れているという説明はありましたが、
1つのリングに複数の波動の炎は灯せなかったと思います。

ベスターの能力についても、いくつか疑問があります。
「破壊」は嵐属性に因るもので間違いなさそうですが、
石化は「大空」と「嵐」のどちらの属性に因るものなのでしょう。
また、最初はライオンの姿で現れ、後にライガーへと変貌したということは
もしかしてトラの姿にもなれるのかと思いましたが、
流石にそれはなさそうですね。

そして毎回思うのですが、皆よく自分にぴったりな匣兵器を見つけるなと。
名前も自分で付けるのでしょうね。
ベルは嵐ミンクに特に名前を付けてはいないようでしたが。

今回もあっという間に終わった感があります。
余裕かまして大口を叩いていた割りに、XANXUSが結構やられてしまったのが
切ないですが、それだけジルが強いということなのでしょう。

そろそろ、ジルとXANXUSのバトルが決着して欲しいですね。
ジルとオルゲルトがここにいる理由、白蘭の能力についての
謎解きが待たれます。
そしてもちろん、ツナサイドの状況も気になります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!