箱庭を騙る檻の中の書庫

漫画や小説、音楽などに対する主観的感想。
最近偏り気味です。

WJ10号 KHR 標的227『真(リアル)』

2009-01-31 04:11:06 | 雑誌[J]
節分用のお面がセンターカラーとして登場の今号。
こういうのを見ると、「少年」対象誌なんだなと実感します。

さて本編。

XANXUSがジルを粉砕したときに起きた空中での爆発。
それを目撃する、他の場所で戦闘中だったヴァリアー幹部たちから
スタートです。

あの光がXANXUSの銃弾であることに気付き、安堵するレヴィは、
どうやらミルフィオーレ部隊を全員倒したようです。
傷だらけで木にもたれかかる彼の周囲には、黒焦げになった人体が
ゴロゴロ転がっています。

スクアーロ:『あのクソボス』 『久しぶりに本気になったか』

笑みを浮かべつつそう呟くスクアーロはまだ戦闘中のようですが、余裕です。

ベル:『ちっ 終わっちまったぜっ』
フラン:『結局ワラワラ出てくる敵の相手してたら』 『見逃しちゃいましたね』

相変わらず動きの呼吸がぴったりのベルとフランは、まだ森の中です。
こちらもミルフィオーレの隊員と遣り合っていますが、
嵐ミンクが敵を燃やしているようで、ベルとフランが
自ら武器にての応戦はしていないようです。
とはいえ、ベルは表紙では、ナイフを構えていましたが。

そして、瓦礫と化していた城の一部。
血まみれの腕の傍に落ちているルッスーリアのグラサンが
描画されますが、そこに1つの人影が現れます。

『あんらー?』
『急に静かになったようだけど…』 『メガネがないから全っ然わかんないわ!

『も~メガネメガネ』と言いながらウロウロする人影はやがて
『もしかして…』とグラサンを拾い上げ、チャッと装着します。
その人物はもちろん。

ルッスーリア:『見えるわーv』

そして周囲を見渡し惨状を把握した上で、椅子に座ったままのXANXUSと
伏せて大人しくしているベスターを発見したルッスーリアの感想は
『ボスったらハデに遊んだみたいね…』でした。

城が襲撃されたときの描写に、かなり心配させられましたが、
ルッスーリアとレヴィも無事(?)のようで安心しました。

場面変わり、日本のメローネ基地。

リボーン:『!!』 『たった今ジャンニーニからイタリアの主戦力の情報が入ったぞ』
     『XANXUSが敵の大将を倒したらしい』

満面の笑みでそう報告するリボーン。
久々にこんな満開の笑顔のリボーンを見る気がします。
その言葉に沸く草壁・入江・獄寺。
クロームは少し離れたところでランボを抱っこしています。
ヒバリは更に離れたところで1人立っています。
簡易ベッドのようなものに3人寝ていますが、
了平・山本・ラルのようですね。

ツナ:(XANXUS…………… あのXANXUSが!!)

ツナはラルの介護中です;
意識を失っているらしいラルに、飲み物を飲ませているようですね。
インカムは既に耳に装着済みなので、ツナが顔を向ける方向に
リボーンのホログラムが投影されるのではないかというのが少し心配です(笑)。

入江:『せっかくのニュースに水をさすようだが』 『喜ぶのはまだ早いな』

さっき皆と一緒にちょっと喜んだ入江ですが、
たちまちお腹がゴロゴロいいだしてしまっています。

入江:『大将を討っても兵力に圧倒的な差がある』
   『ミルフィオーレが新しい大将をたて長期戦になれば…』
リボーン:『その心配もねーぞ』 『敵は撤退をしはじめたそーだ』

エスプレッソ片手に笑顔のままのリボーンのその報告に、

入江:『ってことは!』 『勝利じゃないか!』

『まーな』というリボーンの答えに、ようやっと大きな笑顔を見せる入江。

入江:『これならいける!!ボンゴレの戦力は想像以上だ!!
    主力部隊を追い込むなんて!』
獄寺:『急に興奮しやがって…』

大興奮の入江は、このために頑張った努力が報われたという想いが強いのでしょう。
そんな彼らを無言のまま見やりながら、ツナも士気が上がったようです。

ツナ:(すごい…!!さすがヴァリアーだ…) (あとは白蘭を倒すだけ)

『いいや』 (背景ツナ側)
『ただの小休止だよ』 (背景XANXUS)

ツナの心の声に応えるかのように、不意に響いた声。
それは、日本のツナたちのいる場所、そしてXANXUSのところ、
その双方にて同時に聞こえてきました。

白蘭:『イタリアの主戦力も』 『日本のメローネ基地も』 『すんごい楽しかった』

その声はイタリアのXANXUS、ベル、フラン、スクアーロ、ルッスーリア、レヴィ、
日本のツナ、山本、クローム、ランボ、了平、リボーン、ヒバリ、獄寺の
耳に届きます。
ただし、山本と了平は目を覚ましていませんし、ランボも寝ていますが。

そして、白蘭の声を聴く、彼らの目の前に突如現れたのは白蘭のホログラム。
どうやら、敵の端末から投影されているようです。

ツナ:『…こ…こいつが…』
入江:『白蘭サン!!』

ホログラムにて対面する白蘭への2人の声を、当然のように無視して
白蘭は話を進めます。

白蘭:『前哨戦としては相当 有意義だったよね』
   『ホラ ホンボレ最強部隊の本気が見られちゃったり』

笑顔で言葉を紡ぐ白蘭を、無言のまま睨みつけるXANXUS。

白蘭:『必死に僕を騙そうとする 正チャンの演技とかさ』
入江:『!!』 『じゃ…じゃあ』
白蘭:『んん バレバレだよ』

白蘭のその言葉に驚愕する入江。
ですがやはり、部下の裏切りも見抜けないようじゃお話になりませんから、
予想通りといえば予想通りですが、白蘭のこの反応はよかったと思います。
となると、例のアネモネの花言葉の捉え方も変わってくる…かな?

白蘭:『確かに 正チャンの計画はよくできてたし』
   『こういう形でボンゴレと手を組むのは意外だったけど』
   『いつか敵になるのはわかってたからね』

   『だって正チャン 僕のすることなすこといつも否定的な目で見てたもん』
   『昔からずーっと』

入江と白蘭は、何時頃、どうやって知り合ったのでしょう。
それが気になります。
それにしても、白蘭の表情が笑顔から崩れることはありません。

入江:『!!』 『……あなたは』 『………間違ってる!』

入江がはっきりと口にした、白蘭への否定の言葉。
それに驚いたのか、入江を見やるツナ。

白蘭:『ほーらね』 『まあ 好きにすればいいよ どちらが正しいかは今にわかるし』
   『しっかし 正チャンもつくづくもの好きだよね』
   『まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに 命運をあずけちゃうなんてさ』

はっとしたツナの表情からは、若干悲壮さを感じます。
「命運をあずける」というその言葉の重さを痛感しているのでしょうか。
白蘭から「ケツの青い」という単語が出てきたのには、そういう言葉を使いそうにないという
勝手なイメージがあったので、少なからず驚きました。
ちなみに、ケツの青いという言い回しは、モンゴロイド特有の蒙古斑に由来しますが、
さすが白蘭は日本語もよく知っています。


白蘭:『本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入して ボンゴレを消すのは簡単なんだ』
   『でも ここまで楽しませてもらったのは確かだし』
   『それに信頼してた副官に裏切られたとあっちゃ』
   『リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?』

その言葉に目を見張る入江。いつかは裏切ると思っていたにも関わらず、
白蘭はこの副官を信頼していたと言うのでしょうか。
寧ろ、「信頼して副官に据えた」という態度を他の幹部の前でも
アピールしてきた故に、示しがつかないといった感じかもしれません。

白蘭:『だから そろそろちゃんとやろーと思って』
白蘭:『沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕のミルフィオーレファミリーとの』
   『正式な力比べをね』

その言葉を静かに受け止めるXANXUSとツナ。
この二人の対比が、なかなかに好きです。

白蘭:『もちろん7^3をかけて』
   『時期的にもぴったりなんだ』 『正チャンやこの古い世界とのお別れ会と』
   『新世界を祝うセレモニーにさ♪』

7^3を使用するのにも時期があるのでしょうか。
まさか、白蘭の能力を使用するのに適した時期ということではないと思いますが。

入江:『白蘭サン!現状を見てください』 『そう簡単にいくでしょうか!?』
白蘭:『お』 『元気だなー 正チャン』

白蘭の余裕の台詞が、なんだか楽しかったです(笑)。
ここで敢えて、入江が白蘭に提言をした理由は恐らく、彼に対し
不利な状況が揃っていることを認識させ、企てているであろう計画の実行を
阻止することなのでしょう。

入江:『あなたは この日本のメローネ基地に4人 イタリアに1人 計5人の6弔花を送り込み』
   『7つのうち 5つのマーレリングを失っている』

要は、送り込んだ6弔花全員がやられているという状況なのですね。
しかし、マーレリングを失うという表現をされると、少し困ります。
マーレリング自体は破壊されてはいないですし、白蘭を本当に裏切ったのは入江のみで、
他の6弔花がミルフィオーレに残るか、ボンゴレ側につくかは未知数です。
特に幻騎士は、白蘭に絶対の忠誠を誓っていましたので、「失った」訳ではないと思います

入江:『もはやあなたは翼をもがれた鳥だ』
白蘭:『う~ん』 『ま』 『それが本物ならね』
入江:『!!』

白蘭の言葉に驚く入江。と同時に、指に嵌めていたマーレリングの土台が
ピシッという音と共に割れてしまいます。
驚愕するツナとリボーン。
それは、同じ頃、太猿と野猿に抱えられ基地内を移動していたγのリングにも、
そしてその他の3つのリングでも同様のことが起こっていました。

入江:『ニセモノ!!』
白蘭:『もちろん それもランクAのスゲー石なんだけどね』
   『7^3はもっと特別なの』

白蘭の右目が髪の隙間から覗きますが、にっこりと目を細めて
笑っているため、やはり瞳を見ることは出来ません。

入江:『だけど…』
白蘭:『悪いけど 正チャンには秘密で他に組織してあるんだ』
   『正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど もーいいよね』

裏切った者と、それを予測していた者。
かつての上司と、信頼厚きその副官。
この仮面が剥がれた今でも、「正チャン」「白蘭サン」と呼び、
互いに、今までの立場のままの物言いで会話を進める彼らのやりとりが
何故か少し好きです。

白蘭:『紹介するね』

白蘭の背後にブウウウン…という音が響き、

白蘭:『彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者』
   『真(リアル)6弔花♪』

白蘭の紹介の声と共に現れた、恐らくバラバラの場所に居るであろう
6人の姿で以下次号!!

…なんだか今までの展開を、一気に覆された感がするのは何故でしょう;
ゴールまでの距離が全然見えなくなりました。

本物の守護者として映し出された6人ですが、
1人は、黒髪に無精ひげの落ち着いた感じのする伊達男。
1人は、骸と同じように復讐者の最下層の牢獄で幽閉されているらしい、
 白髪の人物。両目の光が見えることから、骸ではないと思うのですが、
 もし白蘭に右目を奪われていたら分かりませんね;
 しかし、以前出てきた骸の拘束具よりも、更に厳重なものが使用されているようです。
1人は、フード付きマントのようなものに身を包み寝ている、 髪の長い可愛い女の子。
1人は、歌舞伎などで使われそうな、般若のような面を被った人。
1人は、顔に傷があり、ギョロっとした目と長髪、タラコ唇と包帯を巻いた手が特徴の男。
そして最後の1人は、γと雰囲気がよく似た、切れ長の眼の、やはり長髪の人物です。

白蘭の言う力比べがどういうものかは次号を待つとして、
再び、リング争奪戦と同じような展開にならないことを願います。
XANXUSのクローズアップ度から、ヴァリアーも一緒に闘ってくれるのではという
淡い期待も抱いておりますが、こちらはどうなることやら…ですね。
ディーノの到着と同時に修行に入るという予想は、是非裏切って欲しいです。

ミルフィオーレ・メローネ基地内の隊員についてですが、
γは共闘するのではないかと思っています。
獄寺と併せて「よく生きていたな」とは思いますが、生きててくれて
嬉しいので言いません。
それにしても、6弔花の1人と言われていたユニが出ないまま
真6弔花が出てきてしまったことにビックリです。

そして、幻騎士の扱いがどうなるのかが、今一番の懸案事項でしょうか。
白蘭を神とまで言い、6弔花の1人として白蘭のために力を振るっていた彼が
真6弔花のかませ犬とならないことを願います;

先週のオルゲルトに続き、今話の白蘭も説明台詞が多かったですが、
久々ツナたちが見れて嬉しかったです。
6弔花と呼ばれていた人物たちのミルフィオーレファミリーに対する今後の動向、
ヴァリアーの動向、白蘭の能力、了平の入れ替わり、山本と了平の回復時期など
まだまだ謎や気になることがたくさんあります。

なにはともあれ、次回も楽しみです!