ある人のブログ(ブレンド日記)に、
絣の布地で作った巾着袋の事 (と言うか、それに纏わる思い出) が載せてあった。
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それは、私に遠い昔を思い出させるものだった。
その昔、70年位も前の事です、道具の名前は思い出せませんが、
とにかく、糸繰りから布に織り上げるまでの道具が一式揃っていました。
三帖ほどの狭い部屋で「ギイーギイー」と糸繰りをして、そのあとの作業は憶えて居ませんが、
西日のあたる二階の部屋で「トントントン」と、汗を拭きふき、母が機織りをして居たことが、今でもはっきりと眼に浮かんできます。
その道具、機械一式は今は有りません。
家族も多くなり、住み難いからと、家を建て替える際に全部処分してしまったからです。
処分するかどうかの時、母に訊きました。
「この機は、どげしょうかね?」
「この機織り機械は、どうしましょうか」
「うん、えまからさき、こげなもの、ちかーこともねーだらーしのー、そーね、じゃまんなーわのー」
「そうだねえ、これから、機織りなんて、する事も無いだろうし、それに、置く場所も無いしねえ」
母は、本当は愛着のある、この機織り機を処分する気にはならなかったのでしょう。
今にして、悔やまれる。
然し当時の世の中、「消費は美徳」なんて言う言葉が流行る時代で、
私に言わせれば嘆かわしい世の中でした。
生活環境の変化、経済観念の変化。
どっちがどうなってなのか解りませんが、せめて何につけても、勿体ないと言う意識だけでも、取り戻したいものですねえ。
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