い とはなんでしょう。
湯 また、風呂の事を、「い」と言います。
昔は、一人暮らしの老人の家では、毎晩風呂など沸かしたものではありませんでした。
そこで、
「おまえさん、こんや、いーわかさっしゃーかや」
「えんや、こんやわ、やみょかともっちょーがね」
「ほんなー、おちー、いいりねごだっしゃえ」
「だんだん、だんだん、まあこんやわ、しちれーしーわね」
「まー、そげね、じぎーしーこたーなえがね。きょやちゃ、のくさがきちーて、あしぇがでちょーけん、ながしねきなはえよ」
「よーこそ、よーこそ、ほんな、じぎなしね、よばれねあがーましわ」
共通語で
「あんた、今夜、風呂を焚かれますか」
「いいえ、今夜は、やめようと思っていますよ」
「だったら、うちへ入浴にきなさいよ」
「有り難う御座います、だけど、今夜は遠慮します」
「まー、そんな遠慮する事はありませんよ。今日なんか、ひどい暑さで汗が出ているから、汗を流しに来なさいよ」
「ようこそよんで頂いて、それじゃ遠慮しないで、お邪魔します」
と言うような会話が良く聞かれたものです。
出雲の人の性質がよく表れていますね。
好意をもって誘われても、一度は遠慮する。
これは、人の好意に甘えてはいけない、人に迷惑を掛けてはいけない。
と言う心の表れでしょうか。
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