長蛇の列の後尾に並び受付をすませるまで約30分、ドーハでトランジットするチケット2枚を渡され、各自でカタール航空の受付、
出国手続きを済ませ北ウィングの出発ロビーに再集合の手筈となった。時刻はもう夜中に近い。自宅では床につき羊を勘定する体
制になっているはず。出国手続きを済ませて登場ゲートへは無人のモノレールが運航されており、乗れば目的地に連れて行ってくれ
る。ドジを踏んで乗り過ごしても元の場所に戻り、再度連れて行ってくれるから安心してドジってもいい。
説明を受けた通りの手順で搭乗口に向かうが、途中にあると思われる店舗やDFSは全てシャッターを下ろしていて、夜は人気のない
街並みをあるいているような感じだ。搭乗ゲートで小1時間待ちドーハまでの辛抱タイムが始まる。人間の食サイクルは朝昼晩と3
食、夕食後は遅くとも6時間もすれば睡眠に入るから腹が減る心配は不要。ところが、今回のように夜中の出発となれば睡眠まで
に未だ時間がかかるから夜食の必要性を心配する人、夜遅く食べて寝るのはよくないと言う人、私のように旅だから少しアルコール
があればいい人、様々だ。
妻との会話で『いつものパターンだと夜中でも夜食が出そうだ』
『こんな夜中だから要らない』
『ワインかビールはあるかな?』
搭乗後、水平飛行に入るとワゴンがやって来て夜中にしてはディープそうなメニューの食事が配膳され始めた。私たちはふたりとも『No
thank you , wine or beer please』と言い慣れたフレーズをCAに伝える。周囲の人たちの胃袋は凄い。クリームソースのチキン料理を美
味しそうに食べている。夜食も飛行運賃の中に含まれているだろうから、要らない人は割引をしてくれてもよさそうなものと思う。また、出
される食事はブラ製の食器は使い捨てなのだろうか、封を開けなかった料理、ミルク、砂糖、水、プリンなどは吉兆のように使い回し
するのだろうか。
私たち夫婦は飛行機の食事の何から何まで完食することはない。特に私に至っては半分も食べればいい方だから。
こんなことを考えると飛行機の食事は無駄が多いと思う。運賃は高くそれなりのサービス提供は必要で、用意されるものだから経費
的な面からは無駄な原価とはいえないかもしれないが、貧乏性の私の思うところである。
私は用意してきた7インチのワンセグTVのビデオ録画番組を観ながらワインをチビリ、チビリ、妻は疲れたのか必死で寝ようと奮戦して
いる。離陸が真夜中、周りの人たちも寝ている人が目立ち、私は酔いが回り寝る体制になってきた。夜間飛行の間は寝たような、ゴ
ー音の中で夢ばかりを見ていたような不思議な感覚で何度も寝返りをしながらしている内、周りが騒がしくなって目を覚ます。
今回は空の5つ星カタール航空を利用、昨晩の夜食につづき早朝の食事も結構手の混んだものが出された。尤も冷凍したものを
大量チンしたものだろうが出される種類も味もよろしい。
外がうっすらと白くなり中継地のドーハに到着した。この空港の滑走路はターミナルからバスで20分以上もかかる所にあり、飛行機
が到着するとバスが迎えに来る。手荷物には色分けされたタグが付けられトランジットは黄色、ドーハが最終地の人は青色となって
いる。バスに乗り青色ゲート、黄色ゲートを通るので、行き先によってそこで降りる。私たちはここからアンカラ空港を目指すので黄色
のゲートで下車する。30人もいるグループがバラバラになり再度集合するのに時間がかかる。朝の行事。洗面やトイレを済ませるの
も、市内観光のために入国手続きをするのにも30人となれば、1人々のロスが蓄積され大きなロスになるから、皆の協力は旅の質の良否
を左右する。幸いにも今回の旅行で非協力的な人や、自分勝手の行動をとり迷惑をかける人はいなかった。
機内から見え始めた朝日
ドーハ着