クブチ砂漠の砂は、思ったより粒子が細かいものだった。手ですくうと指の間からさらさらとこぼれおちる。
植林から帰ってきてからの話だが、友人と飲みに行った際、中国の土産話をしながら、砂漠からペットボトルに入れて持ち帰った砂を見せた。
「えっ~。○○胃酸のようじゃない」
その友人はそういうと何かひらめいたように「これ少しくれる?」と砂を紙の上に出して、そのスナックのママを呼んだ。
「これ中国の胃酸なんだって。舐めてみる?」といって差し出した。そこのママも素直な人で「どれ」といって少しだけ指についた砂を舌にのせてみた。
「ぺっ、ぺっ。これ砂じゃない。ひどいよ」
いくら暗がりだったとはいえ、胃散に見間違うほど色と粒子が似ているのだ。
この小さな粒子が、春になるとはるばる日本まで“黄砂”となって飛んでくると思うとうなずける気がする。
包頭から恩格貝までの途中に黄河中流の「召君渡口」がある。ここで一旦バスを降りたが、黄河はこの細かい砂を含んでいるため黄色い色をしていることがよくわかった。
井出先生が黄河の水をペットボトルに汲んで、やはり持ち帰ったのだが、しばらくするとペットボトルの上半分が澄んだ水に下半分は砂が堆積していた。
そういえば植林隊の旅行マニュアルの中に「砂がカメラなどの精密機械の中に入り込むことがあるので、ビニール袋などで防御してください」という趣旨の記述があり、私も厳重にカメラをビニールで包んで写真を撮ったことを思い出した。
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