半ぐれ行政書士の徒然日記-Ⅱ

信州は小諸の半ぐれ行政書士
仕事のこと、地域のこと、様々な出来事を徒然なるままに書き記します

相続のエトセトラ~“相続”と“争族”

2005年09月16日 | 行政書士の仕事
 私が行政書士開業した頃は、10件の相続の相談や手続の依頼があれば、大小問わず相続で揉めている案件は、せいぜい2~3件程度であった。
 しかし、ここ数年その数は全く逆転している。
 原因はいくつか考えられる。
 私が業務を行っている地域が田舎ということもあるかもしれない。旧民法で採られていた家督相続の呪縛からようやく解き放たれて、平等主義に基づく現行民法の権利意識が遅ればせながら根付いてきたのかもしれない(ようやくこちらも都会並になったということなのか。)。
 また、時代背景も関係しているのだと思う。かつてのバブル最盛期の頃、都会では猫の額のような土地であっても、相続で揉めて殺人事件さえ起こった。バブル崩壊後の経済状況は今更私が云わなくてもご案内の通り。親や兄弟姉妹が亡くなったという事実だけで、相続が開始され、財産が手に入るだ。権利があるのだから何がなんでも権利主張をしなくては損という意識が見え隠れする。
 相続とはそもそも先祖や親が残した財産を相続人が(等しく)引き継ぐということであるのに、この頃は残された財産を他の相続人より多く奪い合う状況なのだ。
 私の事務所に、相続の相談で来られる依頼者が少し恥ずかしそうに「相続で揉めているのは、私の家族だけでしょうね。」と尋ねることがある。そんな時私は、「いや。現在“相続”は“争族”になっていて、特に珍しいことではないですよ。」と答えている。



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