半ぐれ行政書士の徒然日記-Ⅱ

信州は小諸の半ぐれ行政書士
仕事のこと、地域のこと、様々な出来事を徒然なるままに書き記します

明治時代の成績表

2007年04月13日 | とりとめもない話

 昨日私の父が子どもたちの何か参考になればといって私の曽祖父の尋常小学校時代(明治23(1890年)、24(1891)年当時)の小試験得点表なるものをもってきた。
 年間5回程度行なわれるテスト毎の成績表で、今で言えば中間・期末テストの成績表の類であろう。
 修身・読書・作文・習字・算術・体操の6教科が対象で、それぞれ100点満点で合計点と平均点、席順(順位)が書かれている。
 私の曽祖父であるから成績は「中の中から中の上」といったところであろうか、客観的に云えばよく出来た「習字」以外は成績に波があって「もう少し頑張りましょう」という内容だ。やはり血は争えないものだと、私もしっかりそのDNAを引き継いでいることに感心した。
 さて、その成績表に「附言」がついていて、面白い内容のものがあったので紹介したい。

 「生徒ノ覚ユル力ハ限リアレバ復習ハ毎日一時間位ニテ止メラレタシ其余ハ無理ノミナラズ却(かえっ)テ心ヤ発育ニ害ニナリマス」

 (生徒の覚える力は限りがあるので、復習(勉強)はやっても毎日1時間程度で止めて下さい。それ以上やると心や発育に害になります。)
 ―「1時間以上の勉強をしてはいけない」と学校サイドがいっていると現在の子どもたちが聞いたらきっと嬉しがる内容ですね。しかし、こういった禁止をしなければならないほどに勉強をして身体を壊す人も大勢いらしたとのことでしょうか?



 「世ニハ学校ノ教ヘ方ヤ世話方ニ付兎ヤ角ト云ハルルモ却テ学校ヘハ其意ヲ通セラレヌ方多シ夫(そ)レハ到底(つまり)双方ノ不利益ナレバ爾来(じらい)若シ何ゾ御意見ノアリタラン砌(みぎり)ハ憚(はばかり)ナク書面或ハ口頭ニテ詳(つまびら)カニ御通知相成(あいなり)タシ」

 (世間には学校の教え方や指導方法についてとやかくいう方がいるけれども、その意見を学校に云ってこない方が多い。それは双方(不満をもっている人、学校)に不利益なので、今後は何かご意見があるときは、躊躇することなく書面か口頭で詳しく通知してください。)
 ―この一文を見て私は「教育ママゴン(死語?)」を思い出してしまいました。約120年前にも学校に対して“教育方法が悪い”“指導がなっていない”と文句を云う人がいたのですね。ある意味驚きです。


 この成績表を見ながらふとあることに気がつき心がブルーになった。きっと私の成績表も実家に残っているはずである。生きてきた証であるので安易に破棄するわけにもいかないので、そのままにせざるを得ない。
 今となっては手遅れではあるが、きっと私の子や孫たちが将来私の成績表をみて「爺さんも立派なことを云っているが、学生時代はこの程度だったのか」とコメントするであろう。

 「安易ニ他人ノ成績表ヲ見テ論評スルト却(かえっ)テ自ノ心ノ害ニナリマス」

 


 

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