「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

本質を見極める眼

2007-02-03 19:09:08 | Weblog
今年に入って不祥事やら事件が勃発している。
鳥インフルエンザ、大手ゼネコン談合、あるある大辞典捏造問題、栃木上都賀とちおとめ農薬9倍、国会議員の事務所費問題などきりがないぐらいである。
これらの事件や問題が根っこにある本質が論じられることや、指摘されることが極めて少ないと思っている。
上辺の状況だけでは再発を防止することはできないし、もっと大きな問題として降りかかってくる危険がある。
それぞれの本質はどこにあるのかを私なりに書いてみようと思う。

鳥インフルエンザ、私の小さいころどこの家でも鶏を飼っていた。朝、卵を探すのは私の役目でよく小さな庭を探し回った記憶がある、大切なお客さんがくると決まって飼っている鶏が一羽いなくなっていた。
卵をうむ鶏も肉を食べる鶏も同じ鶏であった。
宮崎で今回処分された鶏はブロイラーで食肉用、卵をうむ鶏は卵だけをうみ続ける、飼料も全部アメリカから、遺伝子組み換えも含まれはいってくる。
より早く、より大きくなるビタミン剤を与えられる、狭い鶏舎の中でマシーンのように大きく早くたった2ヶ月で食べられるようにする。
今回のウイルスも鴨が運んできた、もしくは野鳥が、免疫力のない鶏に移った時、強毒ウイルスが発生し鶏を殺して増殖する。
自然を壊し、食の安全より効率を重視した結果が出ているように思う。
昨年問題になった「BSE」も根っこは同じ問題のように思う。

ゼネコン談合事件は05年12月大手ゼネコン(鹿島・大成・清水・大林)が談合との決別宣言をした、しかし癒着した構造は温存されたままだった。
勿論天下りも温存されたまま、空極の談合と言われるのが発注官庁のトップと有力政治家が受注予定企業を指名する「天の声」。
一方では天下りで、片方で企業献金やパーティー券などで繋がっている。
正に、企業献金と天下り禁止政官財の癒着構造にメスを入れることが重要でこれができなければ談合など永久になくならないと思う。

「あるある大辞典」の捏造もひどいものでチェック体制もなく(見破れなかったと言うこと)何度も繰り返し捏造が行われていた。この本質がNHKも含め全てに基準は「視聴率」、番組の存続も、スポンサーへのコマーシャル料金も、ただ一つで唯一物差しである。
毎週1%下がった、1%上がったでしのぎをけずり、より刺激を求め、より興味をそそる話題を、より面白おかしく、そこにより真実を求める姿や、本質をえぐる観点や、ヒューマニズムを貫く姿勢は多くの番組から見受けることができません。
早くテレビが「視聴率」から開放されるよう、スポンサーも番組の質を求め、企業イメージやブランドを番組とどう作っていくかを考えてもらいたいと思う。
「シオノギ製薬」があまり視聴率にこだわることなく「ミュージックフェアー」を長年にわたり提供している姿を見ていると、シオノギという会社に安心感や信頼が増すように成り、それが真のスポンサーの姿だと思う。

上都賀のとちおとめ農薬9倍問題、食の安全をないがしろにした結果だと思う。
先日どうにもならない時に、スプレー菊の白を頼み、上都賀農協まで土曜日に東京から走った、1200本ぐらいだと思ったが、農協の担当に足元を見る商売をされた。
私も商売をして40年近くになるが、スプレー菊を135円で買わされたのは記憶にない、この商売の延長線上に今回のとちおとめ農薬9倍事件が潜んでいるように思う。
上都賀以外の栃木のイチゴ産地にも大変な被害が出ているようだが、どれだけの食の安全を考えてイチゴを作っているのかアピールをしてほしい。

国会議員の事務所費問題もその根っこには、表に出せない金の使い道。
口を開けば「政治には金が要る」といいながら国民の税金から政党助成金なるものを自分たちで決め、自分たちで分けている、この金額は政党助成金が始まって12年で4000億を超えている。
そのお金の使い道は当然何から何まで国民にわかるように報告するのは義務である。
企業献金もこれとの引き換えで廃止するといったのもうやむやに成ってしまった。
経団連が一昨年企業献金復活し、「法律をお金で買う」との事をまことしやかに噂されている。献金は個人献金に限って、政党助成金も廃止をして、国民の浄財だけで政治活動をすれば、不正なことは少なくなるように思う。

私たちが現象だけにとらわれることなく、その本質をしっかり見極めることが健全な社会を創っていく第一歩のように思う。