「縦横無尽」 フローレ21社長のコラム

花の仲卸フローレ21社長小池潔がつれづれに語ります 快調に更新中

仕事への心得

2010-11-28 20:21:09 | Weblog
フローレの各部門の「仕事への心得」が出来ました、世田谷店は卸部門、加工部門、小売り部門と3つに分かれているので3通りの心得がそれぞれの部門で完成。
ロジステック部門、大田店、管理経理部門あわせて6部門の「仕事への心得」。

どれも良く出来ている、部門によって8か条だったり12か条うだったり、全員で作り上げました。
いくらよく出来ていても飾り物になったのでは意味がありません、週一回の部門会議の冒頭で、大きな声で読み合わせも実施することになりました。
繰り返し繰り返し読むことで「仕事への心得」が身についてきます、しかしそれだけでは不十分なので「仕事への心得推進委員」なるものを提案し決めさせていただきました。、会議の中で「仕事への心得」が毎日の仕事の中で出来ているか?不十分な点は?改善を重ね一歩一歩完成へと近づける役割を担っています。

「仕事への心得」どの部門もその真髄は、お客様とのコミニケーションです、これはまず挨拶からはじまります。

世田谷市場が開場して3年間、仲卸店頭へコーヒーを売りに来ていた、「ホセ」という名のバングラディシュから来た男がいました。
彼はコーヒーとパンを数時間で多いい時には5万円も売り上げていました、彼の威勢のよい「おはようございます」「ありがとうございました」が店頭から聞こえてくると、元気が湧き出てくる思いがしたものでした。
その彼が私にこういいました「僕は世田谷に来ている人、全部に挨拶をしています」「挨拶をすると、返事のない人も笑ってくれたり、手を上げてくれたり、いろいろですが、3年たってあと3人どうしても答えてくれないお客さんがいます」「でも、必ず挨拶が返ってくるまで頑張ります」こういって彼は笑っていました。

市場に来てくれたお客様に、気持ちよく買い物をしていただく。
どこの店で買っていようと、全てのお客さんに「元気と、感謝を込めて」挨拶をする。
これを全ての仲卸のスタッフが出来たら、お客様は、何と気持ちのいい一日の始まりを迎えられることでしょう。

世田谷店「仕事の心へ十二か条」の9番目に「全てのスタッフは一人一人のお客様全てに『おはようございます』『ありがとうございました』お客様の数だけ言えてるか?」
12番目は「笑顔の絶えない職場をめざす」

このような売り場が一日も早く来るよう、私も頑張りたいと思います。

バレンタイン

2010-11-27 15:45:03 | Weblog
ハリウッドで製作された「バレンタインディー」という映画が、今春日本で公開されました。この映画はロサンゼルスを舞台に、恋愛と完璧なバレンタインを求める老若男女15人の愛の行方を描くラブストーリーです。
バレンタインは日本を除く世界中で「花屋」が主人公となる日です、この映画でも花屋と花が愛のキューピットとなりいくつもの愛が芽生え、愛が深まり、愛が燃え上がります。

来年の2月14日のバレンタインは様相が少し変わります、「本物のバレンタインはじめよう」という業界初の統一キャンペーンが決まりました。
チョコレートでなく男性から女性に花を贈る本物のバレンタインディーを目指す取り組みです。

日比谷花壇、青山フラワーマーケット、JFTD、日本フローラルマーケティング協会、日本花普及センターなどで構成するフラワーバレンタイン推進委員会なるものが出来、推進委員長を青フラの井上社長が引き受けました。

この組織は単年度で終わるのではなく、また単年度の成果だけを求めるのではなく、息長くバレンタインに男性から女性に花を贈る習慣を根付かせようという取り組みです。

勿論、街のお花屋さんがこのキャンペーンに参加したいと思えば参加費(一万円)を払えば先に紹介した映画「バレンタインディー」のDVD、ポスター2枚、バレンタイン参加キットが供給されます。

このキャンペーンに参加するのは小売店だけでなく、この取り組みに共感する、支援しようと思う団体企業も一体となり推進します。
仲卸の組合でもあります、全国花卸協会も支援団体として協賛する予定です。

「本物のバレンタインはじめよう」は花業界は「チョコレートではなくバレンタインは花でしょう」と悔しい思いを強いられてきた、物日でした。
そういう意味では時機を得た取り組みですが、私達、花を供給する側は世界中で需要が勝り、供給が不足します。
今までは世界で唯一、バレンタインにもかかわらず急激に赤いバラの値段が上がらなかった国です。
今回のキャンペーンでも花の種類や、花の形状を問わず、各個店がそれぞれで工夫して男性から女性に花を贈ってもらうプロモーションをすることと成っております。

花を買って贈った男性、花を贈られた女性が「贈って良かった」「贈られて嬉しい」と思ってもらえる花を供給する責任がわれわれにあります。
本当に根付いていて行くには「本物の花」を売らなければならない。

バレンタインの主役が「花」監督演出が「花屋」、私達も脇役で頑張れる、そんなバレンタインが来ることを願い、出来ることからはじめます。


「TPP」

2010-11-07 11:48:51 | Weblog
「TPP」という聞き慣れない言葉が連日新聞をにぎわせています。「環太平洋戦略的経済連携協定」わけのわからない長い名称です。
太平洋を取り巻く9カ国で広域的な自由貿易協定を目指す取り組みです。この協定は全ての関税を撤廃することが柱となっております。

10月27日、農林水産省は関税が撤廃されたら日本農業にどのような打撃をこうむるか試算を発表しました、食料の国内自給率は現在40%が、14%に低下、雇用が340万人減少するとしています。
米は新潟のコシヒカリや、有機米といった有名ブランドのみが生き残り(生産量の10%)壊滅的状況が生じるとしています。

現在の米の値段はお茶碗一杯の御飯がおよそ20円、TPPで関税が撤廃されると一杯5円ほどに下がります。

「安くて、良いものはよその国から買えばよい」「世界はグローバル化され、競争の中で生き残れなければ淘汰されるのは当然」「日本の農業もグローバル化された国際社会で、競争力をつけなければいけない」
このTPPの狙いの本丸はどこにあるのでしょう、日本の経済界はアジアで生産して欧米へ売る「サプライチェーン」(供給網)を制度化するといわれています、生産拠点を安い労働力のアジアへ移し、結果として国内の産業の空洞化を起こします。


この問題は農業をどのように保護をするかという問題ではないと思っています、食料自給率が14%にも落ち込むということは、国民の食料・命にかかわる問題です。

日本で生産される農作物はコストがかかります、そのコストは、自国の食糧を供給することと、安心安全な食糧、田んぼがはたしている限りない豊かな自然と多様な生態系、国内の農業が400万人の雇用を創出していることとあわせて、考えてみるなら、そんなに高いコストでないような気がします。

日本人は「グローバル」という言葉が大好きです、グローバル化が、私達の幸せを運んでくるかのように言われます。
国際社会、そして日本はますますグローバル化していくでしょう、しかしグローバル化された社会の中にも秩序や規制が必ず必要です。
多国籍企業の無責任な活動、地球環境を壊すような動き、食糧主権の尊重などグローバル化される中で構築されなければならない課題です。

私は「一杯の御飯が20円、それがさまざまな日本を支えるコストなら高くない」と思ってます。
日本の農業が衰退することは何も農業だけが衰退することでなく、食料加工、地域産業、そして地域の小売業やサービス業まで低迷し、地域全体がさびれていく要因となります。