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木材腐朽菌のはなし その2

2009年09月23日 | きのこ ゼミ 情報メール
今回は、木のはなしです。

面白いことに、白色腐朽菌は77%が広葉樹に生えて、褐色腐朽菌は66%強が針葉樹
に生えます。
逆に言うと、
広葉樹は白色腐朽されやすくて、針葉樹は褐色腐朽されやすいということです。

これはどういうことでしょう。
広葉樹と針葉樹の違いは何でしょうか?

広葉樹は、被子植物。針葉樹は、裸子植物。
これは関係ありません。

広葉樹は、葉が広い。針葉樹は、葉が細い、針状。
これも関係ありません。

前回お話ししたように、腐朽材の色は木の成分と関連があるということは、広葉
樹と針葉樹では成分が異なるということです。
主に、リグニンの違いが考えられます。
ちょっと専門的になりますが、針葉樹のリグニンはグアイアシル型リグニンが
100%であるのに対して、広葉樹のリグニンは、グアイアシル型リグニン
30%とシリンギル型リグニンが60%強でできあがっています。
グアイアシル型リグニンの方が化学的に密度の高いネットワークを形成している
ので、グアイアシル型リグニンの多い針葉樹の方が腐朽されにくい性質を持って
います。
建築材に杉や檜が使われているのは、木材が通直であるだけではなく、腐りにく
いということもあるのです。
このため、白色腐朽菌が針葉樹を腐らせようとしても、リグニンが分解されにく
いため、白色腐朽しにくいということが考えられます。
逆に、褐色腐朽菌はリグニンを分解する必要がないので、腐らせにくい針葉樹で
も栄養にできるということです。

その結果、褐色腐朽は針葉樹でよく見られます。
(以下は非公開。きのこ情報メールで配信済)

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