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水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-1

2013年04月01日 | きのこ ゼミ
 きのこの顕微鏡観察では水酸化カリウム(苛性カリ)が使われます.しかし,水酸化カリウムは劇物であり,アマチュア研究者では入手できません.
 一方,水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は劇物ではあるものの,薬局などでは身分証と印鑑を持っていけば購入可能です.

 以前から,水酸化カリウムが入手できないなら,水酸化ナトリウムで代用できないかと思ってました.

 先日,こういうことに詳しいS氏に訊くと,
「水酸化ナトリウムはガラスを溶かすからダメです.水酸化カリウムなら大丈夫」
と答えてくれました.

 ん?
 水酸化ナトリウムはガラスを溶かすが,水酸化カリウムはガラスを溶かさない・・・?

 ちょっと待て.
 水酸化ナトリウムと水酸化カリウムはそんなに性質は変わらないぞ.
 むしろ,アルカリとしては水酸化カリウムの方が強いはず.
 水酸化ナトリウムの方がガラスを溶かす理由として考えられるのは,ナトリウムイオンがカリウムイオンより小さいから,ガラスの分子の結合の中に入っていって溶かす・・・のか?

 イオン半径は検索すると見つかるのですが,大体が固体中の値なので参考程度に掲載しておきます.
  Naイオン 0.99-1.39オングストローム
  Kイオン 1.33-1.64オングストローム
(単位がオングストロームだとひく人がいるだろうな)

※水溶液中のイオン半径をMOPACで計算してみたけど,上の値と随分違うので間違っているかもしれないのでここには書きません.

 確かにKイオンの方が大きい.
 これに加えて,電子の軌道が違うのでそれが影響しているのかもしれない.
  Naイオン 2p6
  Kイオン 3p6

 さて,論より証拠で試してみた.

(続く)