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水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-補足

2013年04月19日 | きのこ ゼミ
 実験用ガラス器具の洗浄にアルカリバスという液体を使用します.
 これは,水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムをメタノールやイソプロパノールに溶かして作った液体です.
 アルカリ濃度は適当ですが,大体5%より濃いでしょう.
 この洗浄液は,強力に汚れを洗浄してくれるのですが,ついでにガラスも溶解します.
 高分子フィルムをガラス板で作る時(赤外線スペクトル測定用),ガラス表面をアルカリ性メタノールで拭くと平滑になって便利です.これと同じです.(ただし,素手では扱えない)

 『アルカリバス』で検索すればわかりますが,水酸化ナトリウムでも水酸化カリウムでもガラスを溶かします.
 つまり,「水酸化ナトリウムはガラスを溶かすが水酸化カリウムはガラスを溶かさない」という説明が間違っていることがわかります.
 どちらを使っても,濃度が高ければガラスを溶かすということです.
 ほとんど都市伝説のようですね.

水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-4

2013年04月14日 | きのこ ゼミ
結論

『5%濃度であれば水酸化ナトリウムはスライドガラスに対して水酸化カリウムと同じような作用しか及ぼさない』


 もっと長時間ならガラスの表面を溶かすため,散乱が生じるかもしれません.
 ただそれはどちらを使っても同じだと思います.
 この実験でも表面に微細な傷ができているかもしれませんが,分子レベルの傷なら顕微鏡観察にはそれほど影響はないように思えます.

 今回使ったスライドガラスは硬質ガラスという種類です.

(硬質ガラスは側面が青っぽく見えます)

 もしかすると昔はもっとガラスの質が悪くてアルカリで数回使うとすぐに表面の劣化が起こったのかもしれません.
 硬質ガラスだとこのくらいの使い方ならそれほど問題はないようです.

 それでも薄いカバーガラスなら影響が出てくる可能性はあります.
 S氏は,カバーガラスは使い捨てを勧めていたので,特にアルカリを使った場合は絶対に使い捨てにするべきです.
 今回でも,24時間放置した後のカバーガラスには,白い粉のような染みが残りました.これは水で洗っても取れませんでした.

 ただし,この白い染みは水酸化カリウムの場合に見られたものです
 たまたまかもしれませんが,水酸化カリウムを使えば大丈夫というものではなさそうです.

 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を代用として使用することは可能ですが,研究として使用するのであれば定法である水酸化カリウムを使いましょう.
 水酸化カリウムが手に入らず,アンモニア水だとよくわからない,という時にだけ使用することをお勧めします.
 なお,水酸化ナトリウムも水酸化カリウムも5%でも大変危険です
 使用法がわかっていない人,ならびに応急処置を知らない人は使ってはいけません.

 ちなみに,4%酢酸は中和のために使ってますが,この濃度は食酢に合わせました.
 アルカリの付着したスライドガラスの表面の中和に使えるでしょう.
 家庭の食酢は糖分やアミノ酸なども入ってますので,放置しておくと何か得体の知れないものが発生するかもしれませんのでご注意下さい.

(おしまい)



水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-3

2013年04月12日 | きのこ ゼミ
 さて,結果です.

 2時間放置は観察に要する時間を想定しています.実際には光が当たるので温度が上がるのですが,この実験では20℃くらいで放置していました.
 24時間放置は,「あ~片付けるの忘れてた~」,とよくやる場合を想定しています.
 その結果はどうなるのか.
 スペクトルの比較をしてみます.

 5%水酸化カリウムの場合
  放置前 → 2時間放置




  放置前 → 24時間放置




 350nm以下の波長域は,ガラスの吸収を示していますのであまり気にしなくて構いません.
 そうすると,変化はない.
 水酸化カリウムはガラスに何の影響もない,と言えるかもしれません.


 5%水酸化ナトリウムの場合
  放置前 → 2時間放置




  放置前 → 24時間放置




 変化がない・・・
 水酸化ナトリウムでもガラスに影響がない,ようです.

 今回の測定は,可視範囲のスペクトルをスライドガラスに対して垂直に測定していますので,散乱・回折・干渉といった変化は検出できていません.
 でも表面が溶けていれば散乱が増えるため,スペクトルに乱れが生じるはずです.
 一応顕微鏡で覗いてみましたが,特に変化はないようです.

(続く)

水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-2

2013年04月07日 | きのこ ゼミ
実験

1 顕微鏡観察をする時のように,スライドガラスに蒸留水をたらし,カバーガラスをかぶせた.
2 この状態で分光光度計でスペクトル測定を行った.
3 蒸留水をろ紙で吸い取った後にカバーガラスを外し,5%水酸化カリウム水溶液または5%水酸化ナトリウム水溶液をたらしてから,またカバーガラスをかぶせて,乾燥しにくいように容器に入れ,2時間放置と24時間放置を行った.
4 放置後,水洗してアルカリ液をできるだけ除去してから,4%酢酸水溶液につけて24時間放置した.
5 1と同じように蒸留水を使って分光光度計で測定を行った.

 スキーム

 スライドガラス+水+カバーガラス ――――→ 測定1
         ↓
 スライドガラス+5%アルカリ水溶液+カバーガラス
   ※5%アルカリ水溶液:5%水酸化ナトリウムまたは5%水酸化カリウム
         ↓
   2時間 または 24時間 放置
         ↓
   水でアルカリを洗浄・除去
         ↓
    4%酢酸に24時間浸す
         ↓
       水で洗浄
         ↓
 スライドガラス+水+カバーガラス ――――→ 測定2,3
   ※測定2は2時間放置の場合,測定3は24時間放置の場合

(続く)


水酸化ナトリウムは水酸化カリウムの代わりにならないのか-1

2013年04月01日 | きのこ ゼミ
 きのこの顕微鏡観察では水酸化カリウム(苛性カリ)が使われます.しかし,水酸化カリウムは劇物であり,アマチュア研究者では入手できません.
 一方,水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は劇物ではあるものの,薬局などでは身分証と印鑑を持っていけば購入可能です.

 以前から,水酸化カリウムが入手できないなら,水酸化ナトリウムで代用できないかと思ってました.

 先日,こういうことに詳しいS氏に訊くと,
「水酸化ナトリウムはガラスを溶かすからダメです.水酸化カリウムなら大丈夫」
と答えてくれました.

 ん?
 水酸化ナトリウムはガラスを溶かすが,水酸化カリウムはガラスを溶かさない・・・?

 ちょっと待て.
 水酸化ナトリウムと水酸化カリウムはそんなに性質は変わらないぞ.
 むしろ,アルカリとしては水酸化カリウムの方が強いはず.
 水酸化ナトリウムの方がガラスを溶かす理由として考えられるのは,ナトリウムイオンがカリウムイオンより小さいから,ガラスの分子の結合の中に入っていって溶かす・・・のか?

 イオン半径は検索すると見つかるのですが,大体が固体中の値なので参考程度に掲載しておきます.
  Naイオン 0.99-1.39オングストローム
  Kイオン 1.33-1.64オングストローム
(単位がオングストロームだとひく人がいるだろうな)

※水溶液中のイオン半径をMOPACで計算してみたけど,上の値と随分違うので間違っているかもしれないのでここには書きません.

 確かにKイオンの方が大きい.
 これに加えて,電子の軌道が違うのでそれが影響しているのかもしれない.
  Naイオン 2p6
  Kイオン 3p6

 さて,論より証拠で試してみた.

(続く)

肥料となった廃菌床の取引きに一廃許可は不要?

2012年11月07日 | きのこ ゼミ
 新規事業の法律面で行き詰まっておりご相談します。
 Aが排出するきのこ廃菌床をBが買い、バイオマス固形燃料を作る計画を立てました。当県ではきのこ工場から出る廃菌床は事業系一般廃棄物となっており、当市の担当者に相談したところ「たとえ有償で廃菌床を買うとしても廃棄物だから許可が必要。だが一廃の許可は絶対に出さない方針」といわれてしまいました。(県にも相談に行きましたが市町村の判断に委ねるということで回答なし)

 そこで回避策(もちろん法に適ったもの)として、

1.廃菌床の排出事業者(=A)が自ら作ったボカシ肥料をBが有償で購入するのであれば一廃の許可は不要でしょうか。
この肥料は特殊肥料として登録されているもので肥料販売業の届出もされています。トン1万円前後になろうかと思います。

2.毎日7トンの肥料を加熱圧縮加工してバイオマス固形燃料を製造する場合、廃棄物でなければ処理施設として「1日5トン未満処理」の基準に抵触しないと考えて良いでしょうか。

3.Bが下取りとして廃菌床(肥料ではない)を回収する行為には一廃の許可は不要とききましたがもし不要なら、AとBの市町村が異なっていても不要でしょうか。

 この他にも気をつける点、落とし穴がありましたらご教示ください。

○回答はこちら↓
 EICネット 環境Q&A