内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

明日、その明るい未来を想像するのが困難な国へと帰る「あやうい」日本の私

2020-01-07 23:30:30 | 雑感

 明朝帰仏の途に着くので、今日が日本で過ごす冬休みの最終日だった。年末年始二週間の滞在だったが、特にどこかに小旅行するでもなく、人に会いに出掛けることも今回は最小限にし、妹夫婦の家でのんびりと過ごすことができた。大学関係のメールが四日から入りはじめ、それに応えていくうちに頭は徐々に仕事モードに切り替わりつつある。今のところ、幸いなことに、「想定外」の事態で慌てふためくということもない。
 ただ、一つ業腹なことがあった。 三日にSNCFから「あなたが予約した八日のTGVは、大変申し訳ございませんが、ストライキのために運休になりました。つきましては、弊社のサイトで代替列車をできるだけ早くお探しなるか、キャンセルなさるようお勧めします。追加料金が発生しない列車もございます。もちろんキャセル料は発生いたしません」という内容の慇懃無礼かつ厚顔無恥この上ないメールが届いた。これが同日の別列車に替わるだけなら、まあそう大して腹も立たない。ところが、私が予約していたTGVは、飛行機の到着時刻後にその日のうちにストラスブールに帰れる唯一の列車で、それが運休するということは、その日のうちにはストラスブールに帰れないということであり、したがって、空港付近かパリで一泊しなくてはならないということなのである。しかも、そのホテルを探すのも、宿泊代を払うのも私なのである。
 公共交通機関において利用者にかくも多大な不利益を与えるようなことが当然のごとくまかり通る国の明るい未来を想像するのは、私のような貧弱な想像力しか有たず、選挙権もない外国籍フランス国家公務員には難しい。一方、自分の母国の未来を思うとき、そこにもまた「あやうさ」を感じないではいられない私ではある。