
春は
みんな
下手っぴサン
窓の外
不揃いに
聴こえてくる
通学路の笑い声
庭先の樹に
けたゝましく
報告し合う
ハミングとは呼べぬ
若鳥の囀り
シンボルツリーの
花水木は
いつも
不恰好に
苞をくねらせ
手の内を明かす
ハムエッグは
たまに潰れて
珈琲は
時々
濃すぎて
ミルクを入れないと
飲めなかったり
新しい季節は
見知らぬ子どもたちも
木々も
花々も
鳥も
ワタシも
下手っぴサン
つい
浮かれちゃうんだろうな
つい
はしゃいじゃうんだろな
春はみんな
下手っぴサン
いつのまにか
何食わぬ顔で
なんなく
遣り熟したりしても
忘れたくないよね
そんな
下手っぴサンの頃を
ただ
愉しいんだもの
ただ
うれしいんだもの
始まりは
みんな
下手っぴサン