マイスターのお道具箱

ドイツに住むピアノ技術者、ーまーのブログ

同窓 師弟 兄弟子 

2008-03-16 | 愉快な仲間たち
 
 アインシュタインが特に一般的に有名ですが オーム、ガウス、レントゲン、ヘルムホルツ、プランク、ヘルツ……
ドイツは今までに多くの天才学者を生み出しました。

  
Braunschweigにある Physikalisch Technische Bundesanstalt(PTB) 物理工学連邦研究所に
太博士を訪ねました。
研究所は広大な自然公園のような敷地に各施設の建物が点在しています。
戦時中、飛行機の実験のために作られた滑走路が残っていたり、物体の自由落下を計測する背の高い塔も見えます。
太博士が実験されている研究棟は見るからに精度の良さそうな測定機器や計算機が置かれており、訳もわからずスイッチやキーボードを触りたくなる衝動に駆られました。


 
 ーまー親方がピアノ技術の基礎を勉強させてもらった国立音楽大学の調律科(以後略して国調)の後輩に当たるのが太博士。後輩なんて言う呼び方はかなり失礼かも知れませんね。
博士は旧東ドイツのピアノ工場でピアノ制作者の資格も取得しておられるので「調律もできる物理学者」なんてユニークな感じですが、「太博士、是非あなた様の頭脳を貸しておくれやす!」と、このドイツが誇る研究所から依頼を受け、4ヶ月間滞在されているそうです。
 オーケストラの練習中、金管楽器や打楽器の大音響(騒音)はその前に座る木管や弦楽器族の難聴を引き起こす恐れがあります。それを緩和させるための防音壁を物理工学的に研究実験し、理想的な装置を考え出すことが現在の博士のお仕事だそうです。



 今回、国調 で後進の指導に当たられておられるO2さんがドイツに来られ、博士を訪問すると言うことだったのでカナッペ(彼らお二人の直の元生徒になる)を引き連れて同行させていただいたというシチュエーションです。ちょっとわかりにくい書き方でごめんね。

この道中、O2さんといろんなことを話す機会を得ることができました。
同じ国調出身、そして東京の同じピアノ工房で修行した経験のある二人の話は尽きませんでした。
また、僕のような末端ピアノ技術者の思いや、後進指導への期待や要望などを直接お伝えできたことは有意義なことだったと思います。 ーまー