昨日は「高津の富亭」へ。
扇町にいたので堺筋線で移動したのだが、
長堀橋から歩くとけっこうある。
今度は日本橋から行こう。
高津神社の公園では花見をしている人が大勢。
その間を通るときに「玄伯老、足は草臥れやせんか」とか
「桜は気ぜわしのうてどんならん」などと
科白を思い浮かべてしまうのは、
何かに毒されているのだろう。
ちょっと早めに荷物だけ置いて、
いつものように高倉さんにお参り。
「開口0番」は上の娘さんが大学を卒業して就職した、といった話など。
そうかあ。
私が「一目上がりの会」などで文太を見ていた頃は、
小学生でCBカレッジの受付にいたから、
時の流れは早いものだ。
そう考えると、声も芸風もあまり変わらない文太は凄いのかも知れん。
「延陽伯」(文太):△+
マクラは自分の嫁さんの話など。
繰り返しネタだが、ちょっと数が多いかな。
ネタは、まあ普通。
風呂場のノロケはあまり発散せず。
もう少し派手にやっても良いと思う。
やもめの独り喋り、嫁さんが話すところを演者自身が楽しくやっている。
そのあたりの楽しさが客にも伝わって良い。
サゲを変えていた。
サゲの科白そのものは良いと思うが、
持っていき方が少しごちゃごちゃする感じ。
「江戸荒物」(文太):○-
よくやる東京・大阪比較マクラ。
「きりわら/たわし」の呼び名が違う、はダイレクトにはマクラで言わず、
「いかき/ざる」「おうこ/てんびんぼう」だけ言っておいて
後は「他にもあるだろう」と客に想像させる感じ。
これくらいの説明でいいだろう。
飛び込んでくる男の叫びが楽しそう。
このあたり、理屈でなく、音の響きなどで演者が楽しめば良いと思う。
荒物屋の客は4人。
特に、最初の客に対して委細構わず叫ぶところが楽しい。
2人目の「炭屋」との会話は
「教えてもらったことをそのまま言うとずれる」話で、
面白いには面白いが、少しウケの種類が違う。理に詰んだ感じ。
3人目の江戸っ子はあっさりと。
もう少し威勢が良くないと「押されて何となく売ってしまった」感じが出ない。
ただ4人の客で流れを作っていくのであれば、あまり濃くできないのかも知れない。
4人目の女子衆はもっと派手な方が良い。
全体に音の響き、リズムが楽しいネタで、
演者によく合っていたと思う。
「野崎詣り」(福矢):△-
久し振りに見た。
少し太ったが、目つきと姿勢の悪さは相変わらず。
マクラは鶴瓶独演会のお手伝いとして行った時の話。
若手の落語家の名前を出してウケるのは、
客がそこそこ落語を聞き慣れているこの会だからこそ、ではある。
そうでなければ、こんなマクラは振らないだろうが。
ネタは、ほぼ3代目の科白どおりやっているのだが、
この人のガラの悪さと相まって「物見遊山」のホワッとした雰囲気が全くない、
ギスギスした感じになってしまっている。
この人の人間性が出ている、とまでは言わないが。
3代目の科白そのものは決して上品ではないので、
この人がやるならば少し科白を変えた方が良いと思う。
上下がいい加減。
棒杭を突く所、いったい誰がどちらを向いているのか分からん。
全体に、上・下それぞれで体勢が安定せず、流れ気味。
いくつか受けんがための小ギャグを入れていた。
まあ、悪くはないが、全体の流れに寄与するものでないところが不満。
「閻魔堂奇譚」(文太):△+
京都で子どもの頃に聞いた怖い話をいくつか振り、
怪談調のネタに入っていく。
ネタは基本、「牡丹灯籠」とほぼ同じ設定かな。
「下駄の音」や「向こうが透けて見える」とか。
若侍が惚れた女(お里)が実は妹だった、と言われた後は
「道ならぬ恋だった」ことを
もう少し濃い目に伝えた方が良いと思う。
文太はさらっとした口調なのだが、
こういった話を淡々と語る時に
その背景の不気味さ、奥深さを気で伝える力があると感じる。
お里の幽霊が若侍に話し掛ける時の口調に
微妙に「この世のものでない」雰囲気が出るところが流石。
筋としては、白蛇が出てくるところ辺りからがあまり良くない。
結局は閻魔堂の由来、みたいな話になるのだが、
前半の雰囲気ならば幽霊を出して、若侍を取り殺す、といった筋にも
出来そうな気がする。
まあ、時間の加減で変えたのかも知れないが、
竜頭蛇尾、という感じ。
16時前に終演。
時間的には間に合ったが、
さすがに疲れたので文楽劇場へは行かずに、帰りました。
扇町にいたので堺筋線で移動したのだが、
長堀橋から歩くとけっこうある。
今度は日本橋から行こう。
高津神社の公園では花見をしている人が大勢。
その間を通るときに「玄伯老、足は草臥れやせんか」とか
「桜は気ぜわしのうてどんならん」などと
科白を思い浮かべてしまうのは、
何かに毒されているのだろう。
ちょっと早めに荷物だけ置いて、
いつものように高倉さんにお参り。
「開口0番」は上の娘さんが大学を卒業して就職した、といった話など。
そうかあ。
私が「一目上がりの会」などで文太を見ていた頃は、
小学生でCBカレッジの受付にいたから、
時の流れは早いものだ。
そう考えると、声も芸風もあまり変わらない文太は凄いのかも知れん。
「延陽伯」(文太):△+
マクラは自分の嫁さんの話など。
繰り返しネタだが、ちょっと数が多いかな。
ネタは、まあ普通。
風呂場のノロケはあまり発散せず。
もう少し派手にやっても良いと思う。
やもめの独り喋り、嫁さんが話すところを演者自身が楽しくやっている。
そのあたりの楽しさが客にも伝わって良い。
サゲを変えていた。
サゲの科白そのものは良いと思うが、
持っていき方が少しごちゃごちゃする感じ。
「江戸荒物」(文太):○-
よくやる東京・大阪比較マクラ。
「きりわら/たわし」の呼び名が違う、はダイレクトにはマクラで言わず、
「いかき/ざる」「おうこ/てんびんぼう」だけ言っておいて
後は「他にもあるだろう」と客に想像させる感じ。
これくらいの説明でいいだろう。
飛び込んでくる男の叫びが楽しそう。
このあたり、理屈でなく、音の響きなどで演者が楽しめば良いと思う。
荒物屋の客は4人。
特に、最初の客に対して委細構わず叫ぶところが楽しい。
2人目の「炭屋」との会話は
「教えてもらったことをそのまま言うとずれる」話で、
面白いには面白いが、少しウケの種類が違う。理に詰んだ感じ。
3人目の江戸っ子はあっさりと。
もう少し威勢が良くないと「押されて何となく売ってしまった」感じが出ない。
ただ4人の客で流れを作っていくのであれば、あまり濃くできないのかも知れない。
4人目の女子衆はもっと派手な方が良い。
全体に音の響き、リズムが楽しいネタで、
演者によく合っていたと思う。
「野崎詣り」(福矢):△-
久し振りに見た。
少し太ったが、目つきと姿勢の悪さは相変わらず。
マクラは鶴瓶独演会のお手伝いとして行った時の話。
若手の落語家の名前を出してウケるのは、
客がそこそこ落語を聞き慣れているこの会だからこそ、ではある。
そうでなければ、こんなマクラは振らないだろうが。
ネタは、ほぼ3代目の科白どおりやっているのだが、
この人のガラの悪さと相まって「物見遊山」のホワッとした雰囲気が全くない、
ギスギスした感じになってしまっている。
この人の人間性が出ている、とまでは言わないが。
3代目の科白そのものは決して上品ではないので、
この人がやるならば少し科白を変えた方が良いと思う。
上下がいい加減。
棒杭を突く所、いったい誰がどちらを向いているのか分からん。
全体に、上・下それぞれで体勢が安定せず、流れ気味。
いくつか受けんがための小ギャグを入れていた。
まあ、悪くはないが、全体の流れに寄与するものでないところが不満。
「閻魔堂奇譚」(文太):△+
京都で子どもの頃に聞いた怖い話をいくつか振り、
怪談調のネタに入っていく。
ネタは基本、「牡丹灯籠」とほぼ同じ設定かな。
「下駄の音」や「向こうが透けて見える」とか。
若侍が惚れた女(お里)が実は妹だった、と言われた後は
「道ならぬ恋だった」ことを
もう少し濃い目に伝えた方が良いと思う。
文太はさらっとした口調なのだが、
こういった話を淡々と語る時に
その背景の不気味さ、奥深さを気で伝える力があると感じる。
お里の幽霊が若侍に話し掛ける時の口調に
微妙に「この世のものでない」雰囲気が出るところが流石。
筋としては、白蛇が出てくるところ辺りからがあまり良くない。
結局は閻魔堂の由来、みたいな話になるのだが、
前半の雰囲気ならば幽霊を出して、若侍を取り殺す、といった筋にも
出来そうな気がする。
まあ、時間の加減で変えたのかも知れないが、
竜頭蛇尾、という感じ。
16時前に終演。
時間的には間に合ったが、
さすがに疲れたので文楽劇場へは行かずに、帰りました。