昨日は夜、繁昌亭へ。
「上方落語まつり」に呼ばれなかった、という怒りから繁昌亭を予約した生喬が、
同じように呼ばれなかった人に声を掛けた会。
前日に「ぴあ」でチケットを購入したのだが、整理番号がまだ２桁で、
売れていないのかな、と思ったら案の定。
２階は閉めていた。
客はざっと６０人くらいかなあ。
それでも生喬は「こんな入るとは思っていなかった」と言っていた。
「牛ほめ」（生寿）：△＋
最初の「さぁこっち入んなはれ」から生喬の発声っぽい。
表情付けに頼る感じはあるが、アホの雰囲気は良い。
ツッコミの押し・引きのバランスも良く、まあ悪くない前座。
池田のおっさんが「普請したこと、まだ誰にも言っていないはずなんやが」と言っているが、
甚兵衛さん？は寄っているから知っているよなあ。
このあたり矛盾する気がするのだが、池田のおっさんが忘れているだけなのかな。
「号外」のギャグを抜いても、この科白外しても良いのでは？と思ってしまった。
最後牛はババではなく屁をこく。
ババよりは汚くないが、
「屁除け魔除け」に近過ぎる感じもして、良し悪しと思う。
「トラうどん」（生喬）：△＋
マクラは「上方落語まつり」を巡る話。面白かった。
文我は文我で翌日（今日やね）太融寺で落語会をやるが、
それは前売で１００枚捌けているらしい。
ネタは
（このネタを見るのが初めてでない自分がイヤなのだが）
オールナイトで見た時ほど良いとは思えなかった。
一つは動楽亭と繁昌亭の広さ・雰囲気の違い、
あとはオールナイトはもう皆飲んでいる状況で、
けっこう勢いで進めていたのが良かったのだと思うが、
昨日はそうではなかった、というところ。（オールナイトの時は、私自身飲んでいたし）
「マサイ族」や「アボリジニ」やらが次々と出てくるのだが、
その「次々出てくる」重なりが弱かった。
３００円誤魔化そうとしたときに飛んでくる吹き矢も、
どうも伝わらなかった感じがする。
細かいギャグは追加されていたようで、それは決して悪くないが。
「舟弁慶」（たま）：○
マクラは、これも「上方落語まつり」など。その他裏話。
生喬や生寿が言ったことを伝えているだけ、というスタンスではあるが、
そのチョイスが素晴らしい。
「言ってはいけないこと」を言っているレベルでは、生喬より酷い。
本人は「悪口は言っていない、感情を入れずに事実を言っているだけ」という
スタンスに見えたが。
あと、マクラでこのネタを「大阪のおばちゃんネタ」と言ってしまうのは、
まあ、一つの手ではあるが、
若干卑怯かな、という気もしないではない。
ネタは、喜六をアホにしない演り方。
初めて見たが、これはこれで良いと思う。
けっこうそれで一貫して作られており、
例えば「誰が旦那か知らんがあんじょう礼言うといてぇな」とか言わないし、
後の通い船に清八が祝儀を切ったときに、自分にも礼を言わせる、なんてこともしない。
雀のお松は早口で話す、と言うよりはオーバーアクションで、
間髪入れずに話し続ける、という感じ。
「息子自慢」の話など膨らませていた。
「おとくさん」（だったか）が何も言えなかった、みたいなことを地で言ったが、
これは入れない方が良いと思う。
「おとくさん」とて「大阪のおばちゃん」であり、
この地の文を入れると「お松つぁん」だけが特別な感じがしてしまう。
戻って喜六を責める。
清八を「仕事をしていない、髪結の亭主」と言うのはどうかな。
後で清八が船頭に「こっちも毎日働いている」と矛盾する気がする。
それに、清八とて普段は（何をしているか分からんにしても）働いており、
たまの休みで散財している、とした方が良いと思うのだがな。
「紙屑亭主」を出したいために、というのは分かるのだが。
「焼き豆腐」は激しくて、面白かった。
舟の中でご馳走を並べさせた時に「焼き豆腐は要らんわ」も自然で良い。
通い船の漕ぎ方が少し変わっている。
２度目（お松つぁんを乗せる時）はそれを激しくしてウケをとっていた。
サゲは「祈り」ではなく、お松つぁんが足（泣き所）を船べりで打って
「弁慶が、弁慶が」と言って、という流れ。
個人的には「祈り」のバカバカしさは好きなのだが、
まあ、伝わりやすさを考えると「弁慶の泣き所」が良いかな。
「桜の宮」（まん我）：△＋
マクラは、前の２人から比べれば、まあ普通。
このネタ、生で見るのは初めてかも知れない。
個人的には、最初から「趣向」をやるつもりで、「どんな趣向をするのか話し合う」
発端の方が好み。
「趣向をするの？」みたいな会話は流れにとってプラスになるとは思えない。
練習の場面など、けっこうクサくやっているが、
そうしないとダレるから仕方がないのかな、とも思う。
全体に、あまりネタの印象が残っていない。
あまり違和感はなかった、ということだと思う。
まん我は久し振りに見たが、何か妙にクネクネしていた。
そっちが気になってしまってネタの印象が薄いのかな。
「ねずみ」（生喬）：○－
あまりマクラを振らずにネタに入る。
子どもは少し濃いが、まあ許容範囲。個人的には梅團治のが好み。
ねずみ屋の主（卯兵衛だったかな）の存在感がある。
腰が立たない、店を取られた人間の暗い感じがする。
「諦め」のようなものがもう少しあっても良いかな。
独り語りも分厚い。ただちと、重過ぎる気もする。
個人的には、あくまでも「独り語り」であり、
その中の人物をきっちり人物分けする必要はない、とも思う。
宿帳を付けてもらう流れは、あまり突拍子のなさは感じなかった。
甚五郎の「彫らせてもらおう」の前に宿帳を書いてもらう流れにできないかな、とは思った。
少し「お約束」感が出てしまう。
甚五郎物にそれを言っても仕方がないところではあるのだが。
田舎者は程よく濃く、雰囲気が変わった。
あとはまあ、普通。
このネタの甚五郎は宿賃を払えなかったりする訳でもないので、
どうしても穏やかな「名人」風の造型になるだろうな。
気まぐれな「職人」の雰囲気がもう少しあっても良いかも知れない。
なかなか大きなネタが続き、けっこう満腹。
あと、下座に若手がたくさん来ているのだったら、
大喜利とかやっても良かったのでは、と思った。
せめて紹介だけでも。
時間などの関係で難しいのかも知れないが。
「上方落語まつり」に呼ばれなかった、という怒りから繁昌亭を予約した生喬が、
同じように呼ばれなかった人に声を掛けた会。
前日に「ぴあ」でチケットを購入したのだが、整理番号がまだ２桁で、
売れていないのかな、と思ったら案の定。
２階は閉めていた。
客はざっと６０人くらいかなあ。
それでも生喬は「こんな入るとは思っていなかった」と言っていた。
「牛ほめ」（生寿）：△＋
最初の「さぁこっち入んなはれ」から生喬の発声っぽい。
表情付けに頼る感じはあるが、アホの雰囲気は良い。
ツッコミの押し・引きのバランスも良く、まあ悪くない前座。
池田のおっさんが「普請したこと、まだ誰にも言っていないはずなんやが」と言っているが、
甚兵衛さん？は寄っているから知っているよなあ。
このあたり矛盾する気がするのだが、池田のおっさんが忘れているだけなのかな。
「号外」のギャグを抜いても、この科白外しても良いのでは？と思ってしまった。
最後牛はババではなく屁をこく。
ババよりは汚くないが、
「屁除け魔除け」に近過ぎる感じもして、良し悪しと思う。
「トラうどん」（生喬）：△＋
マクラは「上方落語まつり」を巡る話。面白かった。
文我は文我で翌日（今日やね）太融寺で落語会をやるが、
それは前売で１００枚捌けているらしい。
ネタは
（このネタを見るのが初めてでない自分がイヤなのだが）
オールナイトで見た時ほど良いとは思えなかった。
一つは動楽亭と繁昌亭の広さ・雰囲気の違い、
あとはオールナイトはもう皆飲んでいる状況で、
けっこう勢いで進めていたのが良かったのだと思うが、
昨日はそうではなかった、というところ。（オールナイトの時は、私自身飲んでいたし）
「マサイ族」や「アボリジニ」やらが次々と出てくるのだが、
その「次々出てくる」重なりが弱かった。
３００円誤魔化そうとしたときに飛んでくる吹き矢も、
どうも伝わらなかった感じがする。
細かいギャグは追加されていたようで、それは決して悪くないが。
「舟弁慶」（たま）：○
マクラは、これも「上方落語まつり」など。その他裏話。
生喬や生寿が言ったことを伝えているだけ、というスタンスではあるが、
そのチョイスが素晴らしい。
「言ってはいけないこと」を言っているレベルでは、生喬より酷い。
本人は「悪口は言っていない、感情を入れずに事実を言っているだけ」という
スタンスに見えたが。
あと、マクラでこのネタを「大阪のおばちゃんネタ」と言ってしまうのは、
まあ、一つの手ではあるが、
若干卑怯かな、という気もしないではない。
ネタは、喜六をアホにしない演り方。
初めて見たが、これはこれで良いと思う。
けっこうそれで一貫して作られており、
例えば「誰が旦那か知らんがあんじょう礼言うといてぇな」とか言わないし、
後の通い船に清八が祝儀を切ったときに、自分にも礼を言わせる、なんてこともしない。
雀のお松は早口で話す、と言うよりはオーバーアクションで、
間髪入れずに話し続ける、という感じ。
「息子自慢」の話など膨らませていた。
「おとくさん」（だったか）が何も言えなかった、みたいなことを地で言ったが、
これは入れない方が良いと思う。
「おとくさん」とて「大阪のおばちゃん」であり、
この地の文を入れると「お松つぁん」だけが特別な感じがしてしまう。
戻って喜六を責める。
清八を「仕事をしていない、髪結の亭主」と言うのはどうかな。
後で清八が船頭に「こっちも毎日働いている」と矛盾する気がする。
それに、清八とて普段は（何をしているか分からんにしても）働いており、
たまの休みで散財している、とした方が良いと思うのだがな。
「紙屑亭主」を出したいために、というのは分かるのだが。
「焼き豆腐」は激しくて、面白かった。
舟の中でご馳走を並べさせた時に「焼き豆腐は要らんわ」も自然で良い。
通い船の漕ぎ方が少し変わっている。
２度目（お松つぁんを乗せる時）はそれを激しくしてウケをとっていた。
サゲは「祈り」ではなく、お松つぁんが足（泣き所）を船べりで打って
「弁慶が、弁慶が」と言って、という流れ。
個人的には「祈り」のバカバカしさは好きなのだが、
まあ、伝わりやすさを考えると「弁慶の泣き所」が良いかな。
「桜の宮」（まん我）：△＋
マクラは、前の２人から比べれば、まあ普通。
このネタ、生で見るのは初めてかも知れない。
個人的には、最初から「趣向」をやるつもりで、「どんな趣向をするのか話し合う」
発端の方が好み。
「趣向をするの？」みたいな会話は流れにとってプラスになるとは思えない。
練習の場面など、けっこうクサくやっているが、
そうしないとダレるから仕方がないのかな、とも思う。
全体に、あまりネタの印象が残っていない。
あまり違和感はなかった、ということだと思う。
まん我は久し振りに見たが、何か妙にクネクネしていた。
そっちが気になってしまってネタの印象が薄いのかな。
「ねずみ」（生喬）：○－
あまりマクラを振らずにネタに入る。
子どもは少し濃いが、まあ許容範囲。個人的には梅團治のが好み。
ねずみ屋の主（卯兵衛だったかな）の存在感がある。
腰が立たない、店を取られた人間の暗い感じがする。
「諦め」のようなものがもう少しあっても良いかな。
独り語りも分厚い。ただちと、重過ぎる気もする。
個人的には、あくまでも「独り語り」であり、
その中の人物をきっちり人物分けする必要はない、とも思う。
宿帳を付けてもらう流れは、あまり突拍子のなさは感じなかった。
甚五郎の「彫らせてもらおう」の前に宿帳を書いてもらう流れにできないかな、とは思った。
少し「お約束」感が出てしまう。
甚五郎物にそれを言っても仕方がないところではあるのだが。
田舎者は程よく濃く、雰囲気が変わった。
あとはまあ、普通。
このネタの甚五郎は宿賃を払えなかったりする訳でもないので、
どうしても穏やかな「名人」風の造型になるだろうな。
気まぐれな「職人」の雰囲気がもう少しあっても良いかも知れない。
なかなか大きなネタが続き、けっこう満腹。
あと、下座に若手がたくさん来ているのだったら、
大喜利とかやっても良かったのでは、と思った。
せめて紹介だけでも。
時間などの関係で難しいのかも知れないが。
