goo blog サービス終了のお知らせ 

朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

文太・噺の世界in高津の富亭

2010年04月05日 08時51分56秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は「高津の富亭」へ。

扇町にいたので堺筋線で移動したのだが、
長堀橋から歩くとけっこうある。
今度は日本橋から行こう。

高津神社の公園では花見をしている人が大勢。
その間を通るときに「玄伯老、足は草臥れやせんか」とか
「桜は気ぜわしのうてどんならん」などと
科白を思い浮かべてしまうのは、
何かに毒されているのだろう。

ちょっと早めに荷物だけ置いて、
いつものように高倉さんにお参り。


「開口0番」は上の娘さんが大学を卒業して就職した、といった話など。
そうかあ。
私が「一目上がりの会」などで文太を見ていた頃は、
小学生でCBカレッジの受付にいたから、
時の流れは早いものだ。
そう考えると、声も芸風もあまり変わらない文太は凄いのかも知れん。


「延陽伯」(文太):△+

マクラは自分の嫁さんの話など。
繰り返しネタだが、ちょっと数が多いかな。

ネタは、まあ普通。
風呂場のノロケはあまり発散せず。
もう少し派手にやっても良いと思う。
やもめの独り喋り、嫁さんが話すところを演者自身が楽しくやっている。
そのあたりの楽しさが客にも伝わって良い。

サゲを変えていた。
サゲの科白そのものは良いと思うが、
持っていき方が少しごちゃごちゃする感じ。


「江戸荒物」(文太):○-

よくやる東京・大阪比較マクラ。
「きりわら/たわし」の呼び名が違う、はダイレクトにはマクラで言わず、
「いかき/ざる」「おうこ/てんびんぼう」だけ言っておいて
後は「他にもあるだろう」と客に想像させる感じ。
これくらいの説明でいいだろう。

飛び込んでくる男の叫びが楽しそう。
このあたり、理屈でなく、音の響きなどで演者が楽しめば良いと思う。

荒物屋の客は4人。
特に、最初の客に対して委細構わず叫ぶところが楽しい。
2人目の「炭屋」との会話は
「教えてもらったことをそのまま言うとずれる」話で、
面白いには面白いが、少しウケの種類が違う。理に詰んだ感じ。
3人目の江戸っ子はあっさりと。
もう少し威勢が良くないと「押されて何となく売ってしまった」感じが出ない。
ただ4人の客で流れを作っていくのであれば、あまり濃くできないのかも知れない。
4人目の女子衆はもっと派手な方が良い。

全体に音の響き、リズムが楽しいネタで、
演者によく合っていたと思う。


「野崎詣り」(福矢):△-

久し振りに見た。
少し太ったが、目つきと姿勢の悪さは相変わらず。

マクラは鶴瓶独演会のお手伝いとして行った時の話。
若手の落語家の名前を出してウケるのは、
客がそこそこ落語を聞き慣れているこの会だからこそ、ではある。
そうでなければ、こんなマクラは振らないだろうが。

ネタは、ほぼ3代目の科白どおりやっているのだが、
この人のガラの悪さと相まって「物見遊山」のホワッとした雰囲気が全くない、
ギスギスした感じになってしまっている。
この人の人間性が出ている、とまでは言わないが。
3代目の科白そのものは決して上品ではないので、
この人がやるならば少し科白を変えた方が良いと思う。

上下がいい加減。
棒杭を突く所、いったい誰がどちらを向いているのか分からん。
全体に、上・下それぞれで体勢が安定せず、流れ気味。

いくつか受けんがための小ギャグを入れていた。
まあ、悪くはないが、全体の流れに寄与するものでないところが不満。


「閻魔堂奇譚」(文太):△+

京都で子どもの頃に聞いた怖い話をいくつか振り、
怪談調のネタに入っていく。
ネタは基本、「牡丹灯籠」とほぼ同じ設定かな。
「下駄の音」や「向こうが透けて見える」とか。
若侍が惚れた女(お里)が実は妹だった、と言われた後は
「道ならぬ恋だった」ことを
もう少し濃い目に伝えた方が良いと思う。

文太はさらっとした口調なのだが、
こういった話を淡々と語る時に
その背景の不気味さ、奥深さを気で伝える力があると感じる。
お里の幽霊が若侍に話し掛ける時の口調に
微妙に「この世のものでない」雰囲気が出るところが流石。

筋としては、白蛇が出てくるところ辺りからがあまり良くない。
結局は閻魔堂の由来、みたいな話になるのだが、
前半の雰囲気ならば幽霊を出して、若侍を取り殺す、といった筋にも
出来そうな気がする。
まあ、時間の加減で変えたのかも知れないが、
竜頭蛇尾、という感じ。


16時前に終演。
時間的には間に合ったが、
さすがに疲れたので文楽劇場へは行かずに、帰りました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。