北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

中国政府への抗議を要求する意見書に反対

2010年10月08日 | 日記
区議会第3回定例会の最終日に「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書」を決議しようという動きが、民主党・自民党・公明党・日本共産党などによって策動されていることが明らかになりました。中国への戦争を扇動するこんな決議を認めるわけにはいきません。杉並区役所本庁舎への朝ビラに始まって昼休み区役所街宣から本会議での反対討論まで、全一日の抗議行動を闘いました。以下は本会議で述べた反対意見です。他党派議員の反対もありましたが、率直に言って論拠が弱いです。「中国政府との外交交渉に入っているのだから、敢えてこのような意見書で波風を立てるようなことはよくない」…的な反対が多いのです。戦争扇動には断固反対!絶対に許さない!こうした発想の原点が必要ですね。


「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書」の決議に反対します。
中国漁船衝突事故をうけた日本政府と中国政府の対応をめぐって、マスメディアを先頭にした凄まじい排外主義の大宣伝が行なわれています。「尖閣諸島は日本固有の領土」という論理をその根拠にしています。しかし、領土・国境などは歴史的に見れば、その時代の支配階級同士による争いあるいは談合によって、得て勝手に変更されてきました。「日本固有の領土」の主張も、日清戦争の結果として日本帝国主義が中国から奪い取った結果を言っているに過ぎません。そもそも古来より、尖閣諸島あるいは釣魚台は良好な漁場として、日朝中人民によって共存して利用されてきた地域でした。
尖閣諸島または釣魚台が日本の領土であるか中国の領土であるか、そんなことは日本および中国の労働者人民にとって何の意味も持ちません。国境によって労働者人民は分断され、対立を持ち込まれ、敵愾心さえも煽り立てられています。労働者人民にとって領土―国境の存在は、害毒以外の何ものでもありません。そうであるからこそ日本帝国主義と中国スターリン主義は許しがたいことに、ともに領土問題を利用して排外主義を扇動し、大恐慌と戦争情勢のなかで各々闘いに立ち上がり始めている日本と中国の労働者人民の闘いを叩きつぶそうとしています。今年に入って中国に進出している日本をはじめとする外資系工場で、中国共産党政府や御用組合組織の抑圧を撃ち破って、多くの成年労働者が賃上げや労働環境の改善を要求してストライキ闘争に決起を始めている現実があります。いまこそ「労働者階級に国境はない」という労働者国際主義の立場をハッキリさせて、日本帝国主義・中国スターリン主義各政府をもろとも打倒していく闘いが必要です。11月7日日比谷野外音楽堂で開催される労働者集会は日本・韓国・アメリカ・ブラジル・ドイツおよび多数の滞日外国人労働者の結集によって、まさにこうした労働者の国際連帯を現実のものとしていくための力を示すことになるでしょう。
そもそも今回の中国漁船事件は、大恐慌のさらなる激化・深化と国家財政破綻の全面化を背景にして引き起こされています。北朝鮮の体制崩壊を見すえて常態化している戦争挑発・戦争発動そのものである米韓合同軍事演習。人民元を焦点とする米中衝突や円高攻勢に見られる貿易戦争・為替戦争。政治・経済・社会の閉塞が極限にまで達している日本の現状。東アジアをめぐってまさに戦争の危機が高まっており、そのなかで発生したのが今回の事件です。したがってあらゆる政治勢力・マスメディアによって煽り立てられている排外主義は、普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止を掲げて闘う沖縄労働者人民の団結を破壊する目的をもっています。「中国・北朝鮮に対する抑止力として日米安保同盟は必要であり、その実体をなす沖縄米軍基地の建設は不可欠である」と。
今回区議会に提出された意見書は、「中国に対する戦争を発動せよ」と言うに等しい暴挙です。青年労働者を戦場に送り込む役割を区議会が率先して担うことなど、絶対に容認できません。意見書の決議には絶対に反対です。