北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

区議会決算特別委員会最終日の意見開陳

2010年10月07日 | 日記
正味8日間にわたって続いた区議会決算特別委員会が終わりました。終わった~!最終日恒例の各会派の意見開陳で述べた意見を掲載します。 

H21年度歳入歳出決算に関わる認定第1号、第2号、第3号、第4号、第5号の認定に反対します。
10月5日、日銀が金融政策決定会合の結果を発表しました。実質ゼロ金利の実施、長期国債など購入のための基金35兆円の創設が柱です。日本の金融政策はとうとう手詰まりに追い込まれた、国債日銀引き受けへさらなる歩を進めたとの感が強い政策です。いよいよ日本経済の危機はどん詰まりに行き着いています。もはや打つ手はありません。
人民元をめぐる米中の激突をはじめとする貿易戦争・為替戦争とも言うべき事態のなかで、ギリシャ=ユーロ危機もあり円高攻勢もあります。尖閣=釣魚台をめぐる日中衝突も、こうした情勢のなかから必然的に生み出された事態と見るべきでしょう。北朝鮮の体制崩壊を不可避とみた朝鮮半島をめぐる米韓合同軍事演習の激化は、時々刻々戦争の危機を高めています。大恐慌と国家財政の破綻を、またぞろ東アジアを舞台にした戦争によって突破しようとするのが、アメリカ・日本・中国・北朝鮮・韓国の支配層の思惑です。これら各国の労働者人民は、みずからを塗炭の苦しみに陥れる戦争発動を絶対に許さない闘いに、労働者階級の国際的団結をもって立ち上がることでしょう。
民営化・外注化・非正規化に貫かれた歳入歳出決算です。まさに山田区政11年の「負の決算」です。1000人を削減した職員の穴埋めに、大量の非正規労働者の導入と制約なき民営化・民間委託化が強行されました。低賃金・不安定雇用=安あがり・使い捨ての膨大な「官製ワーキングプア」の創出であったし、彼らを踏みつけにした上に成り立っているのが杉並区政です。
今回の決算特別委員会で取り上げた納付センター・窓口業務委託・水銀混入ごみ・非正規教員に関わる質疑から浮き上がってきたのは、民営化・外注化・非正規化政策の様々な矛盾が発生しているということです。
区立学校で働く非正規教員は、それだけでは生活することができない賃金で働きながら授業をしています。生活していくこと自体に余裕がないなかで、子どもたちにしっかり向き合って教育しろと要求することには無理があります。非正規教員が常態的に雇用される状況の解消をすべく、都教委への働きかけをはじめとする施策が必要です。
他の自治体においては、窓口業務の民間委託が始まっています。杉並区においては当面計画はないとの答弁を受けていますが、定型的業務とは規定できないのが自治体業務であり、業務委託になじまないのは当然です。にもかかわらず広範に業務委託が導入され、労働現場では「偽装請負」と言わざるをえない法令違反の実態が横行し、委託労働者の労働条件の劣悪化が進行しています。民間事業化提案制度が壁にぶち当たっている現状を考えれば、民営化・民間委託化政策についての根本的見直し・撤回が必要です。
納付センターや図書館で働く委託労働者は、その責任・権限や労働条件からすればきわめてデリケートな個人情報を取り扱う業務に従事しており、その引き受けさせられる責任はあまりに過重です。保育園で働く委託労働者は子どもたちの命を預かる仕事にしては、これもまたきわめて低い労働条件で働くことを強いられています。こういう形で自治体業務の安全は失われていくのではないでしょうか?
なお、水銀混入ごみの問題をとりあげた質疑のなかで、区長は「テロじゃないの?」というヤジを飛ばしています。区長はこのきわめて軽薄なヤジで革命的左翼を揶揄した気になっているのでしょうが、自治体の責任者がヤジとはいえ公式の場でこうした発言をするのは許しがたく、自治体業務のなかでも最も危険な仕事に従事している清掃労働者の日々の労働をどう考えているのかと問わざるをえません。許しがたい姿勢です。
内外の情勢は激動しています。従来の政治観・経済観・社会観は通用せず、新たな社会の建設に向けた発想と行動が求められます。その基盤・原動力は労働者人民の団結であることを確認して、意見とします。