ろくびー

山中清隆 作品日記
Kiyotaka Yamanaka

花の気持ち

2010-03-31 12:51:53 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「とっても暑い日」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島

民家の裏庭のほったらかされた日のあまり当たらない所で、花が咲いていました。
とってもか弱そうな花で、名前は知りません。
赤、オレンジ、ピンク、赤紫。
繊細な表情と透けるよう花びらが気に入ったので、
何気なくスケッチ。

誰も気づきそうにない、そのか弱い美しさ
家の裏庭の苔の生えている日陰でひっそり、いろんな色で、あちこち向いて、
風よけのブロックベイに守られて、しっかり咲いています。

花は私の心の中まで入ってきたので、花のための風景を用意して植えてあげました。

絵の中で咲いた可愛らしい花。

暑い!暑すぎますって、怒っているかもしれません。
風が強い!強すぎますって、踏ん張っているかもしれません。
人目が気になる!気になりすぎますって、嘆いているかもしれません。

が、気にしな~い♪

で、この絵は私が最後に小浜島で描いた絵です。
まだ生々しく塗っていない所があります。
描き終える前に台風が来てしまい、3日間部屋に缶詰。
何にも出来ない恐怖の風。
夜も昼も寝れませんでした。
トイレに行くことさえヤバかった!
風が収まって外に出てみると、一面焼け野原のように植物が枯れ、飛ばされ、まっ茶色。

あまりのショックで言葉も無く
5ヶ月間、私を支えてくれたやさしく綺麗だった草達。
心の栄養元を失い、堪え耐えてきた気持ちがここで崩れ去ります。

また負けた。


大阪に引き上げて、とりあえず野菜いっぱい食べて次のことを考えたい。
島なので、野菜が高くてあまり食べれず、食事のストレスが限界だったこともあり、
台風が無事に去った日に帰ることを決めました。
帰るのは、お店の都合があるのでシーズンオフのころにしました。
この日から小浜の絵はまったく描きません。
完成間じかのこの絵の続きさえもせず、2ヶ月間海で毎日泳ぎました。

貝探しにはまりました。

でも心は悲しかったです。

海で泳ぐことでしかここに居る意味を見出せない、辛い2ヶ月間。

帰るころには草達もまた再生して、草の島になっていましたが、
もう以前のように、心の中まで入ってきません。

寂しげにゆれる草達。

スタミナのない私。


小浜島で木っ端微塵になり
また振り出しにもどってしまった私は、フラフラと亡霊のように大阪に帰ります。
帰るところがあるってほんと有り難い。

7ヶ月間小浜の木を見つめていたので、
大阪の木を見たときに驚きました。

風にいじめられる事がない姿なんだ~

7ヶ月間小浜の限られた数少ない家を見つめていたので、
たくさんの街を見て驚きました。

たくさんの車を見て驚きました。

たくさんの人を見て驚きました。


描けるもの いっぱい あるやん♪


・・・・・・?


「あっ 扉が 開いてる!!!」

「心の扉が開いちゃてる やん♪」








「どうでもええけど はよぉ ヤギを繋いで!」

「くっ 食われる! やん♪」

(※花より)








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いろんな痕跡

2010-03-29 00:10:33 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ミミちゃんの学校」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作(ギャラリーもず) 小浜島


小浜の集落では、日中暑いためにほとんど人を見ません。
ちょっとゴーストタウンみたいです。
小浜島小中学校の体育の時間や休憩時間は人を描く唯一のチャンスだったので、
絶対に描きたくて、電信柱の影から怪しい麦藁帽子とサングラスをかけてスケッチ。
大阪だと怪しすぎて通報されそう。

小浜島日記でも紹介したミミちゃんは、学校で飼われている与那国馬の名前で、
いつもグランドのどこかで繋がれていますが、
草をちぎってあげると嬉しそうに食べてくれます。
ミミちゃんが繋がれていた後は、丸~く草がカットされていて、食べた痕跡がのこります。

正面に描いた木は上がずいぶん枯れていますが、台風でやられた痕跡です。
それでも樹はタフに生きていました。

子供達って見ていてあきませんね。
人間だけじゃなくて、動物、植物、魚にいたるまで面白いです。
一人ずつみんなに新鮮なドラマがあって個性があって命があって、あったかい。
みんながお家に帰っても、子供達が愉快に遊んでた痕跡が私の心に残っていて、少し笑顔です。

海の中を泳いで散歩していると、たまに墨だけが目の前を漂ってくることがあります。
たぶんイカが私を見て慌てて吐いた墨の痕跡だと思うのですが、なんせ見渡しても姿はありません。
一度だけコブシメ(甲イカの仲間)を発見したときは、墨を吐かずに逃げたので、
いったいだれなのかな~ 慌てて逃げた気持ちを思うとやっぱり笑顔。

痕跡にはそれ以前の物語があるので、見る側の勝手なんですが、想像が膨らんで嬉しいです。


悲しい現実で、
小浜周辺の海の中は温暖化による海水温の上昇で珊瑚が死滅していて、
沖の方まで行かないと珊瑚のみごとな世界はありません。
実際その沖の方でもあまり元気がないように見えます。
今後もこの過酷な珊瑚の環境は止まることなく続くと予測されていて、
焼け野原のように白化した珊瑚礁を見ていると、単純に悲しいです。

温暖化が来る前までは、ここに素敵な物語がたくさんあった痕跡。

主犯格だけにとても哀れ。


私は、
悲しみを引き換えにしてでも得たかった。
そんなものを抱えています。
回りまわって自分にかえるだろうし、ルール違反かもしれない。
すべての命のベースがここにあるだけに扱いが難しい。
せめて真っ直ぐに感謝するしかないのかも。
せめて精一杯生きていくしかないのかも。

引き換えにした分、スッコ抜けてあげたい。

そしたら許してもらえるのかな・・・・。




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流れ星

2010-03-26 10:44:58 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「横断歩道あり」 透明水彩画 4F(350×250) 2009年作 小浜島


出会いは嬉しい♪

今日の雲と出会い、今日の風と出会い、今日の植物と出会い、今日の生き物と出会い、今日の建物と出会い、今日の人と出会い、今日の私に出会う。

今日が一番いい日になるように

ひとつひとつを大切に見つめられたなら

きっと・・・・いい形になる気がします。


だんだん遠慮がちな子供っぽい絵になってきましたが、
もう私の得意なスタイルなどは、どうでもいいんです。
テーマは決まっていますし、迷いもありません。

だから・・・

風景が気に入らない形や色だったら私が変えるし、

風景の表情が乏しいと思うなら私の心を乗せてみるし、

風景の中の好きなものは素直に描き入れてみるし、

あとは、はめをはずさないかだけ注意して、絵の成長を見守る。


小浜島であたたかく追い詰められたおかげで、私の中で無意識に制作スタイルが固まってきていました。
もちろん小浜島制作奮闘中の当時は、絵描きとして生きるか死ぬかの瀬戸際をフラフラしていましたから、

「きっと描ける!きっと描ける!」の連呼でしたけどね。




このころ、夜いつものように満天の星空と天の川を見ていると、とてつもない大きな流れ星が、

「ビッカァァァァー ギラギラギラー」っと南から北にかけて夜空の低いところを横断いたしました。

瞬間的に出た願い事が3回言えたので、ものすごく嬉しかったです。(人生初!)

叶ってほしいから・・・・・
何を願ったかは誰にもいいませんよ♪


よし。運がついてきたぞ!
どんどん描いてやる~



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追いかけっこ

2010-03-23 01:17:56 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ちょっと南風」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島

「ちょっと南風」
風にそよぐ草と集落で、向こうに見える島は黒島です。

今は大阪で絵を描いているのですが、一瞬、風にそよいでいる草や木の葉なんかを見ると、
胸がジーンといたします。

同じ時代を共に過ごした昔の友人や恋人を思い出したような、懐かしく、いとおしい感じに似ていて、
少し寂しく少し笑顔になります。

さすがに小浜島のような、みんな同じ方向にずーとそよいでいる姿は大阪にはありませんので、
またいつか風に吹かれに行きたいです。


小浜島制作奮闘中、私の絵のしっぽを握ってやろうと、ひたすら追っかけているのですが、
なかなか・・・・
しっぽ違いですが、奮闘前、海の中ではしっぽ握り放題です。


相手はテングハギというお魚さんで、大型のウマズラハゲに似ていて天狗のような角がおでこから前に出ていて、
食べるととても美味しいそうです。
このテングハギは人に見つかると、必ず岩礁や珊瑚礁の穴の中に逃げ込み、横になってひっそりやり過ごす習性があります。

で、この習性を利用して、テングハギを見つけると、軽く追っかけて穴に逃げ込ませ、
そーと近づいて穴を覗き、ゴロンと横倒しの尾びれが見えたら
静かに腕を突っ込んでギュッと握ると捕まえれます。
かなり強い力で暴れますので、ギュッとです。
私は2キロも泳いで持って帰るのがじゃまくさかったので、キュッとさわって脅かし、遊んで終わり。

逃げ込んだ穴が深かったり、別の出口があったりして、まるで鬼ごっこみたいにドキドキして面白かったです。


番外編~

ムラサメモンガラというお魚さん。ハゲに似たお魚で、最新のウルトラマンに出てきそうなカラーで、
食べても美味しくないか、食べれません。
このムラサメモンガラは人に見つかると、必ず岩礁や珊瑚礁の穴の中に逃げ込み、横になってひっそりやり過ごす習性があります。

が、手を突っ込んで突っついても、キュッと握っても、寝返りする程度で動きません。
捕まえてもしょうがないし、張り合いがないので少し突っついて終わりっす。

(※注意:繁殖期とか産卵期は近づくと攻撃してくるそうです。)


でもムスッとしたふてぶてしさが、
可愛かったな~

ムラサメモンガラ♪






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エコな言葉

2010-03-22 01:58:53 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved.「黒島」 透明水彩画 大衣(509×394) 2009年作 小浜島

小浜島制作奮闘中はつづきます。
この作品のころは人工物をどうしても入れたくて、あの手この手で建物や車や電信柱などを描いていました。

一度走り出した以上、結果が出るか、木っ端微塵になるまでは手を止めるつもりはありませんでした。
草や雲や海や夜空やその他の色んな愛らしい豊かな表情のおかげで、
へこんでも挫けても、また元気を取り戻し、エネルギー元の枯渇が起こりません。
ほんと小浜島様々っす♪

それでもダメージが大きくヤバイときがあって、そんなときは励ましてくれる心の言葉を思い出します。
友人に言われた一言なのですが、その言葉が出た背景は私事の問題で、
事の苦しさから彼に弱音を吐いて嘆いていたのでしょう。

で、そのとき彼が言ったその言葉は・・・・

「お前は もう ええやんけ!」



??????? 

えっ 俺は もう ええんやぁぁぁ~

俺の立場なんて どうでも ええんやぁぁぁ~


かなりショッキングな言葉でしたが、
身が楽になるといいますか、最高に救われました。
(誤解されると困りますが、自我は捨てろと言う事で、目的や使命を捨てろではありません。)

つまり私の個人的な苦しみなんて、どうでもええやん♪
目的でいこうよ!目的で!



使ってみると結構便利です。

「お前は もう ええやんけ!」

問題が問題でなくなったりしますし、時間の節約にもなりますし、今流行のエコかもしれませんし~

※個人的意見っす。





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届けたい絵

2010-03-21 01:05:39 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「牛の丘」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島

「牛の丘」
この作品も小浜で奮闘中のころです。


はるばる大阪からこの島に絵を描きに来て、
なにもつかめなかったら私の立場は無くなります。

泳げないお魚でしょうか
飛べない鳥でしょうか
もぐれないモグラでしょうか

絵の描けない絵描きでしょうか

それは嫌だ!


なにもかもがカメラのシャッターを切るみたいに一応に写る便利さを求めてはいないし、
自由に絵が描けないドンクっサイ画家でもいい。


今度こそ!
今度コソコソ!


ブツブツ言いながらの相変わらずの毎日。



前にもお話しをしたかもしれませんが、ブツブツついでにインドのハンピ村で滞在制作をしてた時の話しです。
マタンガ丘という山がありまして、その山に登るのは少し険しいく汗を流しながら登らなければなりません。
山頂にはお寺がありまして、360度ハンピを見渡せる最高の展望台です。
ここが大好きで、滞在中3枚も山頂で描きました。

制作の壁にぶつかると、この山にブツブツ言いながら登り自問自答をよくしたものです。
その時の自問自答は忘れちゃいましたが、一つだけ心の言葉になったものがあって、
小浜でも今でも、ぶつかった時はよく使っています。

「何に向かって描いているのか?」
「誰に向かって描いているのか?」

絵を描く以上は見られることを前提にしています。
何を伝えたいのか?誰に見せたいのかは絞らなければ方向が定まりません。

何と誰はイメージとして同じなんですが、その何と誰とは、

神様仏様宇宙様でしょうか。
世界を産んでくださった見えない実態でしょうか。
考えても解らない今生きてる感謝でしょうか。

で、結論

言葉に出来ない。



私が大切に思う大好きな人の心を必ず通って(重要)、

「何と誰」に届くような真っ直ぐな声で描くように努めています。



ブツブツ・・・・


あっ
届けたい内容は内緒っす!




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小浜島の牛は可愛らしい

2010-03-19 00:09:00 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「グニャリ道」 透明水彩画 4F(350×250) 2009年作 小浜島


「グニャリ道」
遊びもせずにひたすら描いていたころの作品です。

小浜島には、のんびりと放牧された牛さん達がごろごろいてまして、
草と同じく私の絵の大切なパートナーでした。
絵には描いていませんが、本当は柵があるので道には出てきません。
たまに脱走している牛さんを見ることもありましたが、事故がおこるようなことはなかったです。
お客さんをホテルまで迎えに行く途中、脱走牛が道で草を食べていました。
若い雄牛5頭で、私が横を通り過ぎようとした時に慌てて同じ方向に走り出してしまい、道路で牛5頭とマラソンです。
私は車ですからもちろん勝ちましたけど、牛は走ると恐ろしいほどの迫力がありまして、
スペインの牛追い祭りがどれほどの勇気が必要で、絶対に私は参加出来ない!と思いました。

海の中でもたまにマラソンがあります。
相手はお魚なんですが、海に入ってから出るまで(4時間)勝手に付いてくるんです。
阪神タイガースカラーの3センチほどの小さな魚で、スズメダイに似たスタイルでした。
このお魚さんは、砂浜から入水して顔をつけてしばらくすると水中眼鏡の真横あたりに付き、
ひたすら泳ぐ私の顔の横にピッタリと、一生懸命に泳いで付いてきます。
道先案内してくれるがごとく前が好きで、パクッと食べれるぐらいの顔のそばで泳ぎ、手を前に持っていくと、
どんどん泳いで肩から二の腕から肘から手の辺りまで来て、またピッタリと手の平の横に付いて泳ぎます。

面白いので、意地悪にどんどんスピードを上げてみました。
が、そこそこ頑張って付いてきます。

なかなかやるの~タイガース君♪

1万3千円もした青くて綺麗なイタリア製の足ひれを舐めてもらってはこまるなぁ~

さ~これならどうだ!

ムムムムム・・・ムムムム・・・・・・    !



ムリっす!(私が)


負けるものか今度は潜りで勝負だ!
1万3千円もした青くて綺麗なイタリア製の足ひれは潜で威力が発揮されるのだぁ~

ムムムムム・・・ムムムム・・・・・・    !!


ムリっす!(私が)


泳ぎも潜りもタイガース君には勝てません。

結局タイガース君は5キロほど私と共に泳ぎ、上陸前の浜近くの泳げなくなる浅瀬付近でいなくなるところからして、
他の魚に襲われないようにしてたのかもしれません。

とっても可愛いやつでした。





で、絵の制作マラソン中

マジっす!






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まーるい地球

2010-03-14 01:28:21 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved.
「風のない日」 透明水彩画 30F(900×707) 2009年作 小浜島


小浜島の最高峰大岳(うふだき・99メーター)に登りますと、
地球がまーるいのが良く分かって可愛らしいです。
海に浮かんでいる島は左から黒島、新城島、波照間、西表島の端っこです。

黒島は海がめの産卵地で有名。
新城島(あらぐすくじま)は上地島(かみじしま)下地島(しもじしま)の二つの島からなり、
パナリと地元では呼ばれています。
一般定期船は無いみたいで、ツアーでしか行けません。
波照間島(はてるまじま)は日本最南端の有人島で、冬期には南十字星が見えるそうです。
西表島では有名なイリオモテヤマネコや未発見の昆虫なんかにも会えるかもかも。

残念ながら小浜島からの日帰りの交通が不便で料金も高かったため、
この目の前の島々には一度も行きませんでした。

西表島は色々と私好みのアドベンチャーがあるので、
今度の楽しみにとっておいたんですけどね。

て、言うかシーカヤックとかジャングルトレッキングとか、
ガイド付きの楽しそうなのは誰かといかないと・・・・・

「ういちゃう♪」

で、
この絵を描いたころは小浜滞在3ヶ月目ぐらいでしょうか。
相変わらず
毎日美しく優しい草や雲を眺め、時には肩を、時には対当たりする胸を貸してもらいながら
制作のヒントをいただいていましたが、
制作枚数を重ねるごとに人工物フェチな私は、

「愛したい建物が好きだ!描きたい!」

そんな気持ちがついに抑えられなくなってきます。

ここは勝負と腹をくくり、遊ぶのを止めました。
制作宣戦布告宣言です。


ないねん
僕が個人的に求めてるものなんて!

あるやん
人が作った建物が。



ブツブツ ブツブツ







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みんなの松

2010-03-10 00:05:55 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「みんなの松」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島



港から伸びる道をグイッグイッと登った丘の途中の脇道の交差点に、
小浜島では有名な観光名所の一本松があります。

今から239年前(1771年・明和8年)のお話しですが、
「明和の大津波」という大津波があったそうで、
八重山諸島と宮古島で死者1万2千人、波は標高30メートル弱まで上がり、
小浜島ではこの一本松のあたりまできたらしいです。

で、その時、松の種が波に運ばれて来て芽が出て育った木だとか、
大津波でここに五本あった松のうち、四本もってかれて残った一本だとか・・・・
色々言われています。

昔は今と違ってグニャグニャ曲がったとても楽しい道や、
開発されていないのどかな風景が広がる美しい場所だったらしく、
その美しい場所にある一本松はみんなの目印となり、
デートの待ち合わせは、集落から少し離れたこの松の木の下がお決まりだったそうです。

幸せなあったかい恋、ドキドキせつない片思い、
嬉しい出会いや悲しい別れ、あぶないニヤミスや地獄のバッティングなどなど・・・・

それがいったい何色であれ、
きっと思い出となり、もう二度と手にすることの出来ない光り輝く何かになっていったなら・・・・

松を見るたびに思い出すんだろうな~
あのころのあの透き通った瞳を・・・・・。

大切なシンボルとして、みんなの心にしっかり踏ん張っている一本松は、
残念なことに、近年の開発で風当たりが強くなり過ぎたせいなのか、
足元の地面が小さく痩せたせいなのかは分かりませんが、けっして元気ではありません。
一昨年の台風では、腕を一本捥がれるほどのダメージを受け、
どこか風貌が痛々しいし、少し枯れてもいます。
あと何年ここを見守っていられるのか不安に思えるぐらいです。
心配になった島の人が、松の足元に土を沢山もってあげて、大切に守っておられました。

孤独に傷つきながらも、色んな思いを受け止め見守ってくれた一本松さんは、
とても激しくたくましく、どこかあったかい感じがいたしました。


熱っちい!



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ゆらゆら してみたい。

2010-03-08 22:10:54 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ゆらゆら」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島

「ゆらゆら」

小浜島の西側、ちゅらさんの丘に行く道端にある草の絵です。
白い穂が、キラキラ銀色に光りながら、絹のように滑らかに風の中でそよいでいて、
大好きな大切な人をそっと見つめているような、幸せな感覚を覚えます。
あまり気持ちがいいものですから、この場所から離れたくなくなるほどでした。

この絵を描いたころの私は、海の中の一人遊びが楽しく青色が心に焼き付いていて、
海の中の印象と島の風景とが、混在し溶け合った気持ちを描きたかったように思います。

海の一人遊びも別世界でしたが、夜の星空もまた別世界でした。

夜、一人で満天の星空や天の川を見ながらよく思っていたことがあります。
不意に走る流れ星に心を持ってかれたりしながら・・・・

自然体になれたらいいな~

きっと生まれてからやむを得ず色んな不自然体を身に付け、吸収しつづけてきて、
ガチコチになっちゃって!あっぷあっぷしてる気がするだよな~
インドのハンピ村で出会ったオランダ人の画家ロバートさんの、
亡くなられたインド人ジプシーの奥さんが描いていたあの素晴らしい絵は、

自然体だったように思える。

彼女がインドに生まれたインド人で、ジプシーであるその彼女の人生をはるかに遡った歴史が、
その絵の中で彼女と無邪気に遊んでいました。

私が日本で生まれた日本人で、絵描きである私の人生をはるかに遡った歴史が、
・・・・・私と無邪気に遊んでいるだろうか。

まっ せめて、私がたどった人生さんには素朴に遊んでもらいたいですけどね♪



で、 ですから遊びは大切にしています。





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海のゆりかご②

2010-03-06 11:08:12 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「ヤギのバス」 透明水彩画 A4(297×210) 2009年作 小浜島(個人蔵)



「ヤギのバス」
海の中もこのバスのような岩礁が点在しています。
そこにはヤギのように魚介類が休息してたり隠れていているので、
覗きにいくと面白いです。

生き物を探して岩礁を覗いてたた時、こぶしほどの丸っこい愛くるしいカニが、
突然ぬ~っと現れた私に驚き、「うわぁぁ!」っとひっくり返りました。
その瞬間!周りで泳いでいた小魚達が、ひっくり返りもがいているカニの裏側や足を突きまくり、
食べようと躍起になって襲います。

「あわわわわぁぁぁ」

俺のせいで!
愛くるしいカニさんがぁ とんでもない事に・・・・・


クルっ♪


生還です。無事どこも食べられずに表向きに返ることができ、お陰で私もブルーにならずにすみました。

よかった よかった♪

岩礁ではカニの食べられた後のバラバラになった甲羅を良く見かけるので、魚にとってご馳走みたいです。

で、このカニさんが美味しく食べれるワタリガニだったら・・・・
確実に魚を蹴散らしカニを捕まえ、味噌汁にしているところなんですけどね。

島の北西側、浜から100メーター、水深1.8メーターの浅瀬の岩礁で、
ゴシキエビ(イセエビ系)を一度だけ発見いたしました。
大きなひげが二本穴の奥から出ていまして、そーっと覗いてみますと・・・・・
ま~デカイ♪ 嘘みたいに巨大なゴシキエビです。
手を突っ込んでも体にどどかない奥深い穴の中でモゾモゾしています。
モリで眉間を一突きしないと足で踏ん張るから獲れないよ!と大将に聞いてはいましたが、
モリがないし・・・・・捕まえたいし~ 食べたいし♪

だめと分かっていても・・・・未練がましく大きなひげを引っ張ってみました。

ぐぐぐぐぐっ  ぐぐぅ

「プチン♪」

根元から切れると言うよりかは、はずれるという感じで切れました。
60~70センチぐらいある大きなひげ。
体長はひげの長さぐらいあるそうなので、大物です。

翌日もりを持って同じポイントに行きましたが、
この岩礁を見つけるのに6時間(海の中はよく似た岩礁だらけで難しい)。
でも穴は空っぽでゴシキエビはいません。
諦めきれずにその後2時間周囲を探しましたが無駄でした・・・・。



チャンスは一度っす♪







ここだけの
私が聞いたお話し

「ヤギのバス」
この敷地ではヤギは初め2匹でしたが、ある日4匹に増えました。
持ち主のおじいさんが4匹になっているのを見て、

「だれだ~おらの敷地にヤギを勝手に2匹ほり込んだやつは!」
と、怒っておられます。


が、間違いなく・・・・殖えた子ヤギっす。









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海のゆりかご

2010-03-04 10:52:01 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「石垣島の見える道」 透明水彩画 4F(350×250) 2009年作(個人蔵) 小浜島

小浜島の草や雲などの援軍のおかげで、なんとか絵の制作活動をすることができました。
大阪で、もがき行き詰まっていた頃の私とは、まるで別人。

でも私にとっての「絵のテーマ」の欲求は相変わらず強烈で、一枚描くごとにどんどん膨れていきます。
その消化しきれない巨大な風船が、無邪気で自由な絵心を圧迫しだしますと、どんよりとした空気に包まれ
鉛筆を持つ手がピタリと止まってしまいました。

もう負けたくない。
必ず捕まえてやる。
必ず・・・。

そんな悔しい思いを強く噛締めながらも・・・・

「休憩~ぇ」

で、海っす♪

目の前に広がる青い海。潜ると一面に広がる珊瑚礁。色鮮やかな魚達。すべて無料。
海に潜ると人として一人ぼっちになり、気分転換にはもってこいです。
水と食べ物をウエストポーチに入れ、だいたい4時間、仕事が休みだと最大8時間、海岸線からは2キロ、
泳ぐ距離は最大8キロぐらい浜に帰らずスノーケリングを楽しみました。

八重山諸島の海は色んな生き物に出会いますから、潜るたびに未知なる発見やドラマがあって面白いです。
噛まれたらやばそうな毒ウツボ。触ってはいけないミノカサゴ。うっかり踏んづけてはいけない鬼ダルマオコゼなどなど・・・・
楽しさ大盛り!危険はてんこ盛り♪

小浜のプロのダイバーさんが、
「珊瑚礁や岩礁に隠れてるタコの視線を感じるんだな~」
「あいつ、わざわざ見なければバレないのに馬鹿だよな~」
「後ろから見られても視線を感じるからな~」

ここまで凄くはなれませんが、
私もたった一度だけ、このタコさんの視線をキャッチすることが出来ました。
シャコガイ探しを夢中でしていた時、誰かに見られてるような不思議な感じがしました。
なんとなく不思議な感じのする方に視線と意識をもっていくと、
珊瑚の穴から擬態して頭を出しているタコさんの目とピッタンコ♪
目と目が合うと「バっ バレタ!」と言わんばかりに慌てて穴の中に入って行きます。
逃げ込んだタコ穴を覗いて見ると、奥の方で吸盤をしっかり引っ付け、篭城蛸作戦です。
手を突っ込んで引っ張ってもタコの吸盤には勝てません。

足の又あたりをこちょばすと出てくるよ♪と大将に聞いてはいましたが、吸盤団子になってしまって、どこが又だかさっぱりでした。
息が持たず私の根負け。



あ~ぁぁ 

たこ焼きにして食いたかったな~♪


今度目が合ったら
必ず捕まえてやる。
必ず・・・。



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雲が やさしい

2010-03-02 11:50:58 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「てっぽうゆり」 透明水彩画 4F(352×243) 2009年作 小浜島(個人蔵)


小浜では、とても低いところに雲が浮かんで流れていきます。
草のゆらめきと同じく、大阪では味わえない小浜の大好きな表情でした。

モロッコのシャウエンで見た標高の高い場所での激しい雲の流れと違って、だいたい穏やかにふわふわ流れていきます。
が、天気の不安定なときは要注意で、晴れていても高速移動型局地的豪雨雲にスッポリ入ると、
傘を持っていることが笑けてくるぐらいの、横殴りの雨パンチを食らうはめになりますので、ご注意を!

雲のドラマは最高です。
朝、もやもやした西表島の大きな雲がどんどん流れていくので、見てる私のもやもやまで一緒に流れていったり、
日中、青空にホイップクリームのような点雲が、規則正しく水平線の上に走ってるのを見て、
ケーキの上の生クリームを、どうしても指で引っ掛けて舐めたくなり、でも小浜にはケーキが無いので悲しくなったり、
夕方になると太陽の眠そうな光が無邪気な雲達に当たり、少し大人びた空の光と相まって、夜を迎える美しい宴が始まったりします。

どんなにハードルの高い片思いの相手でも、この美しい宴の予測不能なドラマ中に引き込み、包まれましたら・・・・・
落とせるかもしれません♪

で、未使用。


愛らしい生活風景や愛らしい家、美しい村や町、生き様がかっこよく残った歴史的建造物などなど。
完璧に与えてくれる人工美を追い求めてしまっていた私。

「テーマが無い。」に苦しんではいましたが、

草と雲が
肩を貸してくれます。

強くて大きな横綱のように
思いっきり飛び込んでいく胸を貸してくれます。


いい島に来たのかモ~





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草が かわいい

2010-03-01 10:40:09 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「西表島」 透明水彩画 太子(378×288) 2009年作 小浜島(個人蔵)


草が可愛くて、来る日も来る日も風になびく姿を見つめ描いていました。


牧草の草達はおよそ一月半で刈り取られてしまい、大きなバター飴のように丸めて白いラップで包まれます。
包まれるとその中で発酵が進み、とっても甘~いおいしそうな匂いを出して、牛や私を魅了しました。
草は成長したころの刈り取られる前がとても繊細に大きくなびいてくれるものですから、美しい姿を楽しみに待って、いよいよ張り切って描きに行ってみると、

「あっ 無いぃぃぃ!」

で、気持ちを持ち直して別チャンネルにシフト♪

小浜で一番高い山は標高99メートルの大岳(ウフダキ)です。上まで登ると
まーるい地球の青い海の中から、ひょこり顔を出す八重山諸島の島々を360度見渡せますので、とっても気持ちがいいです。
小浜島最大級の観光スポットかもしれませんね。


気持ちよく大岳の屋根つき展望台から絵を描いていたら、遠くで口笛調にドシラソミ♪と鳴く鳥がいます。
ちょっと簡単でひょうきんな声ですから思わず口笛で真似をしました。


「ドシラソミィ~」


「ドシラソミ♪」 ・・・・おっ 反応あり。


「ドシラソミィ~」


「ドシラソミ♪」 ・・・・ち ちっ 近寄ってきます。


「ドシラソミィ~」


「ドシラソミ♪」 ・・・・あ~ぁぁぁぁぁ あらわれた!


嘴から足の先まで赤い鳥のアカショウビン(カワセミ系)です。
少し紫がかった赤で、カワセミよりひと回り大きく、緑のなかで鮮やかに映えていました。
縄張りに進入してきたへたくそ「ドシラソミィ~」の正体が、私の真似だとわかるなり慌てて逃げていきましたが、
鳥との駆け引きはかなり面白かったです。



あ~ 行き詰まりの中の大事な絵の制作中というのに、
すぐに脱線してしまう・・・・・

私でした。



余談ですが、
もっと強烈に脱線してしまう鳥が小浜には・・・・・

まぁいっか~





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のどかな島④

2010-02-28 01:05:28 | 透明水彩画小浜島
Copyright2008-2010 Kiyotaka Yamanaka.All Rights Reserved. 「小浜島のヘリポート」 透明水彩画 小全紙(660×505) 2009年作 小浜島


小浜島に来て遊びつつも、相変わらず私の描きたいテーマはなかなか見当たりませんでした。

でも、
放牧牛に会えた喜び、雲が低いところを飛んでいく楽しさ、草が風にそよいでいる心地よさ、などの援軍を毎日眺めていましたら、ニッコリ絵が描きたくなってきまして、スケッチブックを片手に制作スタートいたします。

絵を描く時、まず第一に描きたい風景探し、第二にそのポイント周辺の日陰探しです。

が、困ったことに描きたいポイントを見つけましても、あたりに日陰がありません。
日陰や木陰の中で描かないと正直集中できないんです。
私は気を心の真ん中にボウル球のように一塊になってもらってから、その塊で風景を見、捉え、ゆだねて鉛筆を走らせています。
日にあたり、体が苦痛を感じ出すと気が体を助けようと飛んでいってしまい、どんなに気張っても戻って来てはくれませんし、
紙も白色ですからまともに目を焼き、ダメージを受けてしまいます。
小浜にはほとんど街路樹がないので、かなり困りました。

でも、
細いタイプですが電信柱が沢山生えていまして、その細い電信柱の影に人が一人ギリギリ入りますから、
この影を利用しました。(肩幅から手は出せない)

影は少しづつ日時計のようにどんどん動いていくので、私も合わせて動きます。
で、いづれ首だけが左向きになってしまい、これ以上首が回らないところでギブアップ!っす。 イテテテテェ~
電信柱の多くは、たいがい草むらから生えていたので、ハブがいないか十分に注意してから座ります。
で、安心して絵を描いていると、ムカデがよく足元を走っていきました・・・・シャカシャカシャカァ♪
あと背の高い草の影や、かろうじて立っている小さな街路樹の木陰なども私の仕事場になりました。


あっち~よ~
小浜の太陽




余談ですが、

インドの砂漠の町、ジャイサルメールでは日中50度もありますから、大きな樹の木陰でさえ絵を描くのは無理でした。
てっ言うか生きてるのが難しい!





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